知っておきたい!プルーンの種類と選び方:生食用からドライプルーン向けまで
健康と美容に良いとされるプルーン。その種類は豊富で、生で食べるものからドライプルーンに適したものまで様々です。この記事では、プルーンの基本情報から、それぞれの種類、そして最適な選び方までを徹底解説します。プルーンとプラムの違い、歴史、日本での栽培状況にも触れ、あなたのプルーン選びをサポート。この記事を読めば、プルーンの魅力を最大限に引き出し、日々の食生活をより豊かにできるでしょう。

プルーンとは?:種類、プラムとの違い、歴史

プルーンは、バラ科スモモ属に分類される西洋スモモの一種です。その果実は、健康や美容に良いとされる豊富な栄養素を含んでおり、日々の食生活に取り入れたい魅力的な果物と言えるでしょう。プルーンには、早生、中生、晩生といった様々な品種が存在し、品種によって乾燥させてドライプルーンとして利用されるものと、生食に適したものに分かれます。特に、種が付いたまま乾燥させても発酵しない品種は、ドライプルーンとして重宝されています。日本では、生で食べられるプルーンも広く栽培されており、完熟した果実は甘酸っぱく、みずみずしい味わいが楽しめます。
プルーンとよく比較されるプラムですが、実はどちらも日本語では「スモモ」と訳されます。プルーンは、西洋スモモというスモモの一種であり、一般的に果実は楕円形で、果皮は赤紫から青紫色をしています。見た目や味わいが若干異なるため、市場では区別して販売されています。
プルーン、つまり西洋スモモの原産地は、コーカサス地方であると考えられており、古代ローマ時代には既に食用とされていたようです。その後、ヨーロッパ各地に広まり、特にフランスで広く普及しました。アメリカ大陸が発見されると、プルーンはアメリカにも伝わり、1800年代中期以降には、アメリカでの栽培が盛んになりました。フランス人がカリフォルニアに持ち込んだ苗木を基に品種改良が行われ、現在のカリフォルニアプルーンが誕生しました。日本へは明治時代に伝来しましたが、雨に弱い性質から栽培が難しく、なかなか定着しませんでした。しかし、近年では品種改良が進み、長野県や北海道、青森県などで栽培が行われています。

プルーンの生産地:国内外の主要産地

プルーンは世界中で栽培されており、日本国内でも生産されています。FAO統計2020年によると、世界のプラム生産量上位10カ国は、中国、ルーマニア、セルビア、チリ、イラン、トルコ、アメリカ、インド、フランス、ロシアとなっています。上位3カ国で全体の64%、上位5カ国で70%、上位10カ国で世界全体のプルーン総生産量の80%を占めています。特に、生産量1位の中国は年間650万トンを生産し、これは世界全体の生産量の52%に相当します。プラムにおいては中国が最大の生産国ですが、プルーンの産地として広く知られているのは、やはりアメリカのカリフォルニアでしょう。ドライフルーツやプルーンエキスとして販売されている「〇〇プルーン」は、そのほとんどがカリフォルニア産です。その他、ケーキなどの製菓用として、ヨーロッパ産、特にフランスやイタリアのドライプルーンも少量輸入されています。近年では、チリ産のドライプルーンも見られるようになりました。チリはカリフォルニアと気候が似ているため、近年プルーンの生産が拡大しているようです。
日本国内でもプルーンは生産されています。果物としての歴史は比較的浅く、本格的に市場に出回るようになったのは、ドライプルーンが輸入され始めた約30年前からです。主な生産地は、北海道、青森、秋田、山形、群馬、埼玉、長野です。生産量上位3県は、1位が長野県で1743トン、2位が北海道で652トン、3位が青森県で127トンとなっています。プルーンの果実は雨に弱く、長雨に当たると表皮が裂けやすい性質があるため、降水量の少ない地域での栽培が盛んです。2021年のプルーン収穫量で最も多いのは長野県で約920トン、次いで北海道が約612トン、青森県が約123トンとなっています。

プルーンの主要品種と特徴:生食用からドライプルーン向けまで

プルーンの品種は非常に多様で、果実の大きさ、果汁の量、甘さ、酸味など、それぞれに異なる特徴を持っています。カリフォルニアプルーンの品種は、そのほとんどがフレンチ種、またはその派生品種をベースにしています。2005年のデータによると、カリフォルニアで生産されるプルーンの98%がフレンチ種であるとされています。日本でよく知られている品種は、主に5つあります。

サンプルーン:長野県生まれの濃厚な甘さ

「サンプルーン」は、長野県佐久地方の臼田町で発見された品種です。外観は短楕円形で、皮は黒紫色、果肉は黄緑色をしています。果実の大きさは30g程度と小ぶりですが、平均糖度は18度と非常に高く、濃厚な甘みが楽しめます。また、カリウム、カルシウム、ビタミンA・B、鉄分などの栄養素も豊富に含んでいます。収穫時期は9月中旬から9月下旬頃で、果皮の表面に「シワ」が現れ、触るとゴムボールのように弾力がある状態が食べ頃です。2021年のプルーン作付面積では、サンプルーンが最も多く、約74.3ヘクタールと全体の約23%を占めています。

シュガー:小ぶりながらも濃厚な甘さ、乾燥プルーンにも最適

「シュガープルーン」は、長年にわたり日本で親しまれてきた品種で、日本の風土によく適応しています。国内のプルーン栽培面積のおよそ12%を占め、「サンプルーン」に次ぐ生産量を誇ります。収穫時期は8月中旬から9月中旬にかけて。果実は20gから40gと小ぶりですが、糖度は15度にも達し、酸味が少ないため非常に食べやすいのが特徴です。乾燥プルーンとしてもその甘さが際立ちます。食べ頃を見極めるには、果皮の色をチェック。赤みがかった紫色から、より濃い紫色へと変化した時が、酸味が抜け甘みが増したサインです。

スタンレイ:アメリカ生まれ、果汁たっぷりの人気品種

「スタンレイ」は、アメリカから導入された代表的なプルーンの品種です。その歴史は深く、「グランドデューク」と「エイジェン」という二つの品種を掛け合わせることで誕生し、1926年から栽培が開始されました。果皮は青紫色で、ブルーム(果粉)に覆われているのが特徴で、サンプルーンと似た色合いを持ちます。果実の大きさは約40gから50gで、楕円形をしており、サンプルーンよりもやや大きいのが特徴です。果肉は黄緑色から淡黄色をしており、一口噛むと甘い果汁が口いっぱいに広がり、まるでブドウのようなジューシーさを楽しめます。比較的日持ちも良く、青紫色の果皮が熟すと黒みがかった紫色に変化します。果肉は黄褐色で、甘みと程よい酸味が絶妙なバランスで調和しており、食味も良好です。市場に出回るのは、9月上旬から10月上旬頃です。

アーリーリバー:爽やかな酸味と、加工への高い適性

甘さは控えめで、酸味が際立つため、さっぱりとした味わいが楽しめます。十分に熟すと、濃厚な風味が増し、ジャムなどの加工品に利用されることが多い品種です。

くらしま:大玉でジューシー、長野県で愛される品種

「くらしま」は、「ローブドサージェン」と「プレジデント」を交配して生まれた品種です。プルーンの生産量日本一を誇る長野県で、最も多く栽培されている主要な品種の一つです。収穫は9月上旬頃から始まります。果実は50gから70gと大きく、食べ応えがあり、果皮は黒紫色をしています。果汁が豊富でジューシーであり、一口噛むと濃厚な甘さと酸味が口の中に広がります。他の早生品種と比較して、日持ちが良いのも特徴です。

フレンチ:ドライプルーンの代表品種

ドライプルーンとして広く知られる「ダジャン種」は、「フレンチプルーン」という名でも親しまれています。特にカリフォルニア産のものが有名です。この品種は、水分含有量が約18%になるまで丁寧に乾燥させることで、凝縮された濃厚な甘みを持つドライプルーンへと生まれ変わります。

プルーンの選び方と保存方法

プルーンは、すももと同様に皮ごと食べられるのが特徴です。ただし、果実の中には種が1つ入っているため、食べる際には注意が必要です。美味しい完熟プルーンを選ぶポイントは、果皮にハリがあり、色が濃く、手に持ったときにずっしりとした重みを感じるものを選ぶことです。また、表面にブルームと呼ばれる白い粉が付いているものは、新鮮である証拠です。プルーンは乾燥に弱いため、保存する際はビニール袋に入れるか、ラップでしっかりと包み、冷蔵庫の野菜室で保管しましょう。生プルーンは日持ちがあまり良くないので、できるだけ早めに食べるように心がけてください。乾燥プルーンの場合は、密閉容器に入れて、直射日光を避けた冷暗所で保存するのがおすすめです。

プルーンの栄養と効能:生と乾燥の違い

生のプルーンには、高血圧の予防に効果的なカリウムや、貧血の防止に役立つ鉄分が豊富に含まれています。また、βカロテンは風邪の予防や老化の抑制に効果が期待でき、食物繊維は便秘の予防に効果を発揮します。さらに、プルーンの皮には、ポリフェノールの一種であるアントシアニンが含まれており、抗酸化作用があると言われています。
乾燥プルーンは、非常に栄養価が高い健康補助食品として知られています。マグネシウムやリンなどのミネラル成分が豊富に含まれているだけでなく、高血圧予防に効果的なカリウムや、抗酸化作用のあるβカロテンも豊富です。さらに、エネルギー代謝に必要なナイアシンや、タンパク質の代謝に必要なビタミンB6なども多く含まれています。また、食物繊維も豊富なので、便秘改善にも役立つでしょう。乾燥(ドライ)プルーン:マグネシウム(40mg)、リン(45mg)、鉄(1mg)、亜鉛(0.5mg)、銅(0.3mg)、カリウム(480mg)、βカロテン当量(1100mcg)、ナイアシン(2.2g)、ビタミンB6(0.34mg)、食物繊維総量(7.2g)
おもな栄養成分(可食部100g中)生:カリウム(220mg)βカロテン当量(480mcg)、鉄(0.2mg)、食物繊維総量(1.9g)

プルーンを使ったレシピ:おやつから料理まで

プルーンは、そのまま食べるのはもちろんのこと、様々なレシピに取り入れることができます。生のプルーンは、ジャムやコンポートにするのが特におすすめです。乾燥プルーンは、ヨーグルトやシリアルに混ぜたり、お菓子作りの材料として活用したりできます。また、肉料理のソースに加えたり、煮込み料理の隠し味として使用することも可能です。プルーンの持つ自然な甘みと酸味が、料理に奥深い味わいを加えてくれます。

まとめ

プルーンは、優れた栄養バランス、多岐にわたる品種、そして生で食べるだけでなく、ドライフルーツや料理にも活用できる万能さが魅力です。この記事が、プルーンへの理解を深め、あなたの食生活に取り入れるきっかけになれば幸いです。ぜひ、あなたにぴったりのプルーンを見つけ、その美味しさと健康への貢献を実感してみてください。

質問:プルーンは一日にどれくらいの量を食べるのが理想的ですか?

回答:プルーンを1日に食べる理想的な量は、個人の健康状態や目的によって異なりますが、一般的には、1日に3個から5個程度が目安とされています。便秘解消を目的とする場合は、少し多めの量を試してみるのも良いですが、急激に摂取量を増やすと、お腹が緩くなることがあるため、少量から徐々に増やしていくのがおすすめです。また、プルーンは糖分も多く含むため、糖尿病の方や血糖値が気になる方は、摂取量に注意が必要です。

質問:プルーンを食べるのに最適なタイミングはいつですか?

プルーンを食べるのに最適なタイミングは、目的によって異なります。便秘解消を目的とする場合は、食物繊維が豊富なため、朝食時や就寝前に食べると効果的です。日中の間食として食べる場合は、血糖値の急上昇を抑えるために、食後すぐに食べるのがおすすめです。また、運動をする方は、エネルギー補給として運動前に食べるのも良いでしょう。プルーンは栄養価が高い食品ですので、ご自身の生活習慣や目的に合わせて、最適なタイミングで摂取することをおすすめします。

質問:プルーンは便秘解消に役立ちますか?

回答:プルーンは便秘解消に役立つと言えます。プルーンには食物繊維が豊富に含まれており、食物繊維は腸のぜん動運動を促進し、便を柔らかくする効果があるため、便秘の改善に繋がります。また、プルーンにはソルビトールという糖アルコールも含まれており、ソルビトールには緩下作用があるため、便秘解消を助けると考えられています。
プルーン