日本の伝統的な和菓子には、膨大な種類と地域ごとの風味がありますが、その中でもここでは、北陸地方に伝わる特色ある甘味、'べこ餅'にスポットを当ててみたいと思います。独特の形状と手間ひまかけて作られるその味わいには、地元の人々の生活や歴史が色濃く反映されています。どこか懐かしさを感じさせるべこ餅の魅力と特徴についてご紹介します。
「べこ餅」とは?
「べこ餅」は、北海道と青森県などの東北の一部の郷土菓子で、伝統的に馬の顔を描いた餅菓子です。自宅で作られることが多く、白やピンクの餅に黒ゴマを使い馬の顔をデザインします。
「べこ餅」の名前の由来は?
べこ餅の名前の由来にはいくつかの説がありますね。一つは、黒糖を加えたお餅の黒い部分がべっ甲の色合いに似ているという説。そして、もう一つは原料に「米粉(べいこ)」を使っているので、”べいこ餅”から変化したという説。また、白と黒の2色が乳牛のホルスタインに似ているため、牛を意味する”べこ”からついたという説もあります。
実際には諸説があり、正確な由来は定かではありません。それぞれの説には興味深い要素がありますね。もしかしたら、実際の由来は組み合わさったり、地域によって異なる可能性もあります。どの説が本当なのかははっきりしない場合もありますが、それぞれの説には地域の歴史や文化が反映されているかもしれませんね。
「べこ餅」を端午の節句に食べるのはなぜ?
「べこ餅」は、「くじら餅」としてお祝い事の際に食べられる習慣から発祥し、後に端午の節句のお菓子として親しまれるようになりました。私は、これがたくましく物事に動じず、勤勉な人になるよう願いを込めたものだと伝えられています。
今では和菓子屋さんでも四季を問わず販売され、端午の節句だけでなくお正月やお彼岸、さらには冠婚葬祭の際にも愛されています。昔は親子で「べこ餅」の木型を使って一緒に作ることも一般的でしたが、現在は手軽に購入できるようになりました。
「べこ餅」のレシピと作り方
手作りでも気軽に楽しむことのできるそのシンプルな美味しさは、もち米の風味を余すことなく楽しめます。ぜひ、この素朴な味を家庭で堪能してみてください。
まずは、もち米を洗い一晩水につけます。次の日には、これを蒸して弾力のある餅米にします。そして、木の枠(無ければ手作りで)に詰め込み、べこ餅特有の山の形状を形成します。包装は桜の葉を使い、それぞれを丁寧に包みます。そして、乾燥させて保存をします。
料理はシンプルですが、その分、もち米の風味が引き立ちます。特に、山形県のもち米から作られたべこ餅は香りがよく、他のものとは比べ物になりません。もちろん、お好みでアレンジを加えることも可能です。
さて、挑戦してみる前に注意が一つ。べこ餅は比較的乾燥するので、食べきれない場合は冷凍保存がオススメです。また、蒸し器を使う際はやけどに注意しながら作業をすることが大切です。そして何より、お好きな形に作って、お召し上がりください。楽しみながら「べこ餅」作りを体験し、古き良き日本の味をお楽しみください。
「べこ餅」」の通販は六花亭と野島製菓がおすすめ
北海道の特産品である「べこ餅」は、地元でしか口にすることができませんでしたが、現在では通信販売を利用して手に入れることが可能です。
手作りの味わいが評判の六花亭では、一般的な木の葉型よりも丸い形状の「べこ餅」を提供しており、その愛らしい見た目も人気の一因です。ここでの「べこ餅」はもっちりとした食感と、国産黒糖の優しい甘さが特長。ひとつ108円(税込)で手に入る手頃さも魅力で、月に二度の通信販売機会がございます。
対して、札幌市に拠点を置く老舗和菓子店・野島製菓の「べこ餅」は、伝統的な木の葉型にこだわり、最高級の沖縄黒糖を使用した伝統的な味わいが楽しめます。「よもぎ餅」と「白いお餅」のバリエーションも提供されており、独自の封入包装と熱殺菌処理により賞味期限が長く安心して購入できます。
北海道の伝統行事である端午の節句には欠かせない「べこ餅」は、その素朴な味わいが多くの人々に愛されています。ぜひ一度、手軽に北海道の伝統を味わいたい方、または贈り物として捧げたい方、六花亭と野島製菓の「べこ餅」をお試しください。
まとめ
べこ餅は、その見た目の可愛らしさと、じっくりと時間をかけて作られる独特の食感と深い味わいが特徴です。これは、北陸地方の冷静な気候や厳しい自然環境を反映した、地元の人々の工夫と努力の結晶でもあります。素朴でありながらも独特の風味を持つべこ餅は、その地域の文化や歴史を感じることができ、ひとくち食べると何とも言えない懐かしさと温かみを感じさせてくれます。一度食べたら忘れられないその味は、北陸地方の風土と人々の思いが紡ぎだした、日本の伝統的な和菓子の一つです。