晩白柚とは?その魅力と特徴を徹底解説

柑橘類の中でもひときわ存在感を放つ晩白柚(ばんぺいゆ)。その名の通り、晩秋から冬にかけて旬を迎えるこの果実は、驚くほどの大きさと、爽やかな甘みが魅力です。まるで文旦の親戚のような見た目ですが、実は独特の風味と食感を持っています。この記事では、晩白柚の知られざる魅力や特徴、美味しい食べ方までを徹底解説。晩白柚の奥深い世界を一緒に探求してみましょう。

晩白柚とは

柑橘の一種、晩白柚はザボンの一変種です。その名は、成熟が遅いこと、果肉の色が白いこと、そして中国語で丸い柑橘を指す「柚」に由来します。ザボン類の中でも特に大きな果実が特徴で、芳醇な香りと酸味を持ち、砂糖漬けとしても楽しまれています。

柑橘類の中でもザボン類は、特に果実が大きく、皮が厚いのが特徴です。晩白柚は、その中でも際立っており、世界最大の柑橘類として知られています。直径が25センチメートルに達することも珍しくなく、重さは2キログラム程度にもなります。これほど大きく重い実をつけるため、栽培には支柱やネットによる果実の保護が欠かせません。対策を怠ると、果実の重みで枝や主幹が折れてしまうことがあります。また、大きな実をつける柑橘類では、トゲが果実を傷つけないように、幹や枝のトゲを取り除くことも重要です。

晩白柚は、香りが良く、鼻を近づけると甘酸っぱい香りが漂います。果汁は少なめですが、果肉はサクサクとした食感で、よく熟したものは甘みと酸味のバランスが絶妙です。また、保存性が高く、収穫後1ヶ月ほど置いておくと皮が柔らかくなり、食べ頃を迎えます。高級フルーツとして扱われ、香港へも輸出されています。収穫後、ビニールハウスで日光に当てることで皮の色を鮮やかな黄色にしてから出荷する農家もあります。原産地はマレー半島で、日本では熊本県八代地方が名産地です。

日本には、1920年に植物学者の島田弥市によって持ち込まれました。現在のベトナムで食べた柑橘の美味しさに感動し、サイゴンの植物園から株を分けてもらったのが始まりです。しかし、当時は栽培方法が確立されておらず、普及には至りませんでした。その後、1930年に台湾から鹿児島県果樹試験場に導入された白柚が、熊本県八代地方で栽培されるようになり、品種改良の結果、現在の八代市の特産品となりました。

2005年には八代市の農家で収穫された晩白柚が、2015年には熊本県立八代農業高等学校園芸科学科で収穫された晩白柚が、それぞれ世界で最も重いザボン類としてギネス世界記録に認定されています。現在の記録は、直径29cm、重量4859.7gです。

2010年の日本における収穫量は971トンで、その97%は熊本県で生産されています。

晩白柚の産地と旬の時期

晩白柚は、マレー半島周辺が故郷とされ、大正時代にベトナムや台湾を経て日本へやってきました。

その独特な名前は、台湾にルーツを持ちます。収穫時期が他の柑橘類より遅いことから、台湾語で「白い果肉のミカン」を意味する「白柚(ぺいゆ)」に「晩」を組み合わせ、「晩白柚」と呼ばれるようになったそうです。

現在、日本では温暖な気候の熊本県、鹿児島県、大分県などで栽培されており、1月から3月頃が旬です。特に熊本県八代地方は国内生産量の大部分を占め、県を象徴する特産品として全国で愛されています。

晩白柚を堪能する食べ方

晩白柚の美味しさの秘密は、甘さと酸味の絶妙なバランスと、鼻をくすぐる爽快な香り。

ご家庭では、グレープフルーツのように皮を剥いてそのまま味わうのはもちろん、しっかりとした果肉を活かしてサラダに彩りを添えれば、食卓が華やぎます。

さらに、ゼリーやジュース、ジャム、マリネなど、アレンジは多岐に渡ります!少し手を加えることで、果肉だけでなく皮まで余すことなく楽しめるのも魅力。黄色い皮は柑橘ピールやマーマレードに、白い部分は砂糖漬けにすると、美味しく召し上がれます。

晩白柚