苺 種どこ
苺を食べると、表面にたくさんの小さな粒が見えます。これが「種」と思われがちですが、実はこの粒こそが苺の本当の果実にあたります。苺の赤い部分は「花托(かたく)」と呼ばれる花の付け根が大きく膨らんだ部分で、本来の果実ではありません。粒の中には小さな種子があり、それが苺の生命を次世代へとつなげる役割を果たしています。このように、私たちが「苺の実」だと思っている部分は、植物学的には果実ではないという少し意外なお話です。初心者でも簡単に理解できるように整理すると、「赤い部分=膨らんだ花の一部」「表面の粒=果実で、その中に種」が正解です。苺の種の位置を知ると、果物の世界の奥深さに触れられます。
表面のツブツブの正体
苺の赤い実の表面に並ぶツブツブは「痩果(そうか)」と呼ばれる小さな果実です。この一つ一つの痩果の中に本当の種子が入っています。つまり、苺1個には数百もの果実がついていることになります。痩果は固い皮に守られており、中にある種子は外部の刺激から保護されています。ツブツブをよく観察すると、ほんの少し盛り上がっていて、爪で触るとカリッと外れることもあります。私たちは普段その存在をあまり意識せずに丸ごと食べてしまいますが、苺の生命を支える重要なパーツなのです。果物の表面がそのまま果実になっているという点で、苺は他の果物とは少し違うユニークな存在といえるでしょう。
種は食べても大丈夫?
苺を食べるとき、表面のツブツブを避けることはできません。「この種は食べても問題ないのかな?」と不安に思う人もいるかもしれませんが、安心してください。苺の種は非常に小さく、硬い殻に包まれているため、私たちの体ではほとんど消化されません。つまり、そのまま体を通り抜けることが多いのです。加えて、量もごくわずかなので健康に悪影響を与えることはありません。むしろ、痩果の外皮には食物繊維が含まれており、消化を助けるはたらきもあります。普段通り苺を丸ごと食べるのが自然で安全です。種があるからといって取り除く必要はなく、安心して楽しめるのが苺の良いところです。
苺と他の果物の違い
多くの果物は果肉の中に種が入っています。たとえば、りんごや桃、みかんなどは中心部分に種があり、それを包む果肉を食べています。しかし苺は逆で、赤い部分は果実ではなく花托、種を包む小さな痩果が表面にむき出しになっているのです。この構造は果物の中でも珍しく、苺を特別な存在にしています。また、苺が「果実」として扱われるのは日常的な言い方であり、植物学の分類では「偽果」と呼ばれる仲間に入ります。他の果物と比べることで、苺の不思議な成り立ちや、自然の多様性を感じ取ることができます。見慣れた食べ物でも、改めて視点を変えると面白い発見があるのです。
種から苺を育てられる?
苺の表面にある痩果の中には種が入っていますが、家庭でそれをまいて育てるのは簡単ではありません。理由は、種から育てると親と同じ性質を持たないことが多く、甘さや形にばらつきが出やすいからです。さらに、発芽には特別な環境や管理が必要です。そのため、一般的に苺は「苗」から育てるのが主流になっています。ただし、挑戦として種をまいてみることは可能です。芽が出る様子や成長過程を観察するのは学びにもなりますし、植物の生命力を実感できる良い体験です。苺の種を意識して見ると、「食べる」だけでなく「育てる」楽しみも広がるのです。
まとめ
苺の種は赤い部分の中ではなく、表面のツブツブに隠れています。その一粒一粒が果実であり、内部に小さな種子を抱えています。私たちが普段「実」だと思って食べている赤い部分は、実は花托という特別な組織です。種は食べても問題なく、他の果物とは異なる独特な構造を持つことが苺の大きな特徴です。さらに、種から育てることも可能ですが、難易度が高いため初心者には苗から育てる方がおすすめです。苺の「種の秘密」を知ることで、身近な果物への理解がぐっと深まります。
よくある質問
質問1:苺の赤い部分は果実ではないのですか?
そうです。赤い部分は花托という花の付け根が膨らんだもので、本当の果実は表面のツブツブです。
質問2:苺の種は体に悪影響はありませんか?
ありません。小さく硬いのでほとんど消化されず、食物繊維として体を通り抜けます。安心して食べられます。
質問3:種から苺を育てられますか?
可能ですが難易度は高いです。一般には苗から育てる方が簡単で、同じような実を収穫しやすいです。