果物の宝庫として知られる秋、さまざまな旬の味覚が私たちを楽しませてくれます。その中でも、「あけび」と呼ばれる独特なフルーツは、その見た目の美しさと希少性から注目されています。あけびは秋にだけ見られる特別な果物で、甘い香りと独特の風味が特徴です。本記事では、あけびの魅力、その旬の季節、そしておいしく楽しむための方法について、詳しく紹介していきます。あけびの深い味わいを一緒に探求してみませんか。
あけびの旬の時期について
あけびの花は5月に咲き始めます。実は秋にかけて成長し、皮が紫に変化して熟します。特徴的なのは完熟すると自然に皮が裂けて中の実が見えることです。収穫できる時期は8月末から10月半ばがピークです。
あけびの主要な産地
日本の山間部で広く自生するあけびですが、山形県では特に栽培が盛んです。この地で生産されるあけびは、国内で出荷される量の約90%を占めています。
東京ではあまり見かけないかもしれませんが、最近ではネット通販を利用して購入することも可能になっています。
子供の頃に山で自生するあけびを味わったことがある方もいるかもしれませんが、実際にはその土地に所有者がいるため、見つけたからといって勝手に採取しないように気をつけてください。
あけびの味わい
あけびの熟した果肉は、ゼリーのようにとろける乳白色をしています。酸味は感じられず、バナナや熟している柿に似た味わいで、控えめながら心地よい甘さを持つ果実です。
甘さが控えめと感じる方もいるでしょうが、甘い物が貴重だった時代や山歩きで疲れた際には、特にありがたく感じられたことでしょう。
あけびの食べ方
あけびをさらに楽しむための食べ方をご案内します。
あけびは白くて甘い果肉だけでなく、実は皮もおいしく食べることができるのです。果肉はそのまま食べても美味しいですが、皮はアクを取り除いてから加熱調理すると一層おいしくなりますよ。
果肉の楽しみ方
あけびの果肉は、通常、そのまま生で味わわれます。スプーンを使って、皮の開いた部分からすくって食べるのが一般的です。ただし、黒い種は食べられないので注意が必要です。
さらに、凍らせることで別の楽しみ方もあります。目の細かいザルで裏ごしをして種を取り除いた後、凍らせるのがおすすめです。ゼリーのような果肉は冷凍しても硬くなりすぎず、シャリシャリとした食感のシャーベットとして味わうことができます。
皮の楽しみ方
先に述べたように、皮はそのまま食べることはできません。数時間水に浸してアクをしっかり抜いてから加熱して調理します。
少し苦みがあるため、天ぷらにしたり、味噌やバターで炒める、または佃煮にするのがオススメです。油を使った料理や濃い味付けの料理と相性抜群です。山形県では、肉詰めとして郷土料理にもなっています。また、春になると新芽を食べることもできます。