スイカを食べ過ぎると体に悪い?
スイカはジューシーで甘く、暑い夏にぴったりの味わいです。ただし、体に与える影響を考えると、食べ過ぎには注意が必要です。
スイカに多く含まれる水分は、大量摂取すると体内の電解質バランスを崩し、下痢や脱水症状を招くリスクがあります。また、カリウムの過剰摂取は腎臓に負担をかける可能性も。さらに、果糖の多さから血糖値の急上昇や肥満のリスクも高まります。
一方で、ビタミンCやAなどの栄養素も豊富に含まれています。スイカを上手に、適量を心がけて楽しむことが肝心です。体調不良や生活習慣病のリスクを抑え、夏バテ対策にも役立つでしょう。
スイカの魅力を堪能しつつ、スイカを食べ過ぎに注意を払いましょう。暑い夏を健やかに乗り切るには、賢くスイカを味わうことが何より大切なのです。
スイカを食べ過ぎると起こる症状
夏の代表的な果物であるスイカは、ジューシーで甘く美味しいものの、食べ過ぎには注意が必要です。スイカの食べ過ぎは、以下のような症状を引き起こす可能性があります。
体が冷える
スイカは水分が約90%を占めるため、過剰に摂取すると体が冷えてしまいます。適量であれば水分補給になりますが、食べ過ぎは体を冷やす原因となります。
消化不良
スイカの高い水分量が胃酸を薄め、食べ物の消化機能を低下させます。食欲不振、胃もたれ、消化不良が起こりやすくなるのです。脂の多い食品と一緒に摂取すると、さらに消化が悪化する恐れがあります。
下痢や腹痛
水分の過剰摂取や体が冷えた状態で脂っこい食品を食べると、下痢や腹痛の症状が現れることがあります。このような症状が続く場合は、医師に相談することをおすすめします。
カロリーや糖質の過多
スイカ一切れ(200g)でも82kcal、糖質18.4gと思った以上の糖質とカロリーが含まれています。食べ過ぎればカロリーオーバーや血糖値の上昇を招く恐れがあるため、適量を心がける必要があります。
健康的に美味しいスイカを楽しむには、過剰な摂取を避け、他の食事とのバランスを考えた食生活を心掛けましょう。
食べ過ぎに注意!スイカを食べてよい量の目安
夏の風物詩であるスイカは、ジューシーで甘みたっぷりの味わいが魅力です。しかし、適量を超えて食べ過ぎると、健康に悪影響を及ぼす可能性があることを忘れてはなりません。一日の摂取目安は、成人で300〜500グラムです。
スイカは水分量が多く消化に優れますが、同時に糖分も高めなのが特徴です。過剰に摂取すれば、体重増加や血糖値上昇などのリスクを招き、生活習慣病につながるおそれがあります。
子供の場合、体重比で適正量が少なくなります。小学生であれば150〜200グラム、幼児は100グラム前後が目安とされています。水分補給のためと言って、与えすぎには注意を要します。
確かにスイカには食物繊維やビタミン、ミネラルも含まれていますが、それ以上に糖分が高いことに留意する必要があります。夏こそ、水分と糖分の適量を意識し、健康的にスイカを楽しみたいものです。一日の果物摂取量の目安は200グラムですから、スイカの場合はおよそ1/8個分(S玉)が適量と言えるでしょう。
こんな人はスイカの食べ過ぎに要注意!
スイカは夏の人気フルーツですが、過剰な摂取には注意が必要です。水分と糖分が多く含まれているため、以下のような方は気をつけましょう。
ご高齢の方など脱水症状に気づきにくい方は、スイカの冷たさと利尿作用により脱水症状になるリスクがあります。体を冷やさないよう、適量に控えめにするのがおすすめです。
腎臓病の方は、スイカに豊富に含まれるカリウムが体内に蓄積しやすく、不整脈などの症状が出る可能性があります。医師に相談の上、適量を守りましょう。
糖尿病の方も、スイカの糖分による血糖値上昇に注意が必要です。
スイカに限らず、あらゆる食品の過剰摂取は健康被害のリスクがあります。水分補給が必要な夏場こそ、バランスの良い食生活を心掛けましょう。
食べ過ぎに注意してスイカを楽しもう
夏の味覚の王者、スイカ。甘くてジューシーな果実は、低カロリーで塩分バランスを保つのに役立ちます。しかし、水分が多く含まれているため、過剰に摂取するとむくみや下痢の原因となる可能性があり、特に幼児には注意が必要です。
適量なら、豊富なビタミンAとC、食物繊維、カリウムなどが詰まったスイカは、夏バテ予防や美容、便秘改善に一役買います。さらに、スイカに含まれるクエン酸には利尿作用があり、むくみ解消にも効果的です。また、スイカは、ビタミンA、ビタミンC、カリウムだけでなく、リコピンやシトルリンなどの機能性成分も豊富に含んでいます。リコピンは強力な抗酸化作用を持ち、シトルリンは血管拡張作用があることが知られています。*1)
暑い夏こそ、喉を潤し体を冷ましてくれるスイカを楽しみましょう。ただし、過剰摂取に注意し、健やかな夏を過ごしましょう。
Davis, A. R. et al. (2013). Watermelon lycopene and allied health claims. EXCLI Journal.
まとめ
スイカを楽しむ上で最も重要なことは、適量を守ることです。一度に食べすぎると下痢や腹痛を引き起こす可能性があります。ただ、スイカは豊富な栄養がギュッと詰まっています。水分がたっぷりで、暑い日に不足しがちな水分補給に最適です。さらに、ビタミンAやCなどの抗酸化作用を持つビタミン、カリウムなどのミネラルも豊富。むくみ予防や疲労回復にも役立ちます。シトルリンというアミノ酸は、血流改善効果も期待でき、健康維持に嬉しい果物と言えるでしょう。夏場は気をつけましょう。美味しいスイカを心行くまで楽しむためにも、節度を心がけて食べることが何よりも大切です。
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記事監修者 紹介
県立広島大学 人間文化学部 健康科学科 2013.4-2017.3
管理栄養士/栄養士 取得
阪神調剤薬局 (管理栄養士/登録販売者/事務) 2016.4-2020.6
飲食店を営む家で育ち、食事を通して多くの人の元気を支えたいという思いで管理栄養士を目指しました。調剤薬局では栄養相談会を実施したり地域のイベントでの講演など、地域の方の健康を支えるサポートをしていました。出産を機に退職しましたが、「食事を通して多くの人の元気を支えたいという思い」は変わらずフリーの管理栄養士として活動しています。