キウイフルーツ旬
太陽の光をたっぷり浴びて育ったキウイフルーツ。その甘酸っぱさと、とろけるような舌触りは、私たちを魅了してやみません。でも、せっかく食べるなら、一番おいしい旬の時期に味わいたいものですよね。この記事では、キウイフルーツの旬を徹底的に解説!おいしい時期の見極め方から、栄養を最大限に引き出す食べ方まで、余すことなくご紹介します。キウイフルーツの魅力を再発見して、日々の食生活をもっと豊かに彩りましょう。
キウイフルーツとは
キウイフルーツは、エメラルドグリーンの果肉が特徴的な、マタタビ科の果物です。キウイフルーツは,マタタビ,サルナシ,シマサルナシなどとともにマタタビ属(Actinidia 属)に分類される落葉果樹です。1904年,中国の山野に自生するキウイフルーツの野生種がニュージーランドの旅行者によって母国に持ち込まれ,作物化されたのがその始まりです。その後数十年を経てニュージーランド国内で本格的な経済栽培が開始され,1960年代になって初めて世界中で市販されるようになりました。
キウイの旬:国産と輸入で変わる収穫時期
キウイフルーツは一年を通して手に入りますが、国産品と輸入品では旬の時期が異なります。これは、日本と季節が正反対のニュージーランドなどから輸入されることで、一年中キウイを楽しめるようになったためです。価格の変動はありますが、年間を通して安定した供給が期待できます。
国産キウイの旬:10月~4月
日本では、東北地方から九州地方まで各地でキウイが栽培されており、国産キウイの旬は10月から4月頃です。特に、愛媛県や和歌山県での栽培が盛んです。本来は秋から冬に収穫される、寒さに比較的強い亜熱帯植物です。収穫後、追熟されてから店頭に並ぶため、旬の時期より少し遅れて市場に出回ります。12月頃の国産キウイはやや高価ですが、2~3月頃になると追熟を終えたキウイが多く出荷され、輸入品と同程度の価格で購入できるようになります。
輸入キウイの旬:5月~12月
2020年の財務省貿易統計によると、日本のキウイフルーツ輸入量は合計113,432トンであり、そのうちニュージーランド産が106,364トンを占めています。これは全輸入量の約93.8%に相当します。ニュージーランドは南半球にあるため、日本とは季節が逆になります。ニュージーランドのキウイの旬は3~5月頃で、この時期に収穫されたものが日本には5~12月頃に多く輸入、販売されます。
品種別キウイの旬
キウイフルーツは、その種類によっておいしく食べられる時期が異なります。ここでは、代表的な品種の旬な時期をご紹介いたします。
香川県産『きういっこ』:11月上旬~1月下旬
一般的なキウイと比べて小ぶりな「きういっこ」は、際立つ甘さが魅力です。手で簡単に割ることができ、ゼリーのような食感を楽しむことができます。
香川県産『讃岐ゴールド』:10月下旬~11月下旬
香川県で生まれた讃岐ゴールドは、熟すと果肉が鮮やかな黄色に変わります。甘みと爽やかさを兼ね備えた味わいが特徴で、旬の時期は比較的短いのが特徴です。
福岡県産のブランドキウイ
キウイフルーツの栽培が盛んな福岡県。「博多甘熟娘(はかたうれっこ)」と「博多甘香(はかたあまか)」は、福岡県産の高品質なキウイとして知られています。特に「博多甘熟娘(はかたうれっこ)」は糖度13度以上、「博多甘香(はかたあまか)」はさらに高く、糖度15度以上の基準を満たしたものだけが、その名を与えられます。
その他の品種
希少な国内産のレッドキウイやアップルキウイは、収穫時期が9月から12月と限られています。輸入ものとの代替が難しいため、市場に出回る量が少なく、価格も比較的高めに設定される傾向があります。
美味しいキウイの選び方
美味しいキウイを選ぶための、いくつかのポイントをご紹介します。
形をチェック
果肉がたっぷりと詰まっているキウイは、全体的にふっくらとした丸みを帯びています。ただし、品種によって甘さを見分けるポイントが異なります。ヘイワードやゴールドキウイのような俵型の品種は、きれいな楕円形よりも、少し平たい形の方が甘い傾向があるという見方もあります。一方、アップルキウイの場合は、丸みのあるものを選ぶのがおすすめです。
皮の状態を確認する
キウイを選ぶ際は、まず表面の状態を丁寧に確認しましょう。特に輸入されたキウイは、輸送中に傷やへこみが生じることがあります。傷んだ部分から劣化が進みやすいので、傷がないか、裏側までしっかりとチェックすることが大切です。また、一般的に皮の色が明るい茶色のものの方が、より甘みが強い傾向にあると言われています。
産毛の状態を確認する
ヘイワード種のように表面に産毛がある品種の場合、産毛が均一に、そして全体に密生しているものを選ぶのがおすすめです。産毛の状態が良いものは、新鮮さの証でもあります。
熟度合いを確認する
キウイの美味しさを左右するのが熟度です。未熟だと酸味が強く、甘みが十分に感じられません。逆に熟しすぎると風味が落ちてしまいます。熟度を確認するには、キウイ全体を優しく触ってみましょう。表面の毛が少し柔らかく、ヘタの周辺を軽く押すとわずかにへこむ程度で、甘い香りが感じられるものが食べ頃です。柔らかすぎるものは熟しすぎている可能性があります。
キウイの保存方法
ここでは、キウイを美味しく保存するための方法をご紹介します。
冷蔵保存
キウイフルーツは冷蔵保存が最適です。店頭で購入した際の容器や保存袋を活用し、冷蔵庫で保管すると良いでしょう。その際、キウイ同士が圧迫されないように、間隔を空けて並べることが大切です。こうすることで、一部が傷むのを防ぎ、鮮度を保てます。保存期間の目安としては、一週間程度で食べきれる量を目安にすると、食べ頃を逃さずに美味しくいただけます。
常温保存(追熟)
もしキウイフルーツがまだ硬く、熟していない場合は、常温で追熟させるのがおすすめです。一度に全てを追熟させるのではなく、食べる分だけ追熟させることで、熟しすぎて味が落ちるのを防ぐことができます。早く熟させたい場合は、リンゴやバナナと一緒に袋に入れ、冷蔵庫で保管すると、エチレンガスの影響で追熟が促進されます。
冷凍保存
キウイフルーツは、フリーザーバッグに入れて冷凍保存することも可能です。ただし、解凍すると生の時とは食感が変化するため、注意が必要です。冷凍したキウイフルーツは、スムージーやヨーグルトに混ぜるなど、凍ったまま活用するのがおすすめです。独特の風味と冷たさを手軽に楽しむことができます。
キウイの栄養と効能
キウイフルーツは、その小さな見た目からは想像できないほど、栄養が豊富な果物です。特にビタミンC、ビタミンE、食物繊維が豊富で、その他にもカリウム、葉酸、鉄分など、健康維持に欠かせない様々な栄養素が含まれています。
主な栄養成分と効能
キウイフルーツが「栄養の宝庫」と言われるのは、多種多様な栄養素を含んでいるだけでなく、他の食品と組み合わせて摂取することで、それぞれの栄養素の効果を高め合う成分が含まれているためです。
- ビタミンC: 透明感のある肌を保つ、免疫力を高める、体の酸化を防ぐ
- ビタミンE: 血流を改善する、細胞の老化を遅らせる
- 食物繊維: スムーズな排便を促す、腸内細菌のバランスを整える
- カリウム: 体内の余分な水分を排出する、血圧の安定をサポートする
- 葉酸と鉄分: 健康な血液を作る
- カルシウムとマグネシウム: 丈夫な骨と歯を維持する
期待できる効能
キウイフルーツを日々の食生活に取り入れることで、次のような効果が期待できます。
- 美肌効果: ビタミンCとビタミンEが協力し、シミやくすみの原因となるメラニンの生成を抑制し、肌の新陳代謝を促進します。
- 腸内環境改善: バランス良く含まれた不溶性食物繊維と水溶性食物繊維が、腸の動きを活発にし、善玉菌を増やして腸内環境を整えます。
- むくみ対策とダイエットサポート: 低カロリーでありながら満腹感が得やすく、カリウムがナトリウムを排出することで、むくみを予防します。
- 授乳中の栄養補給に: 脂質が少なく、水分が豊富なキウイは、母乳育児中のママにとって理想的なフルーツです。
- 成長期のサポート: 骨の成長に必要なカルシウムを効果的に摂取できます。
- 睡眠の質の向上: キウイに含まれるセロトニンが、より良い睡眠をもたらす効果があることが研究で示唆されています。
キウイの食べ方
キウイフルーツは、そのまま食べても十分に美味しいですが、色々な工夫を凝らして楽しむこともできます。
そのまま食べる
キウイは手軽に入手でき、特別な調理をしなくても、自然な甘味と酸味を堪能できるため、素材本来の味をダイレクトに味わえる食べ方です。キウイを横半分にカットしてスプーンで掬って食べたり、皮を剥いて輪切りや櫛形にカットしたりすれば、簡単にキウイを味わえます。冷蔵庫で冷やすとより美味しくなりますが、甘さを強く感じたい場合は、常温に近い状態で食べるのがおすすめです。日本では皮を剥いて食べるのが一般的ですが、原産地のニュージーランドでは、皮にも栄養豊富なポリフェノールが含まれているため、皮ごと食べるのが主流です。
スムージー
手軽に作れるキウイのスムージーは、日々の栄養補給に最適です。お好みのフルーツや野菜とキウイをミキサーにかけるだけで、美味しくいただけます。セロリやリンゴ、アボカド、バナナ、ヨーグルトなど、色々な食材を組み合わせて、自分だけのオリジナルスムージーを試してみましょう。
ケーキやスイーツ
キウイは、その鮮やかな色味と変色しにくい性質から、ケーキやスイーツの飾り付けに重宝されます。チーズケーキのトッピングとして、また和菓子の甘さを引き立てるアクセントとして、ヨーグルトやアイスクリームの風味付けとして、様々な用途でその美味しさを発揮します。
料理のソース
キウイを料理のソースとして活用するのもおすすめです。キウイにオリーブオイル、塩、すりおろしニンニクなどを加えるだけで、風味豊かなソースが完成します。サラダのドレッシングや肉料理のソースとして、普段の食卓に彩りを添えられます。また、キウイに含まれるアクチニジンという酵素は、タンパク質を分解する働きがあるため、お肉を柔らかくする効果も期待できます。
キウイの切り方
キウイは、切り方によって見た目も食感も変わります。ここでは、キウイの様々な魅力を引き出す3つの切り方をご紹介します。
皮ごといただく
キウイの皮には、果肉と同様に豊富な食物繊維をはじめとする栄養素が凝縮されています。軽く水洗いし、リンゴのようにそのままかじりついてみましょう。皮ごと食べれば、包丁を使う手間も省け、手軽に楽しめます。表面の毛が気になる方は、毛が短く目立ちにくいゴールドキウイがおすすめです。
キウイの主な産地
キウイの主な産地は以下の通りです。
愛媛県
キウイの生産量日本一を誇るのは愛媛県です。かつてみかんの価格が低迷した際、キウイに着目したことがきっかけとなり、生産が拡大しました。
福岡県
キウイの生産量で全国2位を誇るのが福岡県です。ここでは、「博多甘熟娘(はかたうれっこ)」や「博多甘香(はかたあまか)」といった、地域ブランドのキウイが栽培されています。
和歌山県
和歌山県は、キウイ生産量で全国3位です。特に注目したいのは、ブランドキウイ「熟姫(うれしひめ)」。JA紀の里で栽培されたキウイの中から、特に糖度の高いものを選び抜き、丁寧に追熟させてから出荷されます。
まとめ
キウイフルーツは、その独特の風味に加え、優れた栄養バランスと健康への様々な効果が期待できる、まさに食生活に取り入れたいフルーツです。旬の時期には、色々な品種を味わったり、工夫を凝らした食べ方で楽しんでみましょう。この情報が、あなたのキウイフルーツライフをさらに豊かなものにするお手伝いになれば幸いです。
よくある質問
質問1:キウイを毎日食べるのは体に良いですか?
回答1:はい、キウイは栄養が豊富なので、適量を毎日食べることは健康維持に役立ちます。ただし、食物繊維が非常に多いため、一度にたくさん食べるとお腹の調子を崩す可能性があります。1日に1~2個を目安に摂取するのがおすすめです。
質問2:キウイフルーツにアレルギー反応はありますか?
回答2:キウイフルーツは、アレルギー反応を引き起こす可能性のある果物です。特に、口腔アレルギー症候群として、口の中や喉に痒みや腫れといった症状が現れることがあります。初めて口にする際は、少量から試すことをお勧めします。
質問3:キウイフルーツを早く熟させるにはどうすれば良いですか?
回答3:キウイフルーツを追熟させるには、リンゴやバナナと一緒にビニール袋に入れ、室温で保管するのが効果的です。リンゴやバナナが放出するエチレンガスが、キウイフルーツの熟成を促します。冷蔵庫に入れると追熟のスピードが遅くなるため、避けるようにしましょう。
質問4:キウイフルーツは皮も一緒に食べられますか?
回答4:はい、キウイフルーツは皮ごと食べることが可能です。皮には、食物繊維やポリフェノールといった栄養素が豊富に含まれています。皮の産毛が気になる場合は、比較的産毛の少ないゴールドキウイを選ぶと良いでしょう。食べる前には、しっかりと水洗いしてください。
質問5:キウイフルーツはどんな料理に合いますか?
回答5:キウイフルーツは、そのまま食べるのはもちろん、スムージーやヨーグルトのトッピング、サラダの彩り、肉料理のソースなど、様々な料理に活用できます。キウイフルーツに含まれるアクチニジンという酵素は、肉を柔らかくする効果があるため、特に肉料理との組み合わせはおすすめです。