葡萄 旬

葡萄 旬

幅広い世代に人気のぶどうは、秋の味覚として親しまれています。令和5年産ぶどうの収穫量は167,000トン、出荷量は156,700トンである。農林水産省の作物統計調査によると、ぶどうの主な出荷時期は7月から10月に集中しており、特に8月と9月がピークとなっている。近年では、栽培技術の向上により、旬の時期以外でも楽しめるようになりました。

品種別の旬:人気品種をチェック!

ぶどうは多種多様な品種があり、それぞれに旬の時期が異なります。代表的な品種の旬を知ることで、最も美味しい時期にぶどうを堪能できます。

巨峰:甘みの凝縮された味わい

ハウスでも栽培され、早い物は5月下旬頃から出始めます。露地栽培で最も美味しく熟した物が出回る旬の時期は8月下旬頃から9月下旬頃となります。

ピオーネ:豊かな香りが魅力

大粒で香り高いピオーネは、9月から10月が旬です。岡山県、山梨県、長野県などで栽培されており、上品な甘さと芳醇な香りを楽しむことができます。

デラウェア:手軽につまめる小さな宝石

赤紫色の小さな粒が可愛らしいデラウェア。旬を迎えるのは7月から8月にかけてです。特に山形県での栽培が盛んで、その魅力は甘みと酸味の絶妙なハーモニー。種がなく、手軽に食べられるのも人気の理由です。

シャインマスカット:新時代のぶどう

鮮やかな緑色が目を引くシャインマスカットは、種なしで皮ごと食べられる新感覚のぶどうです。旬は8月下旬から10月頃。パリッとした食感と、とろけるような上品な甘さは、多くの人々を虜にしています。

産地ごとの旬:地域ごとの特色と収穫時期

ぶどうは、その土地の気候や風土によって、旬の時期や栽培される品種が異なります。主要な産地の特徴と、それぞれの出荷時期を把握しておきましょう。

山梨県:ぶどうの里、品種の宝庫

令和6年産ぶどうの都道府県別収穫量割合について、農林水産省の『作物統計調査 作況調査(果樹) 速報 令和6年産日本なし、ぶどうの結果樹面積、収穫量及び出荷量』が2025年2月18日に公表されている。

長野県:独自品種への挑戦

長野県は、ぶどうの生産量で全国2位を誇ります。主力品種は巨峰やシャインマスカットですが、「ナガノパープル」のような種なし品種や、鮮やかな赤色が特徴の「クイーンルージュ」といったオリジナル品種の開発にも積極的に取り組んでいます。ハウス栽培されたものは7月から8月にかけて、露地栽培のものは9月から11月頃まで市場に出回ります。

山形県:多彩な品種の宝庫

山形県は、全国3位のぶどう生産地です。6月頃にはデラウェアの収穫が始まり、その後、巨峰、ピオーネ、シャインマスカット、安芸クイーンなど、多種多様な品種が栽培・出荷されます。11月末頃まで、様々な味わいのぶどうを楽しむことができます。

岡山県:高品質ぶどうの代名詞

岡山県は、ニューピオーネ、シャインマスカット、マスカット・オブ・アレキサンドリア、オーロラブラックといった、高級ぶどうの産地として有名です。温暖な気候がぶどう栽培に最適な環境を提供し、その恵まれた気候条件が、高品質なぶどうの生産を支えています。

福岡県:温暖な気候と寒暖差を活かして

福岡県では、巨峰、種無し巨峰、ピオーネ、博多ベリー、シャインマスカットなどが栽培されています。温暖な気候と盆地特有の昼夜の寒暖差を巧みに利用することで、ぶどうの栽培に最適な環境を作り出しています。

おいしいブドウの選び方:見極めるコツ

せっかくブドウを手にするなら、最高の一房を選びたいもの。ここでは、風味豊かなブドウを見分けるためのポイントをいくつかご紹介します。

色の深さと輝き

ブドウの色合いは種類や熟れ具合によって様々ですが、一般的に色が濃く、ムラがないほど甘みが強い傾向があります。また、みずみずしくおいしいブドウは、表面に自然なツヤがあります。

形状とサイズ

均整のとれた形をしているブドウは、品質が高いことが多いです。果粒がつぶれていたり、しなびていないかを確認しましょう。サイズは、大きすぎず小さすぎず、粒の大きさが揃っているものがおすすめです。

軸(枝)の様子

軸がピンとしていて、緑色を保っているものが新鮮です。軸が乾燥して茶色くなっているものは、収穫から時間が経過している可能性があります。

ブルームの有無

ブドウの表面に見られる白い粉は「ブルーム」と呼ばれます。これはブドウが自ら生成する天然のロウ物質で、果実を乾燥や病気から守る役割を果たします。ブルームが豊富に付着しているブドウは、新鮮であることの証とされています。

ブドウの保存方法:おいしさを長持ちさせる秘訣

ブドウは傷みやすい果物です。適切な保存方法を知っておくことで、より長くおいしさを楽しむことができます。

冷蔵保存(大粒品種)

巨峰やピオーネなどの大粒品種は、房から実を丁寧に切り離して保存するのがおすすめです。実を容器に並べ、底にペーパータオルを敷いておくと、余分な水分を吸収してくれます。房から切り離すことで、枝への水分供給が抑えられ、果実のみずみずしさを保てます。

冷蔵保存(小粒品種)

デラウェアなどの小粒品種は、房から外れやすいのが難点です。傷つけないように、ブドウ全体をペーパータオルでふんわりと包み、深めの保存容器に入れて冷蔵庫で保存しましょう。容器の深さは、ブドウが押しつぶされないように配慮して選ぶことが大切です。

冷凍保存(大粒・小粒品種共通)

冷凍保存する際も、房から丁寧に外してから保存しましょう。一粒ずつ房から外し、水気をしっかりと拭き取ります。ブドウ同士がくっつかないように、ポリ袋やジッパー付き保存袋などに入れ、冷凍庫へ。特に巨峰などの大粒品種は、冷凍することで皮と実の間に隙間ができ、皮がむきやすくなります。冷たくシャリシャリとした食感は、冷凍ならではの楽しみ方です。

長期保存:ジャムにする

ブドウを長く保存したい場合は、ジャムにするのが良いでしょう。ジャムにすることで、ブドウの豊かな風味をより長く堪能できます。

知っておくと嬉しいブドウのミニ知識

ブドウについてもっと深く知りたいと思いませんか?ここでは、ブドウに関するちょっとした知識をご紹介します。

ブドウとマスカットの違い

マスカットは、ブドウ科に属する果物の一種であり、どちらも広い意味ではブドウの仲間です。ブドウには、巨峰やピオーネといった様々な品種がありますが、マスカットはそれらの中の特定の品種群を指します。わかりやすい違いとしては、色の違いが挙げられます。一般的なブドウは紫色をしているのに対し、マスカットは緑色をしています。ちなみに、緑色のマスカットは「白ブドウ」と呼ばれることもあります。

世界のぶどう、その大半はワインのため

私たちが普段口にするぶどうの多くは生食用として国内で栽培されていますが、世界に目を向けると、その大部分はワイン醸造のために育てられています。生食用ぶどうは大粒で強い甘みが特徴ですが、ワイン造りには、果皮に含まれるタンニンや酸味といった要素が不可欠です。そのため、ワイン用ぶどうは皮が厚く、果肉が少ない傾向にあります。

ぶどうの甘さ、実は上部に集中

ぶどうは、房の上部、つまり枝に近い部分ほど糖度が高くなる性質を持っています。 したがって、房の下から順に味わうことで、徐々に甘みが増していく感覚を堪能できます。

まとめ

ぶどうの旬は主に7月から10月ですが、品種や産地によって個性が異なります。この記事で紹介した選び方や保存方法を参考に、様々なぶどうの個性と最も美味しい時期を存分に楽しんで、食卓を豊かに彩ってください。

よくある質問

質問1:ぶどうが最も美味しい時期は?

ぶどうの旬は一般的に7月から11月にかけてです。しかし、品種によって最適な時期は異なり、例えば、デラウェアは7月から8月頃、巨峰やシャインマスカットは8月から9月頃に最盛期を迎えます。

質問2:美味しいぶどうの見分け方は?

良質なぶどうを選ぶポイントは、色付きが濃くムラがなく、表面に自然な光沢があることです。また、果実の形が整っているかも確認しましょう。軸が新鮮で緑色をしており、ブルームと呼ばれる白い粉が表面に付着しているものがおすすめです。

質問3:ぶどうの適切な保存方法は?

冷蔵保存する際は、房から粒を外し、キッチンペーパーで優しく包んでから、密閉容器に入れ、冷蔵庫の野菜室で保管します。長期保存したい場合は、冷凍保存も可能です。同様に粒を房から外し、水気をしっかりと拭き取ってから、ジッパー付きの保存袋に入れて冷凍庫へ。ジャムに加工することも長期保存に適した方法です。