和栗モンブラン
秋の味覚の王様、栗。その中でも和栗は、ほくほくとした食感と上品な甘みが特徴的な素材です。和栗を使ったスイーツの代表作が「モンブラン」です。モンブランは、愛らしいモンブラン山をイメージした渦巻き状のケーキで、フランス生まれのお菓子ながら、日本人の味覚にもしっくりとなじむ一品です。今回は、和栗の旬を楽しむための絶品レシピをご紹介します。
栗の種類は大きく分けて4種類
日本の味覚にも深く根付いている栗は、実は大きく4種類に分けられます。代表格は「和栗」と呼ばれる国産の品種で、渋皮煮や栗ご飯、モンブランなど様々な料理に欠かせない存在です。一方で、「中国栗」は甘みが強く渋皮がむきやすいのが特徴的ですが、病気に弱いため国内での栽培は少数に留まっています。
また、「洋栗」は花を食用とする品種で、煮物や天ぷらの具材として親しまれています。かつては「アメリカ栗」と呼ばれる品種も流通していましたが、病気の発生により現在は入手が難しくなっています。このように、栗には様々な種類が存在し、それぞれに異なる味わいや用途があるのが魅力です。豊富な種類から最適な栗を選び、料理の幅を広げることができます。
和栗とは?
日本が世界に誇る和栗は、独特の風味と食感が魅力的な栗の品種です。一般的な栗と比べ、果実は小ぶりながらも、上品な甘みと繊細な香り、そして粘り気が口いっぱいに広がります。渋皮が厚く剥きづらいものの、その特性から、渋皮煮や求肥といった伝統的な料理に好んで用いられてきました。
豊富な栄養素を含む和栗は、「山の幸」の王様と称され、江戸時代から貴重な産物とされてきました。当時は将軍家の上用にも仕立てられ、干し物としても町民に親しまれていました。今なお、その上質な味は多くの人々に愛され、日本の秋を彩る風物詩として尊ばれています。黄色い大粒で見栄えも良く、SNSにアップしたりプレゼントにも喜ばれる和栗は、茹でて食べるだけでなく、栗きんとんなどの加工品にも活用されています。
洋栗とは?
洋栗は、日本に自生するクリの仲間であり、秋の味覚の代表格です。とげとげしい外被に包まれた実は、ロースターで焼いたり、お菓子や料理に使われるなど、様々な用途があります。その美味しさの秘密は、澱粉質が多いことにあります。
野生種が多いため、品種によって風味に違いがあり、ツブグリはほくほくした食感、クリはしっとりとした味わいが特徴的です。生で食べるだけでなく、グリルやフライなどの調理法によっても異なる風味が楽しめます。
洋栗は抗酸化作用が高く、ビタミンCやミネラルを豊富に含むため、生活習慣病のリスクを下げる可能性があります。郷土料理に使われてきた伝統もあり、季節の恵みを存分に味わえる食材なのです。
和栗と西洋栗どちらのモンブランがオススメ?
モンブランの主役たる栗は、和栗と西洋栗で異なる魅力があります。和栗は小ぶりながらも芳醇な香りと濃厚な甘みが堪能でき、本来の栗の味わいを存分に楽しめます。一方、西洋栗はふっくらとした食感とまろやかな風味が特徴的で、カシスやラム酒などと相性抜群のおしゃれな一皿に仕上がります。
ご自身の好みに合わせて、それぞれの味わいを堪能するのがおすすめです。いずれも秋の味覚を存分に味わえる極上の一品と言えるでしょう。
和栗と洋栗のモンブランどちらも楽しもう!
モンブランは秋の味覚を存分に堪能できるスイーツですが、その栗には和栗と洋栗の2種類があり、個性が異なります。和栗は甘さ控えめながら、栗本来の風味が強く、粘り気があるのが特徴です。一方、洋栗は甘さがありつつ、優しい風味が魅力的です。しかし、正直に言えば、和栗であれ洋栗であれ、栗である以上、味わいは似たりよったりで、どちらもモンブランの素材として適しています。
最終的には、おいしい栗のペーストの中に、おいしいホイップクリームが入っていれば、最高のモンブランとなるのです。こだわりのある方は好みの栗を選び、そうでない方は購入時に美味しそうと感じたものを選ぶのが賢明でしょう。秋の味覚を二種類の栗で堪能する、この上なく贅沢なモンブランタイムを心行くまで味わってみてはいかがでしょうか。
まとめ
和栗のほくほくとした食感と上品な甘みを存分に楽しめるモンブランは、秋の味覚の王様・栗の魅力が凝縮された一品です。渦を巻いたマロンクリームの中に隠された栗の実は、口に運ぶたびに幸せな驚きを運んでくれます。日本人の味覚にもなじむ、このフランス生まれのお菓子を手作りして、秋の味覚の王様をご家庭で満喫しましょう。