麦の種類

日本における大麦と小麦は、豊かな風味と多様な利用法を持つ重要な穀物です。四季折々の気候がもたらすこの国土で、様々な種類が栽培され、地域ごとに異なる特性と魅力を誇ります。日本の食文化において不可欠な存在となっているこれらの穀物は、うどんやパン、ビールなど数えきれないほどの製品に姿を変え、私たちの生活を彩っています。本記事では、日本各地で栽培される大麦と小麦の種類と、その独特な魅力を深く探っていきます。

小麦の構成要素と栄養の調和

小麦粒は、「胚乳」「表皮」「胚芽」という3つの部分からなり、それぞれが異なる栄養素を有しています。胚乳には糖質とたんぱく質が豊富に含まれ、これらは私たちの身体を動かすためのエネルギー源となります。表皮には腸のぜん動運動を助ける食物繊維や血液の重要な成分である鉄が含まれています。さらに、胚芽にはビタミンB1やB6が含まれており、これらは糖質、たんぱく質、脂質などの栄養素の代謝を助ける役割を果たしています。

小麦のもつ栄養価

小麦には「グルテン」というたんぱく質が多く含まれており、その含有量により「硬質小麦」「中間質小麦」「軟質小麦」の3つに分類されます。これらは粉に挽かれて「強力粉」「中力粉」「薄力粉」として使用されます。

硬質小麦・中間質小麦・軟質小麦

大麦はビールや味噌づくりに使われるほか、主食の一部として麦ごはんにも活用されています。「皮麦」として知られる外皮が取りづらいタイプと、比較的外皮が外しやすい「はだか麦」が存在し、それぞれ二条と六条に分けられます。一般的に、二条種のほうが粒が大きいと評価されています。さらに、大麦は粘りが少ない「うるち性」と、もち米のように粘りのある「もち麦」に区別されます。

大麦のバラエティとその特性

二条大麦と六条大麦は、穂に付く粒の列数が異なります。上から見ると、二条大麦は2列、六条大麦は全6列に粒が付いています。

二条大麦と六条大麦の差異

大麦は寒さや乾燥に耐性があり、日本全域で栽培されています。日本における主食用の大麦は完全に国内生産されており、食感に優れ、栄養価の高い品種が次々と開発されています。二条大麦は全国で広く生産されており、六条大麦は主に東北、北陸、関東で栽培され、はだか麦は四国や九州で主に生産されています。

 

国産品が多く作られる地域

大麦にはうるち性ともち性のものがあり、それぞれ異なる特性を持っています。うるち性の大麦は米と一緒に炊くと硬くなりがちで、食感が悪くなることがあるため、事前に蒸してからつぶすといった加工が必要です。対照的に、もち性の大麦はそのまま炊くだけで美味しく食べられ、多くの場合、加熱やつぶす工程は省かれ、精白だけを行うことが一般的です。また、見た目や調理のしやすさを考慮した様々な加工法も存在し、それぞれの大麦の特徴に応じて使い分けられています。

加工方法に基づく種類の違い

大麦にはビタミンB群と多くのミネラルが豊富に含まれており、食物繊維には水に溶けるものと溶けないものの両方がバランス良く存在しています。特に、水溶性の「β-グルカン」は機能性表示食品にも使われており、多くの健康効果が見込まれています。