果物のなかでもパパイヤは独特の存在感を放っています。エキゾチックな外見と、芳醇な甘みと香りが織りなす味わいは、熱帯の陽射しと大地の恵みを凝縮したかのよう。その魅力は、ただ単に食べ物という枠に収まらず、人々を熱帯の世界へと誘います。今回は、この魅惑の果実の秘密に迫り、栄養価や効能、さまざまな活用方法について、詳しく探っていきましょう。パパイヤには、ひと口では語り尽くせない魅力が詰まっているのです。
熱帯アメリカ原産の多汁果実
パパイヤは南米が原産地とされる常緑樹で、その果実も同じ名前で呼ばれています。16世紀初頭にヨーロッパ人によって世界中に広まり、現在では多くの熱帯および亜熱帯地域で栽培されるようになりました。日本国内でも沖縄県や鹿児島県などで生産が行われています。
パパイヤの品種によって形状が異なり、電球のような形をしているものや、ラグビーボールのような楕円形のもの、細長く大型のものなどさまざまな種類があります。熟したパパイヤは黄色く柔らかくなり、果物として食べられます。
未熟な状態で青く硬いパパイヤは野菜として利用することができ、沖縄県やタイ、フィリピンなどでさまざまな料理に使用されています。
熱帯果実の王者
パパイヤは成熟過程で外見が変化し、鮮やかな黄色や深みのあるオレンジ色をしたジューシーな果肉に変わります。中央部分は空洞になっており、そこに黒い種子が詰まっています。
熟したパパイヤは柔らかく、甘みが強く、特有の発酵香と僅かな苦味が感じられます。生で食べる他、スムージーやデザートの材料として利用されることが多いです。
熱帯果実の代表格、青パパイヤ
パパイヤは熟す前の段階では青パパイヤやグリーンパパイヤと呼ばれ、硬く歯ごたえがある果肉と淡白な味わいが特徴です。薄緑がかった白い果肉と真っ白な種を持ちます。
青パパイヤには受粉せずにできた雌株のものがあり、無種のものも存在します。野菜として扱われ、生食のサラダや和え物に加えられたり、炒め物や煮物に使用されたりします。青パパイヤにはパパイン酵素が豊富に含まれており、肉を柔らかくしたり消化を助ける働きがあります。
ポリフェノール豊富! パパイヤの栄養価と健康効果
ポリフェノールは、活性酸素の生成を抑制し、活性酸素自体を除去することで酸化を防ぎます。適量の活性酸素は体に有益な働きをしますが、過剰に生成されると免疫機能の低下などの問題を引き起こす可能性があります。
青パパイヤはポリフェノールを豊富に含むため、青パパイヤを摂取することで健康維持が期待できます。
パパイヤの豊富な栄養素とビタミンCによる健康効果
ビタミンCは体内でコラーゲンの合成を促進します。コラーゲンは粘膜、骨、軟骨、皮膚、血管を強化し、保護する役割を果たします。さらに、ビタミンCはストレス対策のホルモン合成にも不可欠です。
ビタミンCには抗酸化作用があり、老化の進行を遅らせる働きがあります。水溶性で熱に弱いため、新鮮な生の食材で摂取するのが良いでしょう。また、体内に蓄積されないので、こまめな摂取が必要です。
パパイヤ100gには約50mgのビタミンCが含まれており、1日の推奨摂取量の半分を摂取できます。
パパイヤ、栄養豊富で美容と健康に優れた効果
β-カロテンは、視力の維持だけでなく、有害な活性酸素から体を守る抗酸化効果や免疫機能を高める作用があると知られています。パパイヤは、黄色く熟した果実の方が青い未熟なパパイヤよりもカロテンを豊富に含有しています。
パパイヤ、カリウム豊富な優れたフルーツ
カリウムは、体内の細胞における浸透圧を一定に保つ役割を果たしています。
また、ナトリウムの体外排出を促進し、塩分のバランスを保つのに貢献します。カリウムが不足すると、倦怠感、食欲減退、筋力低下などの症状が現れる可能性があります。
パパイアの健康価値を探る - 酵素パワー
パパインは青パパイヤに豊富に含まれる酵素で、タンパク質を分解する働きがあります。しかし、パパイヤが熟れるにつれてその量は減っていきます。青パパイヤには、タンパク質、脂質、炭水化物の三大栄養素を分解する複数の酵素が含まれているのが特徴です。
パパイヤを手に入れられるスポット
日本国内でパパイヤを手に入れられる場所としては、百貨店の青果コーナーや、沖縄料理店、東南アジア料理店などが挙げられます。
独特な野菜を扱う専門店では、比較的見かけることができます。
近年、パパイヤの健康効果がメディアで取り上げられるようになったことから、地元のスーパーマーケットや果物屋でも販売されるようになってきました。近くに購入先がない場合は、ネット通販を活用するのも一つの選択肢です。
フレッシュパパイヤの価格
パパイヤの価格は幅があり、1キロ当たり800円から1,200円の範囲にあります。
新鮮で美味しいパパイヤを選ぶコツ
パパイヤの価格は概ね500円程度と言われていますが、
国産の場合は、八百屋などで300円前後で購入できる可能性があります。
パパイヤの選び方のポイント: 重さで新鮮さを判断
パパイヤを選ぶ際は、しっかりとした弾力と光沢のあるものを選びましょう。弾力がないパパイヤは乾燥している可能性が高いため、注意が必要です。また、表面に傷があるものは内部まで傷んでいる可能性があるので、避けるのが賢明でしょう。
パパイヤの選び方ポイント:適度な熟度が鍵
パパイヤには、存在感のある重量感があります。その重みは、果実の中に豊富な果肉と果汁が詰まっていることを示しています。
新鮮なパパイヤの旬と美味しい食べ方
用途に合わせて、パパイヤの熟度を確認することが重要です。
デザートとして食べたい場合は、濃い黄色の皮を持つ完熟パパイヤがおすすめです。一方、サラダや炒め物など料理に使う際は、緑色の皮を持つ未熟パパイヤを選ぶのがよい選択肢となります。
簡単！パパイヤを美味しく楽しむための切り方
パパイヤは、果皮が黄色くなり、触れば弾力があれば食べ頃です。
緑色のパパイヤは、新聞紙などに包んで常温で追熟させます。完熟したら冷蔵庫で1週間程度保存できますが、完熟する前に冷蔵庫に入れると、熟さずに腐ってしまうので注意が必要です。
一方、青パパイヤとして利用する場合は、追熟させないよう、最初から新聞紙などに包んで冷蔵庫で保管します。
また、大きな青パパイヤの場合、一度に使い切れないときは、使う部分だけ皮をむいて、残りは皮つきのままラップで包むと、みずみずしさを保つことができます。
熟したパパイヤは冷凍保存も可能です。
皮をむいて適当な大きさに切り分けた状態で凍らせると良いでしょう。解凍時は半解凍の状態で、生食やスムージーなどにするのがおすすめです。
新鮮なパパイヤを美味しく食べるための調理方法
パパイヤを切る際は、まずヘタの部分を取り除きます。次に、ナイフで縦に半分に切り分けます。中に種があれば、スプーンで種を取り出しましょう。小ぶりなパパイヤならば、そのままスプーンで実の部分を掬い取って食べられます。一方で大きめのパパイヤだと、さらに半分に切り、皮をむいた上で一口サイズに切り分けるのがおすすめです。
パパイヤを美味しく食べるコツとは?
青パパイヤは加工する際に白い液体が出ることがあり、これはパパイン酵素です。手が荒れる可能性があるため、肌が敏感な方はビニール手袋を着用することをおすすめします。
まず青パパイヤを縦半分に切り、白い種を取り除きます。皮には苦みがありますが、食用可能なので薄く残す程度に剥きます。その後は料理に合わせて好みの形に切ります。切った青パパイヤを10分ほど水に浸けると、苦みが和らぎ食べやすくなります。