りんごの品種は、世界中で数千から1万種にものぼるといわれ、日本国内では100種類前後が栽培されています。国内生産の半分以上は「ふじ」が占め、続いて「つがる」や「王林」、「ジョナゴールド」などが主流です。特に「紅玉」は酸味が強く、お菓子作りや料理に適した品種として人気があります。また、最近では果肉が赤いものなど、見た目に特徴のある品種も登場し、選択肢が豊富になっています。食味や用途に応じてさまざまな品種を楽しむことができ、2023年現在、国内市場では多種多様なりんごが出回っています。

りんごの表面が油っぽく感じることがありますが、これは防カビ剤や薬剤によるものではありません。りんごが成熟する過程で、自然に生成されるリノール酸やオレイン酸などの成分が皮に膜を形成し、天然のワックスとして表面を覆っています。この膜はりんごの内部の水分を外に逃がさない役割があり、果実の鮮度を保つ効果があります。自然のワックスがついているため、布で軽く磨くと表面が輝きます。これは自然が作り出す防護機能のひとつで、りんごが新鮮な状態を保つための重要な要素です。

日本におけるりんごの主な産地は青森県で、全国生産量の約63％を占める圧倒的なシェアを誇っています。令和3年の統計によると、青森県での収穫量は約415,700トンに達し、次いで長野県が110,300トン（約17％）を占めています。これらの主要産地の他にも、東北地方や北海道の一部でもりんごが栽培されており、それぞれが地域特有の気候や土壌を活かしたりんご作りをしています。これにより、日本各地で多様なりんごの風味や品質が楽しめるようになっています。

りんごは品種ごとに収穫時期が異なり、一般的には1～2ヶ月ほどの収穫期間を持ちます。収穫後、りんごは冷蔵保存が可能で、おおよそ3ヶ月前後保存できるため、実際に市場で見かける期間は長くなります。中には、夏前まで店頭に並ぶ品種もあり、一年を通じてりんごを楽しむことができますが、収穫されたばかりのりんごが最も風味豊かで美味しいとされています。品種にもよりますが、りんごの旬はおおむね秋から冬にかけてで、特に冷え込む季節の果物として広く親しまれています。

「林檎」はその美味しさから多くの人々に愛され、さまざまな利用方法で我々の生活を豊かに織りなすフルーツです。その歴史的背景から得た知識や特性を掴むことで、より深く、新たな視点から林檎を観察することができるでしょう。