ゴーフレットは、薄く繊細な生地と絶妙な甘さで、多くの人々を魅了し続ける洋菓子の一つです。歴史あるこのお菓子は、フランスを発祥の地とし、時代や国境を越えて愛されています。カジュアルなティータイムのお供として、または特別な贈り物としても重宝されるゴーフレット。その最大の魅力は、サクッとした食感と、口に広がる豊かな風味です。本記事では、ゴーフレットの歴史や種類、さらには楽しみ方までを徹底解説し、その奥深い世界に迫ります。
ゴーフル
ゴーフルは、特別な型を使って作られる平らな菓子で、特徴的な凹凸模様を持っています。英語でワッフル(waffle)、フランス語ではゴーフル(gaufre)と呼ばれ、この名前は「浮き出し模様を付ける」という意味のフランス語“gaufrer”に由来しています。日本では、クリームを薄焼き煎餅で挟んだ焼き菓子が「ゴーフル」や「ゴーフレット」などといった名称で親しまれています。
ここでは、日本の「ゴーフル」について主に説明します。
日本のゴーフルとは
ゴーフルと呼ばれるお菓子は、昭和の初めに凮月堂家によって生み出されました。2017年の時点で、この伝統を継承した3つの和洋菓子メーカーが製造と販売を行っています。「ゴーフル」という名称は、1953年に神戸凮月堂が商標登録しましたが、他の2社もその名称を使用しています。
凮月堂の伝統ゴーフル
せんべいの伝統技術を活かして作られる洋菓子があります。小麦粉、砂糖、牛乳、バターといった素材を用いて、せんべいの技術で直径15cm、厚さ1mm程度の円形に仕上げ、薄いクリームを挟んで完成させます。
このお菓子を販売しているのは東京凮月堂、上野凮月堂、神戸凮月堂の3つの企業です。これらの企業は、大坂屋、後の凮月堂総本店を起源としています。
ゴーフルの起源には東京発祥説と関西発祥説があります。
東京発祥説では、昭和初期に「カルルス煎餅」をヒントに開発されたとされます。これは凮月堂において販売されていた、形状が似た素焼き煎餅で、ゴーフルの元となるものです。昭和初期には米津凮月堂の工場で、統合された工場での職人の試行錯誤を通じ、現在のレシピが確立されました。この結果1929年に市場に登場したと考えられています。
一方、関西発祥説では、大正末期から昭和初期に、フランスの焼き菓子をモデルとして北浜凮月堂で新たに開発されたとされています。1927年には、米津凮月堂、北浜凮月堂、神戸凮月堂で同時に販売されたと考えられます。ただし、当時の製法は異なり、大瓦せんべいの技法にかなりの手間がかけられていました。
戦前には、凮月堂一門が協力して製品の開発、製造、販売を行い商標も共有されていましたが、戦後になると類似品の増加により、神戸凮月堂が「ゴーフル」の商標を登録しました。
ゴーフレットとは
ゴーフルに似たお菓子として、ゴーフレット(フランス語で「小さなゴーフル」の意味)があります。これは直径約7cmのコンパクトなゴーフルを指すとともに、葉巻のように巻かれたゴーフルにクリームやジャムが詰められたものを示す場合もあります。