バレンタインデーギフトのトレンドと価格動向

毎年訪れる特別な日、バレンタインデー。2023年も、大切な人へ心を込めたプレゼントを選ぶ季節が近づいています。今年のトレンドと価格動向を押さえることで、どのようにして相手の心に響くギフトを選ぶかが重要です。最新のトレンドとして、エコフレンドリーなアイテムや、パーソナライズされた体験型ギフトが注目されています。価格帯も幅広く、予算に応じた最適な選択肢が求められます。心に残る特別な一日を演出するためのヒントを探ってみましょう。

前年を大きく上回る1.3倍、バレンタインの予算が増加

「自分チョコ」の人気が高まる中、義理チョコも増加していますが、依然として8割の人々は「参加したくない」という意向を示しています。

最初に、今年のバレンタイン予算を確認してみましょう。個人でチョコを準備する女性の平均予算は5,024円で、これは昨年に比べて1,274円の増加となり、前年比134%の著しい上昇を見せました

表1

女性がチョコレートを準備する理由を尋ねたところ、「渡す予定はない」との回答は36.4%で、前年の42.7%を6.3ポイント下回りました。「家族チョコ」が44.7%で最も多く、続いて「自分チョコ」(21.7%)、「友チョコ」(13.9%)、「世話チョコ」(13.7%)、「義理チョコ」(11.7%)が見られます。「自分チョコ」は特に前年と比べて大幅に増加しており、また「世話チョコ」、「義理チョコ」、「家族チョコ」、「友チョコ」も全体的に増加傾向にあります。自分や近しい人々へのチョコレートや、出社頻度がコロナ禍以前の水準に近づく中、一緒に働く人々へ贈るチョコが増える結果、予算が増加することに繋がったと考えられます(図表2)。

表2

チョコレートの各種類に対する1個当たりの平均額を検討すると、「本命チョコ」がトップで3,222円でした。「自分チョコ」は1,766円、「家族チョコ」は1,575円、「友チョコ」は1,298円と続きます。「義理チョコ」は970円でした。前年と比べると、「本命チョコ」が916円、「世話チョコ」が183円、「家族チョコ」が148円の増加を見せ、全てのカテゴリで1個当たりの価格が上昇しました(図表3)。これにより、予算への影響も見られます。

表3

ポストコロナ時代を迎え、「義理チョコ」の習慣はやや復活の兆しを見せていますが、その意義について疑問を持つ人も少なくないようです。有職女性の職場での義理チョコ文化について尋ねたところ、「参加は控えたい」と回答した人が8割を超えました(図表4)。この流れは2022年から2023年にかけても変わっていません。さらに、今年のバレンタインで義理チョコを考えている女性のうち、4人に1人がその予算を削減しようとしています。

チャート4

2023年5月、新型コロナウイルスの分類が「第5類」に変更され、出勤頻度はパンデミック以前の水準に戻りつつあります。それに伴い、義理チョコのやり取りも増加していますが、女性の間では義理チョコに対する意識はあまりポジティブではないようです。

今年、自分用に買うチョコレートの割合が大幅に増加し、全体で13.4%を占めています。性別で見ると、男性は4.9%が購入し、女性は21.7%という結果でした。男性の購入数は少ないものの、1個あたりの支出額は平均2,018円と女性の平均額1,766円を上回っています。デパートのバレンタインチョコ売り場で男性の姿をよく見かけるようになり、「この機会に高級チョコを!」と考えるチョコ好きの男性が増えているようです。

近年話題になっている「推しチョコ」に注目してみると、「推し」を持っている人は37.4%にものぼります。しかし、「推しチョコ(推しに贈る)」は女性の1.2%、「推しチョコ(推しに贈る以外)」は0.7%と低い割合です。今年の推しチョコでは、「推しを連想できる特徴(形や模様)を持つチョコを選ぶ」「推しのイメージカラーを取り入れたチョコを購入する」「SNSで推しチョコを紹介する」などの意見が挙がっています。

最後に、チョコの購入場所について見てみると、「スーパー」が46.6%で最も多く、次いで「デパート」(46.1%)、「チョコレート・スイーツ専門店」(23.1%)となっています。昨年と比べて「デパート」の利用が最も増え、「チョコレート・スイーツ専門店」と「コンビニエンスストア」の利用も増加しました。一方、「ECモール(楽天・Amazonなど)」は減少しており、購入場所がオンラインから店舗に戻りつつあるといえます。

バレンタイン