日本が誇る果物の一つとして、「悟紅玉(ゴルビー)」という赤ぶどうが注目を集めています。この品種は、美しい赤い果皮と大粒の果実が特徴です。糖度の高さや豊かな香りといった味わいの面でも優れており、国内外でその魅力が広がりつつあります。本記事では、悟紅玉の特性や背景について詳しくご紹介します。
悟紅玉の特性
「悟紅玉」(旧ゴルビー)は、山梨県にある植原葡萄研究所によって開発された赤色のぶどう品種です。このぶどうは「レッドクイーン」と「伊豆錦3号」の掛け合わせによって生まれました。研究所の紹介によると、1983年に交配が始まり、1988年に初めて実を結んだとされています。
果実の皮は鮮やかな赤色で、実際にはふっくらと丸く、粒が大きいのが特徴です。糖度は18から20度と高く、しっかりした甘みを持ちながらも適度な酸味が感じられます。香りは豊かで、果肉はやや柔らかく、果汁がたっぷりで非常にジューシーです。
なお、種子親になったレッドクイーンは赤色で大粒の品種であり、花粉親である伊豆錦は時に1粒30gにもなる黒色で大粒のぶどうです。元々はゴルビーという名前で知られていましたが、2020年にいくつかの理由から悟紅玉という新しい名前に変更されました。
質の高い悟紅玉を見分けるポイント
選ぶ際は、深紅色に染まっていて粒がしっかりと大きいものを見つけましょう。新鮮さを見極めるポイントとして、果皮が張っているか、軸が青々としているか、表面に白い粉(ブルーム)が残っているかを確認してください。
紅玉を新鮮に保つための保存テクニック
涼しい場所に保管する際は、ラップや新聞紙で包むか、ポリ袋を使うと効果的です。気温が高い時期には、冷蔵庫の野菜室に入れると安心です。果皮についている白い粉は乾燥を防ぐため、水洗いは食べる直前に行いましょう。また、長期間保存したい場合は、1粒ずつ軸を残したままカットし、保存用の袋に入れて冷蔵すると良いです。
悟紅玉の楽しみ方
悟紅玉は、少し厚めの皮を持つものの、比較的簡単に剥くことができる品種です。果肉と皮が簡単に分かれるため、食べる際に手で剥くのがベストです。デラウェアのように果肉を押し出して食べると、皮に果肉が残ってしまうので注意が必要です。軸の反対側にナイフで十字に切り込みを入れることで、よりきれいに剥くことができます。ゴルビーは基本的に種なしです。
悟紅玉の最盛期
悟紅玉が市場に豊富に並ぶのは、8月の終わりから9月にかけてです。
悟紅玉の主要な生産地
山梨県が悟紅玉の栽培面積で首位を維持しており、その面積はおよそ10.3ヘクタールで、全体の60%超を占めます。続いて山形県が約2.3ヘクタールで2位。3位には約2.1ヘクタールの愛知県が続きます。