お菓子作りにおいて、見た目と味わいの両方を満足させることは簡単ではありません。ふんわりとしたケーキやサクサクのクッキーに粉糖を振りかけても、時間が経つとしっとりとしてしまうことがあります。そんな問題を解決してくれるのが「泣かない粉糖」です。今回は、この魔法のようなアイテムについて詳しく解説し、お菓子作りをさらにランクアップさせるための活用方法をご紹介します。
そもそも粉糖にはどのような種類が存在するのか?
粉糖には、純粉糖、コーンスターチやオリゴ糖が含まれる粉糖、そしてプードルデコールなどの泣かない粉糖の3つのタイプがあります。
純粉糖
この粉砂糖は、100%グラニュー糖を使用し、他の成分を一切含まない純粋な製品です。焼き菓子に加えると、滑らかな口当たりが得られるのが特長です。しかしながら、温度や湿度に影響されやすく、固まりやすいので、密閉性の高い容器や袋で保存することが重要です。特にマカロンのようなデザートに適しています。
コーンスターチやオリゴ糖を含む粉砂糖
「純糖」との表記は見られませんが、代わりにコーンスターチやオリゴ糖が約3%ほど加えられています。これは、固まりにくくするための措置です。しかし、全く湿気を吸わないわけではないので、保存する際は純粉糖と同様に湿気に気を付ける必要があります。
溶けない粉砂糖・泣かない粉糖(プードルデコール 他)
粉糖は、粒子に油脂を覆うことで湿気を防ぐように加工されています。この特長から、デコレーションに頻繁に用いられます。例えば、ガトーショコラなどのケーキやタルト、デニッシュの仕上げ、そしてシュトーレンの表面に振りかけると、美しい見た目が長持ちします。さらに、冷蔵庫や冷凍庫に保存しても、湿気を吸うことがありません。

普通の粉糖と泣かない粉糖の使い分けは?
お菓子作りで登場する「普通の粉糖」と「泣かない粉糖」ですが、それぞれ特徴や用途が異なります。
普通の粉糖
普通の粉糖は、グラニュー糖を極細に挽いて作られたもので、場合によってはコーンスターチが加えられています。このスターチは粉糖の固まりを防ぐ目的がありますが、湿気や水分に対してそれほど強い効果はありません。
普通の粉糖は、以下のような用途でよく使われます。
- アイシングやグレーズ作り(砂糖の溶けやすさが必要)
- クリーム類の甘味付け(粒子が細かく滑らかになる)
- 仕上げの装飾(焼き菓子やケーキの表面にふりかける)
泣かない粉糖
泣かない粉糖は、湿気に強いコーティングが施されている粉糖で、見た目は普通の粉糖と似ていますが、機能的には異なります。コーティングにより、水分を吸収して溶けることを防ぐため、乾燥した状態を保つことができます。
主な用途は以下の通りです。
- 焼き菓子のデコレーション(湿気が多い環境でも溶けない)
- 冷蔵ケーキや冷凍スイーツの表面に使用(冷気や水分の影響を受けない)
- 長時間保存する菓子の装飾
使い分けのポイント
普通の粉糖は、甘味を加えたり溶けやすさを活かした作業に最適ですが、湿気の影響を受けやすいため、飾り付けはすぐに提供する場面で使用します。一方、泣かない粉糖は、湿気や冷気に強いので、見た目の美しさを長く保ちたいお菓子や冷蔵保存が必要なスイーツに適しています。
お菓子の種類や環境に応じて使い分けることで、より魅力的で仕上がりの良いスイーツを楽しむことができます。