アレルギー 8大
食物アレルギーは、私たちの生活に深く関わる問題です。特に、特定原材料8品目は、アレルギー症状を引き起こしやすい代表的な食品として知られています。この記事では、アレルギーを持つ人が安心して食生活を送るために、8大アレルゲン(卵、乳、小麦、そば、落花生、えび、かに、くるみ)について詳しく解説します。それぞれの特徴や症状、対策を知り、安全な食生活を送りましょう。
食物アレルギーとは:免疫システムの誤作動
食物アレルギーは、本来人体に害のない特定の食品に対し、免疫システムが過剰に反応してしまう状態を指します。これは、体が特定の食品成分を危険な異物と誤って認識するために起こります。アレルギー反応の現れ方は様々で、皮膚のかゆみや発疹、消化器系の不調、呼吸困難などを引き起こすことがあります。重篤な場合には、生命を脅かすアナフィラキシーショックに至ることもあります。
8大アレルゲン:特に注意すべき食品群
数ある食物アレルギーの中でも、特に患者数が多く、重い症状を引き起こしやすい食品として、特に注意が必要な「8大アレルゲン」が定められています。これらの食品については、食品表示法に基づき、加工食品の原材料表示における記載が義務付けられています。これにより、アレルギー体質の方が食品を安全に選択できるよう配慮されています。
8大アレルゲンの詳細:種類と特徴について
8大アレルゲンとして特定されているのは、以下の食品です。
- 卵:特に子どもに多く見られ、卵白に含まれるオボムコイドなどのタンパク質が原因となることが多いです。
- 乳(乳製品):牛乳に含まれるカゼインやホエイプロテインがアレルギー反応を引き起こす原因となります。こちらも乳幼児に多くみられるアレルギーです。
- 小麦:パンや麺類に広く含まれるグルテンが原因となることがあります。消化器系の症状や皮膚症状として現れるケースがあります。
- そば:ごく少量でも重篤なアレルギー反応を引き起こす可能性があり、注意が必要です。
- 落花生(ピーナッツ):アナフィラキシーショックを引き起こすことで知られており、他のナッツ類との交差反応にも注意が必要です。
- えび:代表的な甲殻類アレルギーの原因食品で、摂取により皮膚や呼吸器に症状が出ることがあります。
- かに:えびと同様に、甲殻類アレルギーとして注意が必要です。調理器具などを介した間接的な接触でも反応を起こす場合があります。
- くるみ:ナッツ類アレルギーのひとつで、2023年3月より特定原材料として表示が義務化されました。
これらの食品は、多くの加工食品や外食メニューに使われているため、日々の生活において注意が必要です。アレルギーをお持ちの方は、製品の原材料表示をしっかりと確認し、不明な点がある場合は店員に確認することが大切です。
8大アレルゲンのリスクと対策:安心な食生活のために
食物アレルギーを持つ方が安心して食生活を送るためには、以下の対策が重要になります。
食品表示の確認:原材料をしっかり確認
日本をはじめとする多くの国々では、特に注意が必要な8つのアレルゲンについて、食品のラベルへの表示が法律で義務付けられています。食品を購入する際には、原材料表示を必ず確認し、アレルゲンとなる物質が含まれていないかをチェックする習慣を身につけましょう。特に、多くの材料が使われている加工食品は、より慎重な確認が必要です。
代替食品の活用:アレルギー対応食品を活用する
アレルギーの原因となる食品の代わりに、代替食品を上手に利用することで、食事の楽しみを損なわずに済みます。例えば、牛乳アレルギーであれば豆乳やオーツミルク、小麦アレルギーであればグルテンフリーの食品を選ぶことができます。近年では、様々なアレルギーに対応した食品が開発され、選択肢も豊富になっています。
外食時の対策:事前にアレルゲン情報をチェック
外食をする際には、アレルギーに関する情報を公開している飲食店を選び、事前に確認することが非常に大切です。予約をする際にアレルギーについて伝え、メニューにアレルゲン表示がない場合は、お店の人に直接確認するようにしましょう。また、調理器具の共用などによる、意図しない混入(コンタミネーション)のリスクについても確認することが重要です。
万一の場合に備えて:緊急時の自己注射薬を携帯
医師の指示のもと、重いアレルギー症状が出る可能性がある方は、万が一の事態に備えて、アドレナリン自己注射薬(エピペン)を携帯することが推奨されます。エピペンは、アナフィラキシーと呼ばれる重篤なアレルギー反応が起きた際に、その症状を一時的に緩和するための緊急用の医薬品です。使用方法については、事前に医師から詳しい指導を受け、緊急時に適切に対応できるように準備しておきましょう。
アレルギー検査の有効活用:原因となるアレルゲンを突き止める
アレルギーの原因物質を特定するためには、医療機関での血液検査や食物経口負荷試験などが有効です。これらの検査を通じて、アレルギー症状の程度や適切な対策を把握することが可能です。アレルギー検査は、自身がどのような物質に対してアレルギー反応を示すのかを知る上で非常に大切です。検査結果を基に、医師の指示に従い、適切な食生活やライフスタイルを送りましょう。
周囲の理解を深める:アレルギーに関する情報共有
ご家族、学校、職場など、身近な方々に自身のアレルギーについて詳しく伝え、誤ってアレルゲンを摂取してしまうことのないよう協力を求めましょう。アレルギーを持つ方が安全な生活を送るためには、周囲の理解と協力が不可欠です。アレルギーに関する正確な知識を共有し、誤解や偏った見方をなくしていくことが大切です。
社会全体で取り組むべき課題:アレルギーに配慮した社会を目指して
食物アレルギーは、個人の問題としてだけでなく、社会全体で取り組むべき課題です。学校給食や食品製造業界においては、アレルゲンを取り除いたメニューの開発や、安全対策の強化が進められています。さらに、公共の場におけるアドレナリン自己注射薬(エピペン)の普及促進や、正しい知識を普及させるための活動も重要です。アレルギーを持つ人もそうでない人も、互いを尊重し、支え合う社会の実現を目指しましょう。
加工食品におけるアレルギー表示:食品表示法による義務
食品表示基準において、特定原材料(義務表示8品目)は、原材料として意図的に使用した場合に全量表示が義務付けられている。コンタミネーション(意図せず微量混入した場合)は表示義務の対象外であり、一定の基準値(微量レベル)を超えた場合のみ表示義務が生じるという規定は存在しない。
アレルギー表示の対象範囲:容器で包装された食品
アレルギー表示の義務が適用されるのは、箱、袋、缶、瓶、ペットボトルなどの容器に密封された加工食品に限られます。スーパーやコンビニエンスストアなどで製造・販売される惣菜、弁当、パン、菓子類など、個包装されていない食品は表示義務の対象外です。同様に、レストランなどの外食で提供される料理にもアレルギー表示の義務はありません。これらの食品を利用する際は、店舗スタッフへの確認が必要です。
特定原材料に準ずるアレルギー物質:表示推奨の20品目
包装された加工食品において、表示が義務付けられているアレルギー物質は、鶏卵、牛乳、小麦、エビ、カニ、クルミ、落花生、ソバの8品目に限定されています(これらは「特定原材料」と呼ばれます)。その他、アーモンドや大豆など20品目は「特定原材料に準ずるもの」とされ、食品表示基準では表示が義務付けられていませんが、アレルギー症状を引き起こす可能性があるため、可能な限り表示することが推奨されています。これらについても注意深く確認しましょう。
献立、食材の産地、アレルギー情報の開示:学校給食における取り組み
学校給食をはじめとする集団給食の現場では、献立の内容、食材の産地、そしてアレルギーに関する情報を積極的に提供する取り組みが広がっています。これにより、アレルギーを持つ児童や生徒が安心して給食を食べられる環境づくりが進められています。
アレルギーと免疫:IgE抗体の役割
食物アレルギーの反応には、IgE抗体が関与するものと、そうでないものが存在します。IgE抗体が関与するアレルギー反応は、一般的に即時型アレルギーと呼ばれ、食品摂取後比較的速やかに症状が出現するのが特徴です。これに対し、IgE抗体が関与しないアレルギー反応は、遅延型アレルギーと呼ばれることがあり、症状が現れるまでに時間を要することがあります。アレルギーの種類によって症状や適切な対処法が異なるため、専門医による正確な診断が不可欠です。
まとめ
主要なアレルゲンである8大アレルゲンについて正確な知識を持ち、適切な対策を講じることは、アレルギーを持つ人々が安心して生活できる社会の実現につながります。食品表示の確認はもとより、代替食品の有効活用、外食時の注意、緊急時用のアドレナリン自己注射薬(エピペン)の携行、アレルギー検査の活用、そして周囲の理解を深める活動など、多岐にわたる対策によって、アレルギーのリスクを最小限に抑えることが可能です。さらに、アレルギー対応食品の開発や、アレルギーに関する知識の普及といった、社会全体でアレルギーに配慮する取り組みを進めることが重要です。BEYOND SWEETSのように、アレルギーを持つ方でも安心して楽しめるお菓子を提供する企業が増えることは、食の選択肢を広げ、より豊かな食生活を送る上で大きな助けとなるでしょう。
よくある質問
質問1:食物アレルギーとは?
食物アレルギーとは、特定の食品に対して免疫システムが過敏に反応し、様々な不快な症状を引き起こす状態を指します。本来、人体に害を及ぼさないはずの食品成分を、体が誤って有害な物質として認識してしまうために起こる現象です。
質問2:8大アレルゲンとは?
8大アレルゲンとは、食品アレルギーの原因となる食品の中でも、特に患者数が多く、重篤な症状を引き起こす可能性が高いと特定された、鶏卵、牛乳、小麦、そば、落花生、エビ、カニ、クルミの8品目を指します。
質問3:食品アレルギー表示は必ず必要?
日本国内で販売されている、パッケージに入った加工食品については、食品表示法によって、特に注意が必要な8つのアレルゲン(特定原材料)について表示が義務付けられています。ただし、スーパーマーケットやデパートなどで製造・販売されるお惣菜、お弁当、レストランで提供される料理など、その場で調理される食品には、アレルギー表示の義務はありません。
質問4:アレルギー体質の人が外食時に気を付けるべきことは?
外食を選ぶ際には、アレルギーに関する情報を開示している飲食店を選び、事前に確認することが非常に重要です。予約をする際に、アレルギーについて詳しく伝え、メニューにアレルゲンに関する表示がない場合は、遠慮なく店員に確認しましょう。さらに、調理器具の共有などによる、意図しないアレルゲンの混入(コンタミネーション)のリスクについても確認することが大切です。
質問5:緊急時に使用するエピペンとは?
エピペンは、アナフィラキシーと呼ばれる、生命に関わる重篤なアレルギー症状が現れた際に、その症状を一時的に緩和するための緊急補助治療薬です。重度のアレルギーを持つ方は、万が一の事態に備えて、エピペンを常に携帯することを強く推奨します。エピペンの使用方法については、事前に医師から十分な指導を受け、緊急時に適切に使用できるように備えましょう。