あまり馴染みのない果物かもしれませんが夏の訪れを知らせてくれるアプリコットは、うっとりするほどの芳香と味わいを持つ、魅力的な果実なのです。今回は、その魅力に迫るとともに、アプリコットの栄養価、さまざまな楽しみ方についてご紹介しましょう。
アプリコットとは?
アプリコットとは、杏の実のことを指す別名です。杏は、バラ科サクラ属に分類される落葉高木で、中国北部から中央アジアが原産地とされています。収穫期は5月下旬から6月にかけてで、生食のほか、ジャム、コンポート、ブランデーなど様々な加工品にも利用されています。
濃い橙色で滑らかな皮に包まれた果肉は、上品な甘みと酸味の調和が特徴的です。ビタミンA、β-カロテン、食物繊維を豊富に含み、栄養価が高いことでも知られています。中近東、ヨーロッパ、アメリカなど世界各地で親しまれ、干し杏子を使ったお菓子や料理にも幅広く使われています。可憐な花も庭木として人気があり、実りの多い木として古くから重んじられてきました。
アプリコットとあんずは同じもので、英名をアプリコットと呼びます。生よりもドライフルーツとして利用されることが多いのが特徴です。バラ科サクラ属の植物で、桃などと同じ仲間ですが、びわとは異なる種類です。効能としては、便秘やむくみ解消、抗酸化作用によるアンチエイジング、高血圧予防などがあります。ジャムやドライフルーツ、酒など、様々な食べ方を楽しめます。
栄養面では、カリウム、鉄分、β-カロテン、食物繊維を含みます。ドライフルーツにすると栄養が凝縮されるため、少量で効果が得られるのが特徴です。ただし、カロリーが高くなるのでドライアプリコットの摂取は控えめが賢明です。適量は1日3~5個程度とされています。
アプリコットについて深く知ろう
アプリコットは、桃の仲間に属する果物です。旬は初夏から夏にかけてで、生食はもちろん、ジャム、コンポート、タルトなどのお菓子にも幅広く利用されています。栄養価が高いのが特徴的で、ビタミンA、ビタミンC、カリウムを豊富に含み、抗酸化作用や整腸作用、むくみ解消や高血圧予防に役立ちます。一方で、表面の白い膜に発がん性物質が含まれる可能性があるため、食べる前に洗うことが推奨されます。上手な選び方は、色が濃く香りの良い実を選ぶことです。完熟して柔らかくなる前の、少し硬めの実がおすすめです。アプリコットの豊富な栄養と美味しさは、旬の時期に堪能するのがベストでしょう。
アプリコットの原産地は中国北部から中央アジアで、紀元前から栽培が行われていました。現在の主要産地は中東や中央アジアが中心で、トルコ、ウズベキスタン、イランが生産量トップ3を占めています。日本国内では青森県、長野県、香川県が有数の産地となっており、比較的涼しい地域で育ちやすいようです。旬は6~7月で、年間を通して食べるにはドライフルーツにするなどの加工が必要になります。
アプリコットの別名は「唐桃(カラモモ)」と呼ばれ、古くから中国で親しまれていたことに由来します。バラ科サクラ属に分類されるため、花はサクラに似たピンク色をしています。「乙女のはにかみ」「早すぎた恋」などの花言葉があり、サクラより早く咲く姿から名付けられました。
様々な使い方のあるアプリコット
プチプチした果実、アプリコット。その鮮やかなオレンジ色とほのかな酸味が、デザートからメイン料理まで幅広い料理を彩ります。
まずはデザート。アプリコットジャムの上品な甘酸っぱさは、パウンドケーキやタルトを一層豊かな味わいに導きます。あんずジャムを混ぜ込んだチーズケーキは、フルーティで新鮮な風味が口いっぱいに広がるでしょう。
そしてメイン料理では、サラダや肉料理のソースとしてアプリコットソースが大活躍。肉のうま味を引き立て、程よい酸味が食欲をそそります。カレーにもアプリコットは絶妙な調味役を果たし、甘酸っぱい味わいで奥深い旨味を演出します。
お酒にも相性抜群。ワインやリキュールの素材として、また炭酸水と組み合わせたアプリコットフィズのように、カクテルとしても楽しめます。ドライフルーツにしてもおいしく、食卓を彩るだけでなく見た目の演出にも一役買います。
アプリコットの奥深い味わいは、いつものメニューに彩りと変化をもたらしてくれるはずです。ぜひ、この小粒のフルーツを料理に取り入れ、新しい発見を楽しんでみてください。
身近に使われる「アプリコット」という言葉
アプリコットは、柔らかな桃色をした上品な果実です。甘みと酸味が絶妙なバランスで、生食やジャム、ドライフルーツなど多彩な楽しみ方ができます。また、ビタミンA、ビタミンC、食物繊維を豊富に含む栄養価の高い果物でもあります。旬が短いため、手に入りにくい希少な存在ですが、一度その魅力を体験すればファンになること間違いなしです。
一方で、「アプリコット」という言葉は、果物以外の分野でも様々な場面で使われています。例えば、ベージュがかったオレンジ色のこともアプリコット色と呼ばれ、服やお花の色合いとしても人気があります。
アプリコットはおすすめの果物!
アプリコットは、桃に似た甘酸っぱい味わいが魅力的な人気の果物です。黄色がかった外観と、なめらかでやわらかい食感が特徴です。生で食べるほか、ジャムやタルトの素材としても最適です。加熱することで甘みが増し、芳醇な香りが広がります。夏向けのデザートにぴったりの上品な味わいを楽しめます。
清涼感のある酸味とあわせて、暑い夏にぴったりの果物と言えるでしょう。
旬の時期は短いものの、ドライフルーツにすれば一年を通して味わえます。お菓子作りにも重宝されるアプリコットは、ぜひ食卓に取り入れたい贅沢な味わいの果物です。ドライフルーツ専門店では、アメリカ・トルコ・南アフリカ産など、世界三大産地からの上質なアプリコットを取り揃えています。おすすめはアメリカ・カリフォルニア産のジャンボアプリコットで、甘酸っぱい絶妙な味と柔らかな食感が人気です。そのままはもちろん、チョコレートにディップしたり焼き菓子に使うのも美味しいでしょう。
まとめ
アプリコットは、夏の到来を華やかに告げる宝石のような果実です。柔らかな果肉に宿る芳醇な香りと上品な甘さは、まさに夏の味覚を凝縮したかのようです。古くから親しまれてきた歴史と栄養価の高さを併せ持つアプリコットは、ジャムやタルトなどのお菓子作りにも最適です。旬の味わいを堪能すれば、夏の豊かな恵みに心踊ること間違いありません。