鮮やかな緑と甘酸っぱさが魅力のグリーンキウイ、芳醇な甘さが特徴のゴールドキウイ。スーパーで見かけることの多いこの2種類に加え、近年では希少な赤色キウイや、一口サイズのベビーキウイなど、様々な品種が登場しています。この記事では、それぞれのキウイが持つ独特の風味や特徴、栄養価の違いを徹底解説。あなたの好みにぴったりのキウイを見つけるための情報が満載です。さあ、キウイの奥深い世界へ足を踏み入れてみましょう!
キウイフルーツとは?知っておきたい基本情報
キウイフルーツは、ビタミンCが非常に豊富で、甘酸っぱい風味で多くの人に愛されています。一般的には、果肉が緑色のグリーンキウイと、黄色いゴールドキウイが主流ですが、その他にも果肉が赤みを帯びたものや、一口サイズのベビーキウイなども存在します。一年を通して市場に出回っており、4月から12月頃までは主に外国産、12月から4月頃には国産のキウイフルーツが販売されています。輸入されるキウイフルーツの多くは、ニュージーランド産です。
キウイフルーツの歴史:ルーツは中国、発展はニュージーランド
キウイフルーツの原産地は中国南部で、「チャイニーズグーズベリー」という別名も持っています。中国では古くから存在していましたが、商業的な栽培はほとんど行われていなかったようです。1904年、中国を訪れたある旅行者が、キウイフルーツの種をニュージーランドに持ち帰ったことが転機となります。ニュージーランドの農家たちが品種改良を重ね、現在のキウイフルーツの原型を作り上げました。約50年後、ニュージーランドでのキウイフルーツの生産量は安定し、輸出産業へと発展しました。輸出にあたり、より魅力的な名前として「チャイニーズグーズベリー」から「キウイフルーツ」へと改名されました。この名前は、ニュージーランドの国鳥である「キウイバード」に由来するとも言われていますが、確かな情報ではありません。日本にキウイフルーツが登場したのは1960年代で、比較的栽培が容易なため、日本国内でも生産されるようになりました。
キウイフルーツの種類:バラエティ豊かなラインナップ
キウイフルーツには様々な種類が存在し、それぞれ独特の風味と外観を持っています。ここでは、代表的な品種から珍しい品種まで、詳しくご紹介します。
グリーンキウイ:定番品種ヘイワード
お店でよく見かけるグリーンキウイの多くは、「ヘイワード」という品種です。果皮は薄茶色で細かい毛に覆われており、重さは約100gです。熟すと果肉は鮮やかな緑色になります。ヘイワードは、甘さと酸味のバランスが絶妙で、種子のプチプチとした食感が爽やかさを引き立てます。ニュージーランド産は5月から12月頃、国産は11月から5月頃に市場に出回ります。
ゴールドキウイ:ゼスプリゴールド(ホート16A)
ニュージーランド生まれのゼスプリゴールドは、果肉の鮮やかな黄色と強い甘みが特徴的なキウイフルーツです。品種名は「ホート16A」として知られていますが、一般的には「ゴールドキウイ」の名前で親しまれています。酸味が控えめなので、酸っぱいものが苦手な方にもおすすめです。重さは約100gで、表面のうぶ毛は少なく、やや細長い形状で先端が絞られた形をしています。ゼスプリゴールドは、ゼスプリ社と契約した日本の愛媛県や佐賀県でも栽培されています。
赤色キウイ:レインボーレッドと紅鮮
果肉の中心部に赤い色素が広がる、見た目にも美しいキウイです。静岡県の小林氏が中国産のキウイを改良して開発し、「有限会社コバヤシ」が商標登録しています。サイズはやや小ぶりで、うぶ毛はほとんどありません。酸味が少なく、濃厚な甘さが際立つのが特徴です。類似品種として「紅鮮」も存在します。収穫時期は10月頃です。
香緑(こうりょく):エメラルドグリーンの果肉
ヘイワード種の自然交配によって生まれた香緑は、1987年に品種登録されました。やや細長い円筒形をしており、果皮にはたくさんのうぶ毛が生えています。果肉は鮮やかなエメラルドグリーン色で、見た目も楽しめます。酸味は控えめで、糖度は15~18度と甘みが強く、重さは約100gです。11月頃から収穫され、香川県を中心に、山梨県や静岡県でも栽培されています。
さぬきゴールド:大玉で甘い
香川県で開発され、2005年に品種登録されたさぬきゴールドは、大玉で濃厚な甘さが魅力です。アップル系キウイフルーツと中国系キウイフルーツの交配種「FCM-1」を親に持ち、重さは160~180gと大きく、果肉は黄色をしています。糖度は16~18度と非常に高く、豊かな風味も楽しめます。うぶ毛は少なめで、リンゴのような丸みを帯びた形状をしています。収穫は10月中旬頃からですが、生産量は比較的少ない品種です。
讃緑(さんりょく):とろけるような甘み
「香緑」と中国原産のキウイを交配させて生まれた品種で、やや先が尖ったユニークな形をしています。香川県で誕生し、1999年に品種登録されました。果肉は鮮やかな黄緑色で、際立つ甘さが特徴。糖度は「香緑」と同水準の17~18度にも達します。重さは1個あたり約100gと среднего размераで、表面の毛はほとんどありません。収穫時期は11月頃ですが、栽培量が限られているため、市場に出回ることは稀です。
アップルキウイ:まるでリンゴ
「魁蜜(かいみつ)」という名前でも知られ、その名の通りリンゴを思わせる丸い形状が特徴です。果肉は、若い内は緑色をしていますが、熟成が進むにつれて黄緑色から黄色へと変化します。1個約150gと大きく、酸味は控えめで果汁が豊富、甘みも十分に感じられます。表面の毛がないため皮がむきやすく、手軽に食べられるのも嬉しいポイントです。主に静岡県で栽培され、10月中旬頃から市場に出回ります。
ベビーキウイ:つまめる可愛いサイズ
2~3cmほどの愛らしいミニサイズで、主にアメリカやチリから輸入されています。皮は緑色で毛がなく、非常に薄いため、丸ごと食べられます。ただし、皮には少し酸味があるため、気になる方はブドウのように果肉だけを味わうのがおすすめです。香川県産のミニキウイ「香粋(こうすい)」も注目されています。これらはすべて「サルナシ」に分類されます。
スウィートグリーン:優しい甘さ
ニュージーランドのゼスプリ社が開発したグリーンキウイで、日本では2011年頃から販売されています。果肉は明るい黄緑色で、濃厚な甘さとジューシーで滑らかな口当たりが魅力です。従来のグリーンキウイ(ヘイワード)に比べて酸味が穏やかで食べやすいのが特徴です。表面の毛は短めです。6月頃から出荷が始まります。
サンゴールド:まろやかな甘さ
ニュージーランドのゼスプリ社が手がけた、新しいタイプのゴールドキウイです。特徴は、そのジューシーさと高い糖度、そして穏やかな酸味。酸味が苦手なお子様でも、美味しく食べられる甘さが魅力です。見た目は俵型で、表面の毛はほとんどありません。
その他、希少なキウイフルーツ
キウイフルーツカントリーJapanでは、他ではなかなか見られない珍しい品種を多数栽培しています。ベビーキウイや、果肉がゼリー状になったファーストエンペラー、幸せハッピーグリーン(Happy Green)、紅鮮(こうせん) Ko-sen、あまいティアドロップ Teardropなど、個性豊かなキウイが揃っています。
- ベビーキウイ:指先ほどの小さなサイズ。ミオイノシトールを含み、甘みと酸味の絶妙なハーモニーが楽しめます。
- 中がゼリー状のファーストエンペラー:外見はジャガイモに似ていますが、中身はゴールドキウイのような色合いで、ゼリーのような食感。甘さと酸味のバランスが取れた珍しい品種です。
- 幸せハッピーグリーン(Happy Green):ハウス栽培で育てられた緑色の果肉が特徴。甘みと酸味の調和がとれており、疲れた時におすすめです。レモン2個分以上のビタミンCが含まれています。
- 紅鮮(こうせん) Ko-sen:世界でもここでしか栽培されていない希少品種。種子の周りの赤い果肉が特徴で、まるでジャムのようにとろける甘さが魅力です。キウイフルーツを食べると口がピリピリする方でも安心して食べられます。
- あまいティアドロップ Teardrop:こちらも世界でここでしか栽培されていない品種。涙がこぼれ落ちるほど甘く、その形も涙に似ています。
キウイフルーツの栄養と効能:健康と美を応援
キウイフルーツには、ビタミンCをはじめ、カリウム、食物繊維など、私たちの体に必要な栄養素がたっぷり含まれています。ここでは、それらの栄養素がもたらす健康効果について詳しくご紹介します。
注目の栄養成分
キウイフルーツ(可食部100gあたり)には、以下の栄養成分が含まれています。
- ビタミンC:69mg
- カリウム:290mg
- 食物繊維総量:2.5g
注目成分:アクチニジン
キウイフルーツに特徴的な成分である「アクチニジン」は、タンパク質を分解する酵素の一種です。この酵素の働きにより、消化を助ける効果が期待できます。また、肉料理と一緒に摂取することで、肉を柔らかくする効果も知られています。
期待される効能
キウイフルーツは、私たちの健康をサポートする様々な効能を持つ果物です。風邪の予防をはじめ、高血圧や動脈硬化といった生活習慣病の予防、便秘の解消、そして美容効果まで、幅広い効果が期待されています。特に豊富なビタミンCは免疫力を高めるのに役立ち、食物繊維は腸内環境を改善します。さらに、がんの原因となる可能性のある変異原性を抑制する効果も報告されており、がん予防への期待も高まっています。
キウイフルーツの選び方:おいしいキウイを見分ける
美味しいキウイフルーツを選ぶための秘訣をご紹介します。キウイフルーツは、外観や手触りから、その鮮度や熟し具合をある程度見分けることができます。
キウイフルーツの保存方法:鮮度を保つコツ
キウイフルーツの美味しさを長持ちさせるための、適切な保存方法について解説します。常温での保存、冷蔵庫での保存など、状況に合わせた最適な方法を身につけましょう。
キウイフルーツに関する統計情報:生産規模、栽培状況、貿易量
ここでは、キウイフルーツの生産量、栽培面積、そして輸出入量に関する統計データをご紹介します。
地域別の年間収穫量
2022年のキウイフルーツ収穫量において、トップは愛媛県であり、およそ4790トンを記録しました。次いで、福岡県が約3990トン、和歌山県が約3350トンとなっています。
栽培面積と収穫量の変化
2022年におけるキウイフルーツの栽培面積は約1860ヘクタール、収穫量はおよそ2万2900トン、出荷量はおよそ2万500トンです。
品種別の栽培面積
2021年におけるキウイフルーツの品種別作付面積では、ヘイワードが約989ヘクタールで1位を占めています。これは全体の8割以上を占める割合です。2位はゼスプリゴールド(ホート16A)でおよそ31.3ヘクタール、3位は香緑、4位はサンゴールドとなっています。
キウイフルーツの主な輸入元と輸入量
日本へ輸入されるキウイフルーツは、主に5つの国々から供給されています。中でもニュージーランドからの輸入量が圧倒的に多く、その量は約9万2千トンを超え、日本で消費されるキウイフルーツの大部分を占めています。次いでチリからの輸入が約1800トン強と続きますが、全体の2%程度に過ぎません。アメリカからの輸入は約1300トン、そして韓国からの輸入が約530トンとなっています。
キウイフルーツの主要な輸出先と輸出量
2023年のデータを見ると、日本のキウイフルーツは主に5つの国や地域へ輸出されています。最大の輸出先は香港で、その量は約147トンです。カナダへは約15トン強、台湾へは約13トン強が輸出されています。
まとめ
キウイフルーツは、その独特の風味に加え、優れた栄養価と健康への貢献により、私たちの生活をより豊かにしてくれる果物と言えるでしょう。多種多様な品種の中から自分好みのキウイを見つけ、毎日の食卓に取り入れて、その恩恵を享受してみてはいかがでしょうか。
キウイフルーツは毎日食べても問題ないですか?
はい、適量を守れば基本的に毎日食べても大丈夫です。キウイフルーツはビタミンCや食物繊維が豊富に含まれており、健康維持に役立つと考えられています。しかし、過剰に摂取するとお腹の調子を崩す可能性があるため、注意が必要です。
キウイフルーツを追熟させるにはどうすれば良いですか?
キウイフルーツは、エチレンガスを放出するリンゴやバナナと一緒にビニール袋に入れ、室温で保存することで追熟を促進できます。触った時にわずかに弾力を感じる程度が食べ頃の目安です。
キウイフルーツによるアレルギー反応はありますか?
はい、キウイフルーツに対してアレルギー反応を示す人が存在します。症状としては、口の中や喉のかゆみ、蕁麻疹などが挙げられます。初めて食べる場合は、少量から試すことをお勧めします。