ダークチョコとは
ダークチョコレートは甘さだけでなくほろ苦さが心地好く、まるで大人への入り口をゆっくりと開けさせてくれるかのように思えます。身近な存在として手に取ることの多いこのチョコレートの魅力とは一体何なのでしょうか。多くの人に愛され続けているダークチョコレートの世界に、一緒に足を踏み込んでみましょう。
ダークチョコレートとは
まず結論からお伝えしましょう。ダークチョコレートは、厳選されたカカオ豆とカカオバター、砂糖を使用し、その中でも特にカカオ豆とカカオバターの割合が多いチョコレートのことを指します。ダークな名前の通り、色が深く、カカオの深い風味と甘さ控えめな特徴があります。
カカオ含有量が60%以上のものがダークチョコレートと分類され、中にはカカオの深みを引き立てるために、70%、80%といったカカオ含有量の高いものもあります。
奥深い味わいから、大人の味覚として好まれますが、それだけではなくて、健康へのメリットからも注目されています。具体的には、心臓疾患の予防や美肌効果をもたらすと言われるフラボノイドが豊富に含まれているのです。
しかし、カカオ分が高すぎると苦味が強くなりすぎるので、ビターチョコレートやダークチョコレートが初めての方は、60%程度から始めてみることをお勧めします。
ダークチョコレート、別名ビターチョコレート。その濃厚な味わいと健康面での利点から、まだ試したことのない方はぜひ一度、その魅力を堪能してみてはいかがでしょうか。
カカオマスって何?
「カカオマス」は、チョコレートの製造過程で必ずと言っていいほど登場する、重要な原材料です。お菓子のパッケージの裏面に書かれていることから、目にしたことがある人も多いのではないでしょうか?
そもそもカカオマスとは、カカオ豆を焙煎し、皮を剥いだ後に内部のカカオニブを細かく砕いたものを指します。直訳すれば、これは「100%のカカオ」を意味しています。
カカオ豆には天然の油脂成分であるココアバターが豊富に含まれています。だからこそ、豆を粉砕することでつるつるとしたペースト状になるのです。これをゴマが挽かれてゴマ油が出てくる様子に例えると分かりやすいでしょう。
このペースト状のカカオマスに砂糖や乳製品を加えて調整し、長時間かけてよく混ぜることで、我々の手元に届くチョコレートが出来上がります。使用するカカオマスの量や加える砂糖の量により、甘さや風味が異なるチョコレートが生み出され、ビターチョコレートやミルクチョコレートなど、そのバリエーションが広がるのです。
またカカオマスには、フラボノイドやポリフェノールが含まれており、これらの成分は心臓病予防や美肌効果が期待できるため、チョコレートは健康上のメリットも持つ甘いお菓子とされています。
カカオの含有量について
では、チョコレートのラベルに頻繁に見られる「カカオ分〇%」の意味を、その具体的な成分から詳しく見ていきましょう。
カカオ分とは、チョコレートに含まれるカカオ豆由来の成分、すなわち「カカオマス」の割合を表しています。何を意味するかというと、カカオマスが占めるチョコレート全体のパーセンテージです。例えば、「カカオ分70%」とあった場合、それは70%のカカオマスが使用されていることを示しています。
このカカオマスとは原材料となるカカオと共に含まれる自然な脂肪成分「ココアバター」を含めたものを指しています。
それでは、その他の30%は何でしょうか。まず、それらの大部分は砂糖で、甘さを加える役割を果たしています。さらに、ダークチョコレートの場合、乳製品がほとんど使用されていないので、その30%の栄養素はほとんどが砂糖で構成されています。
なお、「カカオ分50%」のチョコレートだった場合、全体の半分がカカオマスであり、もう半分を砂糖や乳製品で甘さをプラスできるということです。
それに対して、「カカオ分70%」では、砂糖を30%しか加えられません。つまり、カカオの割合が高くなるほど砂糖の比率が下がり、結果として甘さが控えめになるハイカカオチョコレートが生まれます。
※ここで補足ですが、乳製品を多く使用して甘さを追加したチョコレートのことを「ミルクチョコレート」、カカオマスではなくココアバターのみを用いたチョコレートを「ホワイトチョコレート」、そしてカカオ分が高いチョコレートを「ダークチョコレート」と呼んで、これらを大きく3つに分類しています。
ダークチョコレートの魅力
ダークチョコレートの魅力は、甘さが抑制され、その一方で深いコクと独特の苦味が堪能できるところにあります。カカオ豆の含有量が増えるほど、チョコレート自体の甘さは抑えられ、カカオ固有の味わいが強調されます。
「チョコレート=甘いお菓子」というイメージが強い一方で、甘さが苦手な方にとってはダークチョコレートは理想的な選択です。特に男性は甘さよりもコクや苦味を好む傾向にあり、バレンタインなどの贈り物にもぴったり。また、赤ワインとの相性が良いとも言われています。
そして、甘さが控えめなダークチョコレートは、糖質制限をしている方にとっても選びやすい一品。例えばカカオ分95%のものは、砂糖の添加がほとんどなく、糖分を制限しているダイエット中の方でも比較的楽しむことができます。
ただし、ココアバターは脂質に当たるため摂取量に注意。1日約30g程度が目安です。
さらに効果を挙げるなら、カカオに含まれるポリフェノールの存在です。これには血圧を下げ、動脈硬化を防ぐ効果があるといわれ、また、活性酸素を抑える働きもあり、エイジングケアにも寄与するとされています。
まとめ
ダークチョコレートの魅力は、その高い抗酸化作用にあります。カカオ含有量が70%以上のものにはフラボノイドが豊富で、心臓病予防や血圧降下などの健康効果が期待できます。また、抗ストレス効果や美肌効果もあるとされ、美と健康が両立する万能フードです。その深い味わいは素晴らしいリラクゼーション効果をもたらします。是非、日々の生活にダークチョコレートを取り入れ、その多面的な魅力を堪能してみてください。