カスタードアップル、聞いたことがありますか?この果物は、見た目のユニークさと風味の豊かさから人々を魅了してやみません。柑橘系とは異なるこの果実は、南米をはじめとする温暖な地域で広く栽培され、そのクリーミーな食感と甘美な味が一度食べると忘れられないものとなるでしょう。また、栄養価も高く、ビタミンCやカリウムを豊富に含むため、免疫力の向上や美肌効果を期待できます。これから、その魅力と栄養価に迫ってみましょう。
牛心梨
Annona reticulata(牛心梨)は、バンレイシ科に属する植物であり、主に中南米を原産地としています。果実は食用として人気があり、世界各地の熱帯地域で広く栽培されています。この植物の名前は、成熟した果実が赤褐色で心臓の形をしていることから、bullock's heart や ox-heart と呼ばれることがあります。また、カスタードアップルという名前でも知られており、チェリモヤや他のバンレイシ属の植物もこの名称で呼ばれることがあります。
特長
最大で高さが10メートルほどになる小高木です。幹の太さは25〜35センチメートルあり、枝は広がります。樹皮は粗く灰白色で、落葉性または半落葉性です。葉は長披針形で、ミョウガのような香りがします。花は芳香を持ち、小さな毛のある萼片、緑色と黄色の外花弁、卵形の内花弁があります。果実は様々な形を持つ集合果で、しばしば心臓形となります。直径は8〜16センチメートルであり、果皮は薄いが丈夫です。熟すと赤褐色になり、果肉は白くクリーム状で、光沢のある黒褐色の種子を多数含んでいます。
生息地と生態系
原産地はメキシコから西インド諸島、南アメリカにかけてとされていますが、西インド諸島から他地域に移入された可能性も指摘されています。今日では、熱帯アフリカや南アジア、東南アジア、オーストラリアなどの熱帯地域で広く栽培されており、一部が野生化した例も報告されています。この植物は熱帯雨林で育ち、バンレイシと比較して乾燥への耐性が低いとされています。それでも、-3°Cの低温に耐えられるとも言われています。また、コウモリが種子を運ぶ役割を果たしている可能性があると示唆されています。
まとめ
この果実は食用として利用されており、世界中の熱帯地域で広く栽培されています。チェリモヤやバンレイシのような強い香りはありませんが、生で食べられるほか、時には野菜として調理されることもあります。種子には毒性があり、種子、葉、未熟な果実には殺虫効果があることが確認されています。また、若い果実や樹皮、葉、根などは伝統的な薬として使用されることもあります。