麻布といえば、東京の中心に位置し、その洗練された街並みが魅力ですが、意外なことに古き良き和の味わいも楽しめる場所でもあります。その中でも特に注目したいのが「かりんとう」。カリッとした食感とほのかな甘みが絶妙なこの和菓子は、子供から大人まで幅広く愛されています。麻布で味わえるかりんとうは、職人の技が光る逸品ばかり。伝統の製法で作られるこのお菓子には、何世代にもわたる物語とこだわりの詰まった魅力があふれています。
かりんとうの歴史を徹底解剖!黒糖かりんとうと白かりんとうの差異を探る
かりんとうは、古き良き時代を思い起こさせる昭和の風情を感じさせる和菓子の一つです。長い歴史を持つこのお菓子ですが、内部の作り方は他の日本の伝統的な和菓子とはかなり異なります。そのルーツや、時代と共にどのように変わってきたのか、そして愛らしいその名前の由来と、広く人気を集めている理由について探ってみましょう。
かりんとうの名前の起源は何ですか?漢字では花梨糖、火輪糖、またはカリン糖と書かれるのか?
かりんとうは、小麦粉と砂糖を練り合わせた生地を油で揚げ、甘い蜜を絡めた昔ながらの和菓子です。市場でよく見かける太めのかりんとうは、カリッと仕上げるのが意外と難しく、熟練の技が求められるそうです。現在では、黒糖風味以外にも多様な味や形のかりんとうが楽しめます。
「かりんとう」という名前の由来には諸説あり、一つには「食べるときのカリカリという音から名付けられた」という説があります。食感をそのまま名前にした、親しみやすい響きですね。
さらに、九州の一部地域では、縄状のかりんとうを「オランダ」と呼ぶこともあるそうです。「黒船から来た」という説もあり、当時、蒸気船は「火輪船(かりんせん)」と呼ばれ、伝統的な和菓子に馴染んでいた人々にとって、油で揚げた甘いかりんとうは新鮮なものだったのかもしれません。
また、「花梨(カリン)の木やその熟した実に似ている」という説も存在します。花梨の木は、その特徴的なコブが多い木目で知られています。それを考えると、かりんとうの表面の凹凸が、花梨の木の複雑な木目に似ているような印象を受けますね。
かりんとうの歴史 黒糖かりんとうが生まれた時代はいつ?
かりんとうの起源は実際のところ定かではありませんが、中国から伝わったとされる「唐菓子」に遡るという説があります。聖徳太子の時代に、遣唐使によってこの小麦粉を使った揚げ菓子が持ち込まれたと考えられています。
この砂糖を多く使ったお菓子は、砂糖が貴重だった時代には上流階級の贅沢品でした。庶民が手軽にかりんとうを楽しめるようになったのは江戸時代からと言われています。その後、明治8年に浅草仲見世で黒糖かりんとうが発売され、全国に普及したと言われています。
当時、黒糖が選ばれた理由には、まだ白砂糖が高価であったことが挙げられます。さらに、黒糖に含まれる成分には酸化を防ぐ効果がありました。これにより、揚げ菓子が時間が経っても劣化しにくく、かつての保存技術が限られていた時代においてもその美味しさを保てたのです。
東西それぞれの魅力を持つ黒・白かりんとうの世界
かりんとうは主に「黒かりんとう」と「白かりんとう」に分類され、どちらも基本的には同様の材料と工程で作られます。ただし、揚げた後にかける蜜が黒糖か白砂糖かによって、風味や見た目に顕著な違いが生まれます。
さらに、黒かりんとうでも地域によって作り方が異なります。関東では生地を発酵させてふんわりとした食感に仕上げるのに対し、関西ではこねた生地をじっくり揚げて硬い食感を楽しむようです。これは関東で黒糖の香りを重視し、関西で日持ちを考慮した結果とされています。※2
揚げ菓子というとドーナツが一般的ですが、かりんとうとの違いは生地に卵が含まれるかどうかです。卵が入ることで、ドーナツは柔らかく仕上がるのに対し、かりんとうはしっかりとした食感になります。
海外の類似のお菓子を見てみると、イタリアの「キアッケレ」やスペインの「ペスティーニョ」などがあります。特にペスティーニョはその作り方や外見から「スペインのかりんとう」とも呼ばれ、砂糖ではなくはちみつを多く使用して特別な日のお菓子として親しまれています。
かりんとう饅頭やかりんとうドーナツなど、進化し続けるかりんとうスイーツ
かりんとうは、時の流れとともにさまざまなスタイルに発展してきました。最近では、野菜が練り込まれた鮮やかなバリエーションや、ピーナツやゴマ、味噌で風味付けされたユニークなかりんとうが見られます。
また、かりんとうの名を持つものの、少し異なるお菓子も人気です。たとえば、ドーナツやあられに黒蜜をかけた「かりんとうドーナツ」や「かりんとうあられ」がその例です。さらに、揚げ菓子に黒糖蜜をかけたものや、揚げずに焼いた「焼きかりんとう」もあります。
特に20年ほど前に誕生して未だに人気を博しているのが「かりんとう饅頭」です。黒糖を使用した生地でこしあんを包み油で揚げたこの饅頭は、そのパリッとした食感と風味がかりんとうを彷彿とさせることから、その名を得たといいます。
かりんとうの人気が続く背景には、その美味しさに加えて、健康志向の高まりにより注目されている栄養価の豊富な黒糖の存在もあるかもしれません。さらにユニークなかりんとうが今後登場することが期待されますが、機会があればぜひ手にとって試してみてはいかがでしょうか。