健康的な毎日を送りたいあなたへ。亜鉛とアーモンド、この二つの栄養素がもたらす驚くべき効果をご存知でしょうか?亜鉛は免疫力アップや皮膚の健康維持に不可欠なミネラル。一方、アーモンドは良質な脂質やビタミンEを豊富に含んでいます。この最強コンビを日々の食生活に取り入れることで、体の中から美しさと健康をサポートできるのです。今回は、亜鉛とアーモンドの相乗効果について詳しく解説していきます。
アーモンドの基礎知識
アーモンドは、おやつにもおつまみにも最適な食品として親しまれていますが、その詳細について深く知っている人は意外と少ないのではないでしょうか。
ここでは、アーモンドの基本的な情報をお伝えします。
アーモンドとは
アーモンドは、木の実として知られていますが、厳密には種実類に分類されます。
そのままローストして、軽食やお酒のお供として楽しまれるだけでなく、製菓材料や料理のアクセントとしても重宝されています。
バラ科サクラ属に属するアーモンドは、落葉性の果樹であり、その起源は中近東または中央アジアにあると考えられています。
今日では、アメリカのカリフォルニア州が最大の産地であり、その他、スペイン、イタリア、ギリシャ、モロッコ、トルコといった国々でも栽培されています。
アーモンドには、甘いスイートアーモンドと苦いビターアーモンドの2種類が存在します。
私たちが食用とするのは、スイートアーモンドの種子の中にある仁と呼ばれる部分です。
独特の苦みを持つビターアーモンドは、香料として利用されることがありますが、毒性を含むため、食用には適していません。
アーモンドのカロリーについて
アーモンドは美味しいけれど、カロリーが気になるという人もいるかもしれません。
実際、アーモンドのカロリーは100gあたり608kcalと、決して低くはありません。
アーモンドよりもカロリーが高いナッツもあり、特にくるみやマカダミアナッツは高カロリーであることがわかります。
アーモンドは少量でも効率的にカロリーを摂取できるため、登山やジョギングなど、エネルギー消費の激しい運動をする際の補給食としても適していると言えるでしょう。
アーモンドに豊富な栄養素とその機能
アーモンドは、私たちの体を構成する上で欠かせないタンパク質や、お腹の調子を整える食物繊維を豊富に含んでいます。さらに、健康維持に役立つ多様なビタミンやミネラルもバランス良く含まれているのが特徴です。
たんぱく質
アーモンドは、良質なタンパク質を豊富に含む食品です。
具体的には、アーモンド100グラムあたり、約20グラム以上のタンパク質が含まれています。
タンパク質は、私たちの体を構成する上で非常に重要な栄養素であり、筋肉、内臓、皮膚、髪の毛など、体のあらゆる組織を作る材料となります。
さらに、ホルモンや酵素といった、生命維持に不可欠な物質の構成要素でもあります。
脂質や炭水化物と同様に、タンパク質はエネルギー源としての役割も担う、重要な栄養素です。
タンパク質が不足すると、成長が阻害されたり、体力や免疫力が低下する可能性があります。
特に、食事が偏りがちな高齢者の方は、意識してタンパク質を摂取することが大切です。
成人の1日に必要なタンパク質の摂取推奨量は、男性で60~65グラム、女性で50グラムとされています。
アーモンドは、日々の食事に手軽に取り入れられるタンパク質補給源として、非常に魅力的です。
食物繊維
アーモンドは、食物繊維を豊富に含む食品として知られています。
具体的には、アーモンド100グラムあたり約11グラムもの食物繊維が含まれています。
食物繊維は、消化されずに大腸まで届き、便のかさを増やす働きがあります。
また、腸内の善玉菌であるビフィズス菌や乳酸菌のエサとなり、これらの菌を増殖させ、腸内フローラのバランスを改善する効果も期待できます。
さらに、食物繊維は糖分、脂質、ナトリウムなどを吸着し、体外への排出を促す作用があるため、糖尿病、脂質異常症、高血圧といった生活習慣病の予防や改善にも役立つと考えられています。
現代日本人の食生活は、穀物、いも類、豆類などの摂取量が減少し、食物繊維が不足しがちです。
食物繊維が健康に及ぼす影響の大きさを考慮すると、積極的に摂取することが推奨されます。
1日に必要な食物繊維の摂取目標量は、成人男性(18~64歳)で21グラム以上、65歳以上で20グラム以上、成人女性(18~64歳)で18グラム以上、65歳以上で17グラム以上です。
アーモンドを日々の食生活に取り入れることで、不足しがちな食物繊維を効率的に補給できるでしょう。
ビタミンE
アーモンドは、特にビタミンEを豊富に含む食品として知られています。
食品成分表によると、アーモンド100gあたりには約29.0mgものビタミンEが含まれています。
ビタミンEは脂溶性のビタミンであり、体内の細胞膜や脂質に多く存在しています。
その主要な役割の一つは、抗酸化作用を発揮することです。
通常の食生活を送っていれば、ビタミンEが極端に不足する心配は少ないとされています。
一日のビタミンE推奨摂取量は、男性の場合、年齢によって異なり、18~49歳では6.0mg、50~74歳では7.0mg、75歳以上では6.5mgとなっています[9]。
一方、女性の場合は、18~29歳で5.0mg、30~49歳で5.5mg、50~64歳で6.0mg、65歳以上で6.5mgが目安です。
アーモンドを食べることで、手軽に抗酸化作用のあるビタミンEを摂取できるのは大きなメリットと言えるでしょう。
ビタミンB2
アーモンドは、ビタミンB2をたっぷり含んだ食品です。
具体的には、アーモンド100グラムあたり1.04mgのビタミンB2が含まれています[10]。
ビタミンB2は水に溶けやすい性質を持つビタミンです。
体内でエネルギーを作り出す過程で、酵素を助ける役割を担っています。
さらに、成長をサポートしたり、皮膚や粘膜を健康に保つ働きもあります。
不足すると、成長に影響が出たり、皮膚炎や口内炎などの症状が現れることがあります。
一日に必要なビタミンB2の量は、男性の場合、18歳から49歳で1.6mg、50歳から74歳で1.5mg、75歳以上で1.3mgとされています。
女性の場合は、18歳から74歳までが1.2mg、75歳以上は1.0mgが推奨されています。
ナイアシン
アーモンドは、ナイアシンを豊富に含む食品として知られています。
具体的には、アーモンド100グラムあたり7.5mgものナイアシンが含まれています。
ナイアシンはビタミンB群の一種であり、エネルギー産生において重要な役割を果たしています。ATP(アデノシン三リン酸)という、人が活動するための主要なエネルギー源を作り出す過程に関与しているのです。
さらに、ナイアシンはエネルギー産生だけでなく、ステロイドホルモンや脂肪酸の合成、DNAの生成、細胞の分化など、様々な生理機能にも関わっています。
厚生労働省の推奨によれば、1日に必要なナイアシンの摂取量は、男性の場合、18歳から49歳で15mgNE、50歳から74歳で14mgNE、75歳以上で13mgNEとされています13。
一方、女性の場合は、18歳から29歳で11mgNE、30歳から49歳で12mgNE、50歳から74歳で11mgNE、75歳以上で10mgNEが推奨されています。
カルシウム
アーモンドは、カルシウムを豊富に含む食品です。
具体的には、アーモンド100グラムあたり、約260mgのカルシウムが含まれています。
カルシウムは、人体にとって必要不可欠なミネラルであり、その大部分は骨や歯を構成する成分として存在します。
しかし、カルシウムの役割は骨や歯の形成だけに留まりません。血液の凝固作用、筋肉の収縮、酵素の活性化、ホルモンや神経伝達物質の放出など、生命維持に不可欠な多くの機能に関与しています。
カルシウムが不足すると、骨密度が低下し、骨粗しょう症のリスクが高まる可能性があります。
さらに、高血圧、糖尿病といった生活習慣病、免疫機能の低下、認知機能の障害、変形性関節症など、様々な健康問題を引き起こすリスクも指摘されています。
現代の日本人のカルシウム摂取量は、年齢や性別を問わず、推奨量を下回る傾向にあります。そのため、日々の食生活で積極的に摂取することを心がけましょう。
1日に必要なカルシウム摂取量の目安は、成人男性の場合、18~29歳で800mg、30~74歳で750mg、75歳以上で700mgとされています。
成人女性の場合は、18~74歳で650mg、75歳以上で600mgが推奨されています。

マグネシウム
アーモンドは、特にマグネシウムを豊富に含む食品として知られています。
可食部100gあたり、約310mgものマグネシウムが含まれています。
マグネシウムは、人が生命を維持する上で不可欠なミネラルの一つです。
体内の様々な生合成や代謝の過程において、マグネシウムは重要な役割を果たしています。
さらに、カルシウムと協力して、丈夫な骨を作るのを助ける働きもあります。
その他、神経の働きを正常に保ったり、ホルモンの分泌を調整したり、筋肉の収縮をスムーズにしたり、骨のしなやかさを保つなど、多岐にわたる生理機能に関与しています。
マグネシウムは様々な食品に含まれているため、バランスの取れた食生活を送っていれば、不足する心配はほとんどありません。
1日に必要なマグネシウムの量は、成人男性の場合、18~29歳で340mg、30~64歳で370mg、65~74歳で350mg、75歳以上で320mgとされています。
成人女性の場合は、18~29歳で270mg、30~64歳で290mg、65~74歳で280mg、75歳以上で260mgが推奨されています。
鉄
アーモンドは鉄分を豊富に含む食品です。
アーモンド100gあたり、約3.7mgの鉄分が含まれています。
鉄は、人間の体にとって欠かせない必須ミネラルの一つです。
その大部分は、赤血球中のヘモグロビンや筋肉中のミオグロビンとして存在し、酸素を体中に運んだり、細胞呼吸を助けたり、酵素の材料になったりするなど、重要な役割を担っています。
残りの鉄分は、主に肝臓、骨髄、筋肉などに蓄えられています。
体内の鉄分が不足すると、ヘモグロビンが減少し、それに伴って赤血球の数も減少します。
その結果、体全体に酸素が十分に供給されなくなり、「鉄欠乏性貧血」を引き起こす可能性があります。
鉄欠乏性貧血になると、集中力の低下、頭痛、食欲不振といった症状が現れることがあります。
これらの症状は鉄分不足がかなり進行してから現れることが多いため、日頃から鉄分が不足しないように注意することが大切です。
特に、月経のある女性、妊娠中の女性、授乳中の女性は鉄分が不足しやすい傾向にあるため、意識して鉄分を摂取することが推奨されます。
1日に必要な鉄分の摂取推奨量は、男性の場合、18歳から74歳までは7.5mg、75歳以上は7.0mgです。
女性の場合は、月経の有無によって異なり、月経がある18歳から49歳までは10.5mg、50歳から64歳までは11.0mg、月経がない18歳から64歳までは6.5mg、65歳以上は6.0mgとなっています。
亜鉛
アーモンドは、健康維持に欠かせないミネラルである亜鉛の優れた供給源です。
具体的には、アーモンド100グラム中に約3.7mgの亜鉛が含まれています。
亜鉛は体内の様々な組織、例えば骨、歯、筋肉などに存在し、重要な役割を担っています。
亜鉛は、体内の酵素が正常に機能するために不可欠であり、ホルモンバランスの維持、DNAやタンパク質の合成にも関与しています。
亜鉛が不足すると、味覚の変化、食欲不振、皮膚の炎症といった症状が現れることがあります。
健康な体を維持するために、成人男性は1日あたり10~11mg、成人女性は8mgの亜鉛摂取が推奨されています。
銅
アーモンドは、私たちの健康維持に欠かせないミネラル、銅の良い供給源です。
具体的には、アーモンド100グラム中に約1.19ミリグラムの銅が含まれています。
銅は、丈夫な骨や筋肉、そして血液の生成をサポートする重要な役割を担っています。
さらに、鉄分の代謝を助けたり、体内の活性酸素を取り除いたり、神経伝達物質の働きを円滑にするなど、様々な生理機能に関わっています。
特に、鉄と協力して血液を作る作用は重要です。
通常の食生活を送っていれば、銅が不足する心配はほとんどありません。
厚生労働省の推奨によれば、1日に必要な銅の摂取量は、成人男性(18~74歳)で0.9mg、75歳以上で0.8mg、成人女性(18歳以上)で0.7mgとされています。
アーモンドを食べる際の注意点
アーモンドを健康的な食生活に取り入れるなら、無塩でローストされたものが最適です。
市販されているアーモンドには様々なフレーバーや油で調理されたものもありますが、
それらは塩分やカロリー過多になる可能性があるため、注意が必要です。
栄養豊富なナッツ類は、手軽に食べられるため間食に良いですが、高カロリーであるため食べ過ぎには注意が必要です。
間食として適切なカロリーは200kcal以内とされています。
無塩・素焼きアーモンドの場合、約30gが目安です。
また、アーモンドに含まれる不溶性食物繊維は、過剰摂取すると便秘を引き起こす可能性があります。
そのため、アーモンドを食べる際は、水分も一緒に摂るように心がけましょう。
食物繊維が水分を含むことで、便秘改善の効果も期待できます。
まとめ
アーモンドには、私たちの身体を作るタンパク質、お腹の調子を整える食物繊維が豊富に含まれています。さらに、エネルギーを作るのに欠かせないビタミンB2や、貧血予防に役立つ鉄などのミネラルもバランス良く含まれています。
加えて、細胞の成長に不可欠な葉酸や、塩分の摂りすぎを調整してくれるカリウムも含まれています。健康のためにアーモンドを食べるなら、塩や油で味付けされていない、素焼きのアーモンドを選ぶのがおすすめです。ただし、カロリーが高めなので、おやつとして食べる場合は200kcal、約30gを目安にすると良いでしょう。アーモンドを食べる際に水分も一緒に摂ると、食物繊維が水分を吸収して、便秘解消に繋がりやすくなります。
ぜひ、アーモンドを毎日の食生活に取り入れて、健康的な生活を送りましょう。