健康志向の高まりと共に、スーパーフードとして注目を浴びているアーモンド。その魅力の一つがビタミンEの豊富な含有量です。強力な抗酸化物質として知られるビタミンEは、細胞を守り若々しさを維持する上で欠かせない栄養素です。そこで、アーモンドに含まれるビタミンEの具体的な健康効果について詳しく見てみましょう。毎日の食事にアーモンドを取り入れるだけで、どれほどの健康メリットが得られるのかを探っていきます。
アーモンドに含まれる栄養素の特徴とは?
アーモンドは、1粒に豊富な栄養素が詰まった食品です。
日常の食事だけでは摂取しにくいビタミン類や、不飽和脂肪酸などを多く含む、質の高い栄養の源となっています。
ここでは、アーモンドに含まれる栄養素の中から、特に注目すべき種類とその効果について見ていきましょう。
アンチエイジング成分としてのビタミンE:シミやシワを防ぐためのケアに
ビタミンEは、その優れた抗酸化効果により、シミやシワを防ぎたい方におすすめの栄養素です。
特にアーモンドはビタミンEを豊富に含む食材であり、30gには8.6㎎のビタミンEが詰まっています。
「日本人の食事摂取基準(2020年版)」によると、男性は一日6.5㎎、女性は6.0㎎のビタミンEを摂取すると良いとされています。
これはアーモンドを20~24粒ほど食べることで、その日必要な量を摂取できる計算になります。
アーモンドのビタミンEは、天然のα‐トコフェロールであり、合成のα‐トコフェノールに比べて吸収力が2倍と言われています。
そのため、サプリメントよりもアーモンドそのものから良質なビタミンEを効率的に摂取できます。
抗酸化機能は体の酸化や老化を抑制し、紫外線などの影響を軽減しながら、美しい肌を維持します。
おやつや料理の素材として定期的に摂取することで、若々しさを保つサポートになります。

不飽和脂肪酸:悪玉コレステロールを減らし、血圧を下げる効果
「不飽和脂肪酸」は、悪玉コレステロールを減らし、血圧を下げるのに効果的な成分です。
アーモンドはその約半分が脂質であり、様々な種類のアーモンドオイルが市場に出回っています。
不飽和脂肪酸は「飽和脂肪酸」とは異なり、肥満やコレステロールの増加を引き起こしません。
この脂肪酸には、悪玉コレステロールを減少させる「オレイン酸」が含まれています。
さらに、血圧を低下させる「リノール酸」を豊富に含んだ質の高い脂質です。
一般的に脂肪は健康に悪いと思われがちですが、アーモンドは健康維持に有用な脂質を持つ食品です。
食物繊維:消化器官を健やかに保つ助け手
食物繊維は体内で分解されない成分で、腸内の健康をサポートし、便秘の改善が期待されます。
「日本人の食事摂取基準(2020年版)」では、日本の18~69歳の男性は1日20~21g、女性は16~17g以上の摂取が推奨されています。
しかし、現代日本では食生活の欧米化により、多くの人がこの基準を満たしていないことが報告されています。
さらに、血糖値の急上昇を防ぎ、余分な糖を排出する助けをするため、肥満予防にも効果的な栄養素です。
アーモンドは全体の10%以上が食物繊維で占められていると言われています。
アーモンド1粒が約2gなので、20粒食べるとおよそ4g以上の食物繊維を摂取できることになります。
これは食物繊維が豊富な野菜であるごぼうの約2倍の量であり、少ない量で多くの食物繊維を得ることができます。
ビタミンB2:肌の問題に対するケア
アーモンドには、「ビタミンB2」がたっぷりと含まれています。
このビタミンは水に溶けやすく、血液中にしっかりと吸収され、肌や髪、爪、そして粘膜の健康をサポートします。
ビタミンB2が不足すると、口内炎や肌のトラブルが起こる可能性があるため、肌を内側からケアしたい方にとって最適な栄養素です。
また、ビタミンB2の欠如は、現代人に多い疲労感や貧血、目の疲れを引き起こす要因ともなるので、男女問わず取り入れていきたい食材でしょう。
成長期の子供のおやつにもピッタリなので、日々のスナックタイムにぜひ加えてみてください。

ミネラル:むくみの軽減・貧血の防止
ミネラルは、カルシウムやカリウム、マグネシウム、鉄分などの栄養全般を指します。
これらの栄養素は、体の働きを支え、人体の構造に欠かせません。
特にカリウムは、余分な水分を排出するのに役立ち、むくみを和らげてくれます。
年を取ると、カルシウムの吸収が減少し、骨粗鬆症のリスクが増える可能性があります。
そのため、アーモンドのようなミネラル豊富な食品でカルシウムを補い、鉄分も含むため貧血対策にもなります。
アーモンドの過剰摂取に気を付けよう!
アーモンドに含まれるビタミンEは脂溶性であり、体内に留まりやすい特性があります。
適量を守れば良質なビタミンを摂取できますが、過剰に摂ると体内に蓄積し、特に肝臓に負担をかけることがあります。
これは肝機能障害のリスクを高める可能性があるため、過剰摂取には気をつけましょう。
さらに、オレイン酸などの不飽和脂肪酸も体内での消化と吸収に時間を要する栄養素です。
体質によっては過剰摂取が体に負担をかけるので、1日25粒を目安にするのが望ましいです。
アーモンドの栄養を効率よく摂る食べ方として、3つの方法を紹介します。
アーモンドは、素焼きで塩分不使用のタイプが、自然の味を楽しめるだけでなく、塩分の摂取を抑えられます。素焼きのアーモンドはしっかりと噛む必要のある食材で、よく噛むことで分泌される「神経ヒスタミン」が満腹感を与え、さらには顎を動かすことで小顔効果も期待できます。
砕いたアーモンドをサラダに加えると、ビタミンなどの栄養がプラスされます。不飽和脂肪酸が豊富なアボカドやカルシウム豊富なしらすとの相性も良く、満足感のあるサラダが作れます。
アーモンドをヨーグルトに混ぜると、栄養たっぷりの朝食が手軽に作れます。ヨーグルトは腸内環境を整えるだけでなくカルシウム源としても優れており、無糖ヨーグルトにアーモンドやドライフルーツ、はちみつを加えた組み合わせが特におすすめです。