バレンタインデーは愛を伝える特別な日ですが、糖尿病を抱える人々にとってはギフト選びが難しいと感じることもあるでしょう。しかし、健康に配慮しつつ愛を伝える方法は数多く存在します。糖尿病の人でも安心して楽しめる、心温まるバレンタインギフトを選ぶポイントをご紹介します。スイーツだけでなく、創意工夫を凝らしたギフトアイデアで、大切な人との絆を深めましょう。
バレンタインに選ぶ、糖尿病の大切な方へのチョコレート選びのヒント
バレンタインデーに糖尿病の方へチョコレートを贈る際は、適切な量と種類を選ぶことが大切です。
糖尿病の方は、インスリンが効きにくい、もしくは十分に分泌されないため、血糖値が急上昇しやすい状況です。
したがって、市販の糖質が多いチョコレートはおすすめできません。
特に考慮すべきは、糖質量やカロリー、さらにはチョコレートの種類です。今回はこれらの要点について詳しく解説します。
糖質10g以下のチョコレート
糖尿病の方にとって、糖質量は重要なポイントで、目安としては10g以下が理想的です。個人によって異なりますが、10g以下に調整することで血糖値の変動を抑えることが可能です。
例えば、バレンタインの定番アイテムであるチョコレートなら、糖質10gは約20gの量に相当し、板チョコ4かけら分になります。(※)ミルクチョコレートを基にしています。
カロリー制限の場合は80kcalが目安
バレンタインの時期、糖尿病の方の中には、糖質と共にカロリーを抑える必要がある場合もあります。そこで、1個あたりのカロリーが80kcalまでのものを選ぶと安心です。
この80kcalという基準は、「糖尿病食事療法のための食品交換表」に基づいています。
この食品交換表は、食品を米や麺、野菜、肉、魚などの6つのカテゴリーに分け、カロリーではなく単位(1単位80kcal)で管理する仕組みです。
また、1個が80kcal以上でも、少量に小分けされたものであれば、摂取量を調整しやすいため、おすすめです。
高カカオチョコレート
バレンタインには、カカオ含有量70%以上の高カカオチョコレートが定番としておすすめです。
高カカオチョコはホワイトチョコに比べて多くの食物繊維を含んでいます。食物繊維は食後の血糖値上昇を緩やかにするため、その効果があったと考えられます。
糖尿病の方は血糖値管理が重要で、急激な血糖値上昇を防ぐことが求められます。
高カカオチョコは、糖尿病の方でも安心して食べられるチョコレートとして、血糖値上昇を抑えてくれるのがポイントです。
バレンタインに糖尿病の方へのおすすめギフト:お茶
バレンタインに糖尿病の方への贈り物を考えると、「何を贈れば喜ばれるだろう?」と悩むことがありますよね。「お菓子や食べ物は控えた方がいいのかな?」とも思われるかもしれません。
糖尿病で療養中の方には、カロリーや糖質を気にせず贈れる「お茶」がイチオシです。厳しいカロリーや糖質管理をしている方にも喜ばれることでしょう。
しかし、ここでのポイントはカフェインを避けることです。
糖尿病の方にとって、質の良い睡眠は非常に大切です。糖尿病とは血管が徐々に老化していく病気です。
その進行を抑えるのが睡眠中に分泌される成長ホルモンであり、細胞修復と老化防止の役割があります。
したがって、カフェイン入りのお茶は睡眠を妨げるため、避けるべきです。
糖尿病に限らずストレスは健康の大敵です。カフェインレスのお茶は、夜間にも安心して飲むことができ、ストレス軽減やリラックス効果が期待できます。
糖尿病の方は、日々血圧や血糖値のコントロールが大変です。このため、血圧や血糖値、体脂肪、脂質を改善する効果が期待できるカフェインのないお茶が最適です。
健康的で美味しいお茶を贈り、心地よいリラックスタイムを提供しましょう。
バレンタインに糖尿病の方へのおすすめギフト:コーヒー
糖尿病の方へのプレゼントには、コーヒーも素晴らしい選択肢ですが、カフェインが入っていることに注意です。ノンカフェインコーヒーもありますが、個々の好みによっては注意が必要です。
多くの研究によれば、コーヒーは糖尿病のリスクを低下させる飲み物であることが示されています。
コーヒーに含まれる「クロロゲン酸」というポリフェノールがその理由とされており、1日に3~4杯のコーヒーを飲むことで血糖値のコントロールに良い影響を与えると考えられています。
「既に糖尿病の人にはコーヒーは効果がないのでは?」と思われる方もいるかもしれません。
しかし、糖尿病だからこそコーヒーをおすすめする理由が2つあります。
1つ目は、コーヒーに含まれる「クロロゲン酸」の強力な抗酸化作用で、糖尿病患者が気をつけたい「高血圧」を抑える効果があることです。
糖尿病になると、インスリン分泌やその効果が弱まり、血糖値が高くなります。
高血糖が続くと動脈硬化が進行しやすく、高血圧になりがちです。
コーヒーに含まれるポリフェノールは、コレステロールの酸化を防ぎ、動脈硬化や高血圧になりにくい体質に導いてくれます。
2つ目は、コーヒーの豊富なマグネシウムです。
インスリンの効果が弱まる糖尿病ですが、マグネシウムがその作用を補助することが知られています。
糖尿病の方が毎日3~4杯のコーヒーを飲むと糖代謝が促進され、血糖値の上昇が抑えられます。
このような理由から、「コーヒー好き」の糖尿病の方には、少し特別な美味しいコーヒーをプレゼントすると喜ばれるでしょう。
糖尿病の方へ食べ物を贈るのは大丈夫?
糖尿病を患っている方は、主治医から指示された食事療法を実行することが一般的です。
そのため、軽率に食べ物を贈ることは避けた方が賢明です。しかし、どうしても糖尿病の方に食べ物を贈りたい場合は、以下のような選択肢があります。
本人が「甘いものが好き」や「味の濃いものが食べたい」と言ったとしても、その方の健康を考慮するなら、絶対に贈らないべきです。
どうしても糖尿病の方に食べ物を贈りたいと考えるなら、糖質ゼロやカロリーゼロの食品を選ぶのが良いでしょう。
カロリーが少ない豆腐も良い選択です。品質にこだわった高級豆腐のセットは、プレゼントとしても魅力的です。
普段の食事では、なかなか高級豆腐を買って食べる機会は少ないため、喜ばれることでしょう。
また、糖尿病患者の間食に適していると言われる「ナッツ類」のセットもおすすめです。
特に、アーモンドやくるみ、ピスタチオは血糖値の急な上昇を防ぐ効果があり、糖尿病治療中の方にも喜ばれるプレゼントとなるでしょう。
ただし、塩分が過剰にならないように「食塩不使用」の素焼きナッツを選ぶのが基本です。
無添加素材を使用したミックスナッツは、抗酸化作用のあるビタミンEや、高血圧予防に役立つカリウムやマグネシウムなどのミネラルが豊富で、健康を意識する方へのプレゼントにも最適です。
糖尿病の方へのお菓子プレゼントは大丈夫?
バレンタインのイベントが近づくと、「糖尿病の方にお菓子を渡してもいいのか?」や「チョコレートを贈らない方がよいのか?」と迷うことがあるでしょう。
基本的には、糖尿病を持つ方にお菓子をプレゼントするのは控えた方が賢明です。
その理由として、糖尿病の方は日々のカロリーや脂肪、糖質の摂取量を厳しく制限されることが一般的だからです。お菓子を我慢することが日常的になっている方も少なくありません。
食べないようにするために、自ら購入を控えたり、家にお菓子を置かないよう心掛けていることも多々あります。
ですが、糖尿病の方でも「甘いものが食べたい」という欲求は当然あるため、プレゼントされるとつい食べてしまうことも。
結果として、血糖値が急上昇し、最悪の場合、網膜症や腎症、神経障害といった深刻な合併症を招く恐れがあるので、贈る側も気を付ける必要があります。
「たまには甘いものを楽しんでもらいたい」と考えるならば、糖質が大幅に減ったスイーツや砂糖不使用のお菓子を選んでみてはいかがでしょうか。
糖質カットスイーツであっても、糖質が完全にゼロではありません。
糖尿病に精通した医師が提唱し、認定機関の承認を得たスイーツもあるかもしれませんが、最終的な判断は自己責任で行ってください。
甘くないものならOK?
おせんべいなどの甘くないお菓子は、糖質が低いと感じる方もいるかもしれませんが、そうではありません。
おせんべいはうるち米で作られており、甘くなくても糖質が高くなります。
さらに、糖尿病の方は塩分量にも注意が必要です。塩分の過剰摂取は高血圧を引き起こすリスクがあり、糖尿病の合併症を悪化させる要因になります。
そのため、1日の塩分摂取量は男性で7.5g、女性で6.5gが適切とされています。
甘くないおせんべいでも、量を気にせず食べられるわけではないので注意が必要です。