夏の太陽をたっぷり浴びて育った、鮮やかな黄色いスイカ。その見た目の珍しさだけでなく、普通のスイカとは一味違う、とろけるような甘さとシャリシャリとした食感が魅力です。この記事では、黄色いスイカの知られざる秘密や、美味しさを最大限に引き出す食べ方、選び方のコツなどを徹底解説します。
黄色のすいかとは?
夏の風物詩といえば、すいか。 近年では、旬を問わず店頭で見かけることも多くなりました。 とはいえ、夏の強い日差しの中で頬張るすいかの、あのシャリっとした歯ごたえと、水分たっぷりの甘さは格別です。 すいかといえば赤い果肉が一般的ですが、稀に黄色い果肉のものを見かけることがあります。そこで気になるのが、そのお味。今回は、ちょっと珍しい黄色いすいかにスポットを当てていきます。
黄色いすいかの特徴
果肉が黄色のスイカは、一般的な赤いスイカと同じ植物のグループに属しています。種苗業界では、これらのスイカをまとめて「クリームスイカ」と呼ぶことがありますが、実際には様々な品種が存在します。
黄色い果肉を持つスイカの例としては、大玉の「こがね」や「こがねスペシャル」、「サマークリーム」、そして希少な「金色羅王」があります。小玉スイカでは、「黄こだまH」、「美黄姫」、「月姫」などが知られています。
外見は、ほとんどの黄色いスイカは赤いスイカと変わらないため、外見だけで区別するのは難しいです。しかし、果肉の色はレモンイエローのような鮮やかな黄色をしています。品種によって多少の違いはありますが、一般的に、シャリシャリとした食感とさっぱりとした甘さが特徴です。
黄色すいかと赤いすいかの違い
黄色いスイカと聞くと、遺伝子操作によって赤色から変化したと想像するかもしれませんが、事実は異なります。スイカはウリ科に属し、その原種は白い果肉や黄色い果肉を持っていたと言われています。遺伝学的には黄色が優性であるため、赤いスイカと交配させると、黄色いスイカが生まれることがあるそうです。スイカの原種はウリのような風味でしたが、品種改良を経て甘く美味しくなりました。その過程で、赤い色素を持つ遺伝子が糖度に関与していることが分かり、赤いスイカが主流となったと考えられています。
栄養成分の違い
すいかの果肉の色、黄色と赤色では、特徴的な色素に違いがあります。赤いすいかの鮮やかな赤色はリコピンによるものですが、黄色いすいかにはキサントフィルという色素が含まれています。キサントフィルという名前は馴染みが薄いかもしれませんが、ルテインやアスタキサンチンといった、同じカロテノイド系の色素を聞いたことがある方は多いでしょう。リコピンとキサントフィルはどちらもカロテノイドの一種であり、優れた抗酸化作用を持ち、活性酸素から体を守り、老化を遅らせる効果が期待できます。
黄色いすいかと赤いすいかの味の違い
近年、品種改良によって、甘くて美味しい黄色のスイカが登場しています。スイカの甘さは品種によって異なりますが、私の経験では、黄色のスイカはシャリシャリとした食感で、後味がさっぱりしているのが特徴です。香りについては、赤いスイカの方がスイカ特有の香りが強く、黄色のスイカは比較的穏やかです。
日本では長い間、黄色のスイカは「美味しくない」というイメージが根強く残っていました。物珍しさから購入しても、「やっぱりスイカは赤が良い」と感じた人もいるかもしれません。
しかし、従来のイメージを覆すような、美味しい黄色のスイカも現れています。
黄色いすいかの入手方法
お店でよく見かけるすいかは、ほとんどが果肉の赤い品種です。黄色いすいかは栽培が難しく、作っている農家さんも少ないため、普通のお店ではあまり見かけません。農家さんから直接買ったり、産地直送の通販を利用するのがおすすめです。