多彩なプリンの世界に足を踏み入れると、その豊かな風味と滑らかな食感に魅了されることでしょう。一見シンプルなデザートでありながら、プリンはそのバリエーションの豊かさから多くの人々に愛され続けています。古典的なカスタードプリンから、日本独自の創作プリンや健康志向のビーガンプリンまで、各種類の個性と魅力を探求し、新たなお気に入りを見つけてみませんか。
プリンの起源は船員の食事にあった
「プリン」はイギリスの伝統的なお菓子である「カスタードプディング」に起源を持っています。起源は16世紀のヨーロッパの航海時代にさかのぼります。船上での食料を効率良く使うために、余った肉片やパンくずを卵液とともに蒸し上げて作られたのが始まりと言われています。後に陸地に広がり、家庭でも様々な材料を用いたプディングが作られ、具を使わず卵液のみを固めたものも登場しました。これが現在日本で親しまれているカスタードプディングです。
プディングが日本に伝わったのは、江戸後期から明治初期の開国期であり、1872年に『西洋料理通』に初めて文献として登場しました。その発音が変わり「プリン」と呼ばれるようになったのです。
濃厚カスタードプリン
卵の混合液に牛乳と砂糖を加え、型に入れて鍋やオーブンで蒸し固めたデザート。かつての懐かしいプリンのことで、卵の風味が豊かで適度な弾力が特徴です。基本的な材料の割合は、牛乳:卵:砂糖=4:2:1とされています。
焼きプリン
焦げ目を付けるために、オーブンで蓋をせずに加熱したプリン。この香ばしい焼き目が、デザートの甘さをより引き立てます。
なめらかクリーミープリン
牛乳の代わりに生クリームを一部使用して、よりリッチでとろみのある食感を実現。通称「なめらかプリン」として親しまれるものです。卵黄だけを用いることで、さらなる滑らかさを引き出すことも可能です。
ミルクプリン、抹茶プリン、パンプキンプリンなど
卵を使用せずに凝固剤を用いることで「牛乳プリン」を作ることができ、これに「抹茶プリン」や「かぼちゃプリン」など、基本の配合比を応用して好みの食材を加えることで、様々な種類のプリンが楽しめます。
カラメルを使用する理由とは?
カスタードプリンが初めて作られた際は、大きな型に卵液を注いでいました。しかし、取り出すときに型にくっついてしまい、見た目が悪くなることがありました。そのため、西洋のデザートでよく使用されるカラメルを型の底に入れることで、水に溶けやすい特性を活かし、卵液の水分によって固まることなく、カラメルの層ができてスムーズに取り出せるようになりました。