バターは、パン作りやお菓子作りに欠かせない食材です。しかし、そのバターには「無塩」と「有塩」の2種類があり、それぞれ特徴が異なります。料理の味付けやレシピによっては、無塩バターと有塩バターのどちらを使うかで大きな違いが出てくるのです。今回は、無塩バターと有塩バターの違いや活用シーンについてご紹介します。
無塩バターと有塩バターの特徴は?
お菓子やパンづくりに欠かせない無塩バターと有塩バター。どちらも日常的に使われるバターですが、実は小さな違いが隠れています。 無塩バターは、その名の通り塩が一切添加されていない純粋なバターです。生クリームからつくられ、素材本来の風味をストレートに味わえます。そのため、デリケートな味わいが求められるお菓子や料理に適しています。一方の有塩バターは、無塩バターに適量の塩が加えられています。塩の風味が加わり、よりコクのある味わいに仕上がります。パンやビスケットなどの家庭料理に好まれる理由です。 健康面でも違いがあります。無塩バターは塩分を控えめにできるので、塩分制限が必要な方にもおすすめです。一方で有塩バターは塩分が高めなため、注意が必要です。 保存性に関しても、塩は一種の保存料の役割を果たすため、有塩バターの方が長持ちする傾向にあります。用途に合わせて、バターの種類を使い分けることがポイントとなります。
バターにはどんな役割があるの?
バターは、菓子やパン作りに欠かすことのできない重要な食材です。バターには多様な役割があり、料理に風味やコクを加え、サクサクとした食感を演出したり、ふんわりとした仕上がりを実現したりするのです。 豊富な乳脂肪を含むバターは、料理に風味やコクを与えてくれます。また、バターを加えることで小麦粉の生地をグルテンの形成を妨げ、サクサクとした食感に仕上げます。一方、クリーミング性という性質を持つバターは、生地に細かい気泡を含ませることができるため、焼き上がりをふんわりと軽い食感に整えます。 さらに、パン生地にバターを加えると、生地が伸びやすくなり、焼き上がりのボリュームアップにつながります。生地の分割や丸め作業も、バターによる伸びの良さで手際よく行えます。 このように、バターは菓子やパン作りにおいて、風味付け、食感調整、膨らみ具合の制御など、多岐にわたる役割を担っています。
無塩バターと有塩バターは代用できる?
無塩バターと有塩バターは、生クリームを原料とする点で共通していますが、塩分の有無が大きな違いとなります。無塩バターは素材本来の豊かな風味が楽しめる一方、有塩バターには塩からくるアクセントが加わり、バターの風味がより一層引き立ちます。そのため、用途によって使い分けることが賢明です。 基本的に、同量の無塩バターと有塩バターは代用可能ですが、完全な代替にはなりません。無塩バターを有塩バターの分量で使う場合、レシピの塩分量を別途加える必要があります。一方、有塩バターを無塩バターで代用するときは、約1~2%の塩を加えることで、本来の味を再現できます。 例えば、パンやお菓子作りでは一般的に無塩バターを使うレシピが多く、有塩バターを代用すると塩分が過剰になり、味のバランスが崩れてしまう可能性があります。逆に料理では、バターとは別に塩を加えることも多いため、無塩バターで代用しつつ、塩の量を調整することが可能です。 このように、無塩バターと有塩バターは単なる代用以上に、素材や料理のこだわりに合わせた賢い使い分けが重要です。バターの風味を最大限に生かすために、用途に応じて適切なタイプを選ぶことが肝心なのです。
無塩バターをほかのもので代用したいときは?
無塩バターは、さまざまなお菓子作りや調理に欠かせない存在ですが、乳製品アレルギーや健康上の理由で動物性の脂肪を控えたい場合には、代替品が必要になります。その際には、作るものによってバター以外の食材で代用が可能です。 お菓子作りでは無塩のマーガリンが代用品として適しています。塩が入ったものを使うと味のバランスが崩れてしまうため、お菓子作り用の無塩マーガリンを探すのがおすすめです。 また、サラダ油など香りの少ないオイルを使うことも代替策の一つです。オイルと水を合わせて使えば、バターに近い風味と食感を再現できます。 一方で、マーガリンやオイルはバターに比べてコクが少なく、バター特有の風味もないため、あっさりとした味わいに仕上がる可能性があります。作るものによって向き不向きがあるので、無塩バターの代用には注意が必要です。
バターを使ったレシピをご紹介!
◆サクサクとした食感のクッキー
グラニュー糖をまぶしてキラキラとした見た目が魅力的なクッキーのレシピです。サクサクの生地にシャリシャリとした砂糖の食感が加わり、一度食べるとやみつきになるおいしさが楽しめます。バターをしっかりとクリーム状になるまで混ぜることで、軽やかな食感に仕上げるのがポイントです。アレンジとして、ココアや抹茶を加えたり、チョコチップを混ぜ込んでみるのもおすすめです。
【材料(約19個分)】
無塩バター 50g
グラニュー糖 45g
溶き卵 1/2個
バニラエッセンス 少々
薄力粉 100g
グラニュー糖(まぶす用) 10g
【手順】
無塩バターを常温に戻します。
ボウルにバターを入れ、クリーム状になるまでよく混ぜます。
グラニュー糖を2回に分けて加え、さらに混ぜ合わせます。
溶き卵を2回に分けて加え、混ぜ、バニラエッセンスも加えて混ぜます。
薄力粉をふるい入れ、ゴムベラで混ぜて生地をまとめ、棒状に伸ばします。
グラニュー糖をまぶしてから冷蔵庫で30分以上冷やし、160℃に予熱したオーブンで15分焼いて完成です。
◆シンプルでふわっとしたパウンドケーキ
バターのリッチな風味が楽しめるシンプルなパウンドケーキのレシピです。材料が少ないので、バターや卵の風味がしっかりと感じられ、手軽に作れるのが魅力。お菓子作り初心者の方にもおすすめです。
【材料(1台分、20cm×7cm×5.5cmのパウンド型)】
砂糖 90g
薄力粉 100g
ベーキングパウダー 小さじ1/2
無塩バター 100g
卵(Mサイズ) 2個
【手順】
バターと卵を常温にしておき、オーブンは170℃に予熱します。
ボウルに砂糖と粉類をふるい入れ、バターと卵を加えてよく混ぜます。
生地が均一になったら型に流し入れ、170℃のオーブンで約40分焼きます。
冷めたらラップで包み、好みの大きさに切り分けて完成です。
◆ふわふわミルクパン
ふんわりとした食感のミルクパンは、手間暇かけて作るだけの価値があるおいしさです。少しの時間と手間がかかりますが、焼きたての香ばしさは格別です。シンプルな味わいなので、さまざまな食材と合わせやすく、食事にもおやつにもぴったりです。
【材料(6個分)】
強力粉 200g
砂糖 20g
ドライイースト 3g
塩 ふたつまみ
牛乳(40℃) 140ml
無塩バター 20g
強力粉(まぶす用) 小さじ2
【手順】
無塩バターは常温に戻します。
ボウルに強力粉、砂糖、塩、ドライイーストを混ぜ、牛乳を加えて捏ねます。
台に出して生地がなめらかになるまで3分ほど捏ねた後、バターを加えて10分ほど捏ねます。
生地をボウルに戻し、ラップをしてオーブンの発酵機能で40℃で40分発酵させます。(一次発酵)
ガス抜きをして6等分にし、丸めて10分ほど休ませます。(ベンチタイム)
生地を丸め直し、クッキングシートを敷いた天板に並べ、発酵機能で40℃で30分、その後室温で10分発酵させます。(二次発酵)
表面に強力粉を振り、180℃のオーブンで約12分焼いて完成です。
まとめ
お菓子作りでは無塩バター、パンや料理では有塩バターを使い分けるのがおすすめです。シーンに合わせて無塩と有塩のバターを上手に使い分けましょう。