高血圧対策として注目されるトマトジュース。手軽に入手でき、毎日の習慣に取り入れやすい点が魅力ですが、本当に効果があるのか、疑問に思っている方もいるのではないでしょうか。塩分添加の有無、摂取量、飲み方など、様々な情報が飛び交い、何を選べば良いか迷うことも。この記事では、トマトジュースが高血圧に良いとされる理由を科学的な根拠に基づき解説します。無塩と塩分入り、どちらを選ぶべきか、効果的な飲み方、注意点など、高血圧対策に役立つトマトジュースの賢い選び方を詳しくご紹介します。
高血圧にトマトジュースが良いとされる理由~デメリットや飲み方も~
高血圧は、現代において多くの方が悩む健康問題であり、生活習慣の見直しが欠かせません。「高血圧にはトマトジュースが良い」という情報を耳にし、手軽さから日々の習慣に取り入れている方もいるでしょう。トマトジュースは、手軽に始められる健康習慣として注目されています。しかし、なぜトマトジュースが高血圧に良いのか、適切な摂取量や方法、副作用はないのかなど、疑問を持つ方もいるかもしれません。この記事では、高血圧とトマトジュースの関係について、科学的根拠に基づいた効果、おすすめの摂取方法、注意点などを管理栄養士監修のもと解説します。トマトジュースを日々の健康管理に取り入れたい方、既に取り入れている方は、ぜひ最後まで読んで、より効果的で安全な飲み方の参考にしてください。
なぜ高血圧にトマトジュースが効くといわれているのか
トマトジュースが高血圧対策として注目されるのは、血圧が高めの方を対象とした研究で、継続的な摂取によって血圧が低下したという報告が多数あるためです。この血圧低下には、トマトジュースに多く含まれるGABA(γ-アミノ酪酸)というアミノ酸が関係していると考えられています。GABAが血圧を下げるメカニズムは完全には解明されていませんが、研究によると、GABAが自律神経系の交感神経の働きを抑制し、血管の収縮を和らげることで血圧上昇を抑えると考えられています。GABAは、単なる栄養素としてだけでなく、体内で重要な役割を果たしています。GABAは神経伝達物質として、脳の興奮を鎮め、精神を安定させる働きがあることが知られています。神経伝達物質は、神経細胞間の情報伝達を担う化学物質であり、GABAはこの情報伝達を調整し、心身のバランスを保ちます。現代社会では、ストレスを感じやすく、神経が興奮しがちです。GABAを摂取することで、神経の興奮を抑制し、ストレスを和らげることが期待できます。精神的な安定は血圧の安定にもつながるため、GABAを含むトマトジュースは、高血圧対策として有効であると考えられています。
ダイエットへの影響
トマトジュースは、高血圧対策だけでなく、ダイエット中の飲み物としても推奨されています。一般的な清涼飲料水と比較して、トマトジュースはカロリーや糖質が低いため、ダイエット中でも安心して摂取できます。また、京都大学の研究で、トマトに含まれる「13-oxo-ODA」という成分が発見されました。この13-oxo-ODAには、血中中性脂肪の改善効果が期待できるという報告があります。これは、トマトジュースが低カロリー・低糖質であるだけでなく、ダイエットをサポートする可能性を示唆しています。ただし、この研究は動物実験の結果であり、ヒトへの効果はまだ明確ではありません。今後の研究が期待されます。ダイエット中にトマトジュースを飲む際は、低カロリー・低糖質という利点を活かしつつ、過度な期待はせず、バランスの取れた食事と運動を心がけましょう。
コレステロール値改善の可能性
トマトジュースは、高血圧の方を対象とした研究において、コレステロール値の改善に貢献する可能性も示唆されています。研究データによると、トマトジュースの継続的な摂取によって、血中の総コレステロール値とLDL(悪玉)コレステロール値が低下する傾向が見られました。これは、心血管疾患のリスクを低減する上で重要な発見と言えます。このコレステロール改善効果には、トマトに含まれるリコピンという抗酸化成分が深く関わっていると考えられています。リコピンは、トマトの赤い色素成分であり、活性酸素を除去する強力な抗酸化作用を持っています。活性酸素は細胞を傷つけ、動脈硬化などの生活習慣病の原因となるため、リコピンの抗酸化作用はこれらの病気の予防に役立ちます。さらに、リコピンの摂取によって、HDL(善玉)コレステロールが増加したという報告もあり、コレステロールバランスの改善に効果的です。コレステロール管理においては、単にコレステロール値を下げるだけでなく、LDLコレステロールとHDLコレステロールのバランスを保つことが重要です。トマトジュースを日常的に取り入れることは、このバランスを整え、健康維持をサポートする可能性があります。
トマトジュースの過剰摂取による注意点
トマトジュースは健康に良い影響を与える可能性がありますが、どんな優れた食品でも、摂りすぎると望ましくない影響が出ることがあります。特に、トマトジュースを毎日大量に飲むことは、カロリーや塩分の摂りすぎにつながり、高血圧の改善を妨げるだけでなく、健康を損なうリスクを高める可能性があるため注意が必要です。健康への期待から、推奨される量を超えて飲んでしまう人もいますが、トマトジュースはあくまで「食品」であり、薬のようにすぐに効果が出るわけではありません。むしろ、その成分によっては、過剰な摂取が体に負担をかけることもあります。ここでは、トマトジュースを毎日たくさん飲むことで具体的にどのような影響があるのかを詳しく解説します。これらのリスクを理解し、適切な量を守ってトマトジュースを生活に取り入れることが、高血圧対策と健康維持のために大切です。
カロリーの摂りすぎに注意
トマトジュースは一杯あたりのカロリーが非常に高いわけではありませんが、飲みすぎるとカロリーオーバーになる可能性があります。例えば、トマトジュースは1杯(約200ml)あたり約40kcalです。これは少ないように見えますが、1日に何度も飲むと、合計の摂取カロリーは増えてしまいます。高血圧の大きな原因の一つに肥満があります。毎日摂るカロリーが消費カロリーを超えると、体重が増加し、肥満になりやすくなります。肥満は、インスリンの働きを悪くしたり、交感神経を活発にするなどして血圧を上げることがわかっています。トマトジュースを飲むことは、高血圧対策を「サポート」するものです。高血圧を改善するためには、食事全体のバランスを見直し、適度な運動をするなどの基本的な生活習慣を整えることが重要です。トマトジュースだけに頼って、カロリーを摂りすぎると、高血圧のリスクを高め、健康改善を妨げることになるので注意が必要です。
塩分の摂りすぎに注意
トマトジュースを選ぶ際には、種類によって塩分の量が大きく異なるため、特に高血圧の方は注意が必要です。市販されているトマトジュースには、塩分が加えられているものと、塩分が全く加えられていないものがあります。高血圧の改善を目指す方にとって、塩分摂取量の管理は非常に重要であるため、基本的には無塩のものを選ぶことがおすすめです。しかし、味の好みから、塩分入りのものを選びたいと考える人もいるでしょう。塩分入りのトマトジュースは、トマトの青臭さが少なく、比較的飲みやすいという特徴があります。参考までに、塩分入りのトマトジュースを1杯(200ml)飲むと、約0.6gの塩分を摂取することになります。日本人の1日の塩分摂取目標量は、男性で7.5g未満、女性で6.5g未満(高血圧の方は6g未満)とされているため、塩分入りのトマトジュースを何杯も飲むと、1日の目標量を簡単に超えてしまう可能性があります。塩分の摂りすぎは、体内の水分量を増やし、血管にかかる圧力を上昇させることで血圧を高める原因となります。そのため、高血圧対策としてトマトジュースを取り入れる場合は、無塩のものを選び、もし塩分入りのものを飲む場合は、他の食事からの塩分摂取量をしっかりと管理し、全体の塩分量を調整することが大切です。
高血圧対策のためのトマトジュースの効果的な飲み方
高血圧の改善を期待してトマトジュースを飲むのであれば、その効果を最大限に引き出すために、いくつかのポイントを押さえた飲み方をすることが大切です。ただ毎日飲むだけでなく、製品の選び方、適切な摂取量、飲むタイミングを工夫することで、より効果的に健康効果を得られる可能性があります。トマトジュースはあくまで日々の食生活を補うものであり、その効果は継続することで現れるものです。ここでは、高血圧対策としてトマトジュースを効果的に取り入れるための具体的なポイントをご紹介します。これらの情報を参考に、ご自身の生活スタイルに合わせた最適な飲み方を見つけて、着実に高血圧改善を目指しましょう。
トマトジュースの基本的な種類
店頭に並ぶトマトジュースは、製造方法によって大きく3つのカテゴリーに分けられます。それぞれの特性を把握することで、自分の好みや目的に最適な製品を選ぶ手助けとなるでしょう。
ストレートタイプ
ストレートタイプのトマトジュースは、収穫されたトマトの果実をダイレクトに搾汁し、殺菌処理を施した後、そのままパッケージングしたものです。「トマトそのもの」と言える製法で、トマト本来の豊かな風味を最大限に堪能できます。調味料や添加物をほとんど使用しないため、純粋なトマトの味わいを重視する方には特におすすめです。ただし、収穫から加工に至る製造プロセスに手間とコストがかかるため、他のタイプと比較して価格がやや高めになる傾向があります。まるで生のトマトを食すかのような感覚で、素材本来の味を楽しみたい方にぴったりです。
濃縮還元タイプ
濃縮還元タイプのトマトジュースは、まずトマトから搾った果汁を、加熱や凍結などの方法で水分を蒸発させ、濃縮したペースト状にします。その後、再び水分を加えて元の濃度に「還元」して製造されます。この製法の最大の利点は、濃縮によって容積を大幅に縮小できるため、保管スペースや輸送コストを削減できることです。また、濃縮ペーストは冷凍保存が可能となり、トマトの旬ではない時期でも安定して製品を提供できるため、年間を通して比較的手頃な価格で入手できます。ただし、濃縮・還元という加工の過程で、トマト本来の酵素やビタミン、食物繊維といった栄養素の一部や、繊細な香りが損なわれる可能性があります。コストパフォーマンスを重視し、気軽に日常的にトマトジュースを摂取したい方におすすめのタイプです。
果汁飲料(ミックスジュースタイプ)
果汁飲料とは、トマト果汁が100%未満の飲料を指し、トマト果汁に加えて他の果物や野菜の果汁、または加糖ブドウ糖液糖などが含まれているのが一般的です。純粋なトマトジュースというより、トマトをベースにしたミックスジュースのようなテイストで、トマト特有の青臭さや風味が苦手な方でも比較的飲みやすいように工夫されています。しかし、糖類などの添加物が加えられている場合があるので、健康に特に配慮している方や、カロリー、糖質摂取量を気にしている方は、購入前に必ずパッケージの栄養成分表示をじっくりと確認することが大切です。ご自身が求めているものと合致するかどうかをしっかり見極めてから選びましょう。
選び方のポイント:無塩タイプがおすすめ
血圧対策としてトマトジュースを選ぶ際、特に重要なのが塩分の量です。血圧上昇の大きな原因の一つは過剰な塩分摂取であるため、高血圧の改善には日々の塩分摂取量を意識して減らすことが求められます。日本高血圧学会のガイドラインでは、高血圧の方の1日の塩分摂取目標量を6g未満と設定しています。しかし、私たちの食生活は、醤油や味噌などの調味料、漬物、麺類といった塩分を多く含む食品を頻繁に摂取する傾向があります。令和元年の国民健康栄養調査によると、成人の1日の平均塩分摂取量は約10.1gと目標値を大きく上回っています。この状況を考慮すると、トマトジュース以外の食事からも多くの塩分を摂取している可能性が高いため、トマトジュースはできる限り「無塩タイプ」を選ぶことをおすすめします。
無塩トマトジュースは、その名前の通り塩分が添加されていないタイプで、原材料は基本的にトマトのみです(風味を良くするために香料が加えられている場合もあります)。トマト本来の風味を楽しめるのがメリットですが、トマトの青臭さが苦手な方には飲みにくいと感じられるかもしれません。医師から塩分摂取を制限されている方や、普段から塩分の摂りすぎが気になる方にとって、最適な選択肢と言えるでしょう。
一方、有塩タイプのトマトジュースには塩分が加えられています。これにより、トマト特有の青臭さが抑えられ、全体的にまろやかで飲みやすい味わいになるのが特徴です。トマトの風味が苦手な方でも比較的取り入れやすいですが、すでに述べたように、有塩タイプのトマトジュースを1杯(200ml)飲むだけで約0.6gの塩分を摂取することになり、それが積み重なって1日の塩分摂取目標を超過してしまう可能性があります。しょっぱく感じるほど塩分が含まれているわけではありませんが、高血圧で塩分摂取を控える必要がある方は避ける方が賢明です。どうしても有塩タイプのトマトジュースを飲みたい場合は、他の食事からの塩分摂取量を厳密に管理し、1日に摂取できる塩分量を調整することが重要です。また、最近では「低塩タイプ」のトマトジュースも販売されていますが、塩分含有量は商品によって異なるため、購入する際には必ず栄養成分表示を確認し、自身の塩分摂取目標に合っているかどうかを確認しましょう。
推奨される摂取量
トマトジュースの摂取量については、無塩・有塩に関わらず、1日あたり200ml程度を目安にするのが良いでしょう。この推奨量にはいくつかの理由があります。まず、有塩タイプのトマトジュースの場合、1杯(200ml)あたり約0.6gの塩分が含まれているため、過剰な塩分摂取を防ぐために1日200ml程度に抑えることが望ましいです。高血圧対策においては塩分摂取量の管理が非常に重要であるため、この点を特に意識する必要があります。また、無塩タイプであっても、トマトジュースはカロリーや糖質が低いとはいえ、普段の食事に加えて大量に飲むと、総摂取カロリーや糖質が過剰になる可能性があります。例えば、トマトジュース1杯(200ml、約206g相当)の一般的な栄養成分は、カロリー約40kcal、糖質約7g程度です(糖質は差引法による利用可能炭水化物を記載)。これらの数値は製品によって多少異なりますが、複数杯飲むことで、ダイエット中や糖質制限をしている方にとっては無視できない量になる可能性があります。したがって、トマトジュースはあくまで健康補助食品として捉え、過剰摂取によるカロリーや糖質の摂りすぎを防ぐためにも、1日200mlという適量を守ることが、高血圧対策と健康維持の両面から推奨されます。
最適な飲用タイミング
トマトジュースを飲むタイミングに厳密な決まりはありませんが、その効果を最大限に引き出すためにおすすめの時間帯がいくつか存在します。一つは、午後の間食として15時頃に飲むことです。この時間帯にトマトジュースを飲むことには、いくつかのメリットがあります。まず、トマトジュースに含まれるGABAは、夕方に摂取すると質の高い睡眠を促す効果があると言われています。睡眠不足は高血圧のリスクを高める要因の一つであるため、夕方にGABAが豊富なトマトジュースを飲むことで、睡眠の質を高め、間接的に血圧の安定に貢献できる可能性があります。また、15時頃は甘いお菓子やスナック菓子を食べたくなる時間帯ですが、これらの高カロリー・高糖質の食品の代わりにトマトジュースを選ぶことで、カロリーや糖質の過剰摂取を防ぎ、肥満防止に繋がります。肥満も高血圧のリスク要因となるため、これは一石二鳥の対策と言えるでしょう。一方で、トマトに含まれる抗酸化成分であるリコピンの効果を効率的に活用したい場合は、朝にトマトジュースを飲むのが効果的です。リコピンは油に溶けやすい性質があるため、朝食と一緒に摂取することで吸収率が高まると考えられています。このように、GABAの効果を期待するなら夕方、リコピンの効果を期待するなら朝と、目的に応じて飲むタイミングを調整することで、トマトジュースの健康効果をより効果的に得ることができるでしょう。
飲用期間と継続の重要性
トマトジュースは健康をサポートする食品であり、薬のようにすぐに効果が現れるわけではありません。そのため、どのくらいの期間飲み続ければ効果を実感できるか、明確な期間を示すことは難しいです。しかし、一般的には、まずは1~2ヶ月程度の期間、継続して飲用し、その間の体調や血圧の変化を観察してみるのが良いでしょう。高血圧の改善は、短期間で劇的に変わるものではなく、日々の生活習慣の積み重ねによって徐々に達成されるものです。トマトジュースは、生活習慣の改善や医師から処方された薬の服用といった基本的な高血圧治療をサポートする役割を果たします。したがって、トマトジュースを飲み始めたからといって、基本的な治療を怠ったり、食生活や運動習慣への意識を緩めたりしてはいけません。むしろ、基本的な治療をしっかりと行いながら、その上でトマトジュースを補助的に活用することで、より効果的な高血圧管理が期待できます。また、体質によってはトマトジュースが合わず、腹痛や下痢などの消化器系の不調を引き起こす可能性もあります。万が一、飲用中に体調不良を感じた場合は、目安期間に関わらず、すぐに飲むのを中止し、必要に応じて医師に相談するようにしてください。自身の体と相談しながら、無理なく継続できる範囲で取り組むことが、長期的な健康維持につながります。
高血圧におすすめのトマトジュース製品
血圧が気になる方向けに、市販されている多くのトマトジュースの中から、特におすすめの製品を厳選してご紹介します。スーパーやコンビニで容易に入手できるだけでなく、血圧対策に有効とされるGABAの含有量、そして抗酸化作用で注目されるリコピンの含有量を考慮して選びました。毎日の健康管理に取り入れやすく、効果が期待できるトマトジュースで、高血圧対策を始めてみませんか。
デルモンテ 食塩無添加トマトジュース
高血圧対策として推奨するトマトジュースの一つに、「デルモンテ 食塩無添加トマトジュース」があります。この製品の際立った特徴は、GABAが豊富に含まれていることです。具体的には、200mlあたり53mgから245mgものGABAが含まれています。血圧を下げるために必要なGABAの摂取量は、研究段階ではありますが、一般的に1日に10mgから80mg程度が良いとされています。この点を考慮すると、デルモンテのトマトジュースは、一杯で十分な量のGABAを摂取できる可能性があります。普段の食事からのGABA摂取量と合わせて、高血圧対策に必要なGABAを効率的に補給できるでしょう。食塩不使用であることも、塩分摂取を控えたい方には大きな利点です。手軽にGABAを摂取したい方にとって、デルモンテ 食塩無添加トマトジュースは最適な選択肢の一つと言えます。
カゴメ トマトジュース食塩無添加
もう一つ、高血圧対策におすすめのトマトジュースは、「カゴメ トマトジュース食塩無添加」です。この製品は、消費者庁に届け出がなされた機能性表示食品として販売されており、血圧が高めの方の健康をサポートする機能が示されています。機能性表示食品とは、健康の維持・増進に役立つことが科学的に証明され、その機能が表示されている食品です。カゴメの食塩無添加トマトジュースには、200mlあたりGABAが24mg含まれています。これは、前述したGABAの推奨摂取量(10~80mg)を考慮すると、一日あたり必要なGABAを十分に補える量です。さらに、200mlの飲みきり紙パックで販売されているため、自宅だけでなく、職場や外出先でも手軽に飲めるのが魅力です。日々の生活で高血圧対策を続けたい方にとって、カゴメ トマトジュース食塩無添加は、その機能性と手軽さから非常に良い選択となるでしょう。
まとめ
この記事では、高血圧にトマトジュースが効果的である理由、その摂取方法、そして注意点について詳しく解説しました。トマトジュースに含まれるGABAには、血圧を下げる効果が期待されています。GABAが血圧を下げるメカニズムは完全には解明されていませんが、交感神経の活動を抑制し、血管を拡張することで血圧を下げる効果があると考えられています。また、トマトに含まれるリコピンには、コレステロール値の改善や抗酸化作用による生活習慣病の予防効果も期待できます。トマトジュースはカロリーや糖質が比較的少ないため、ダイエット中の飲み物としても適していますが、人に対する効果はまだ研究段階です。ただし、体に良いからといって過剰に摂取すると、カロリーや塩分の摂りすぎにつながり、体重増加や血圧上昇のリスクを高める可能性があることに注意が必要です。
効果的な飲み方としては、ストレート、濃縮還元、果汁飲料の3つのタイプがあることを理解し、特に塩分摂取量を考慮して「無塩タイプ」を1日に200ml程度飲むのがおすすめです。飲むタイミングは、GABAによる睡眠の質向上を期待するなら夕方、リコピンの吸収率を重視するなら朝食時が良いでしょう。少なくとも1〜2ヶ月は継続して飲み続けることを目安とし、高血圧の治療の基本は生活習慣の改善や医師の指示に従った薬の服用であることを理解した上で、トマトジュースを補助的に活用してください。体質に合わない場合はすぐに摂取を中止しましょう。デルモンテやカゴメの食塩無添加トマトジュースは、GABAが豊富で、スーパーやコンビニで手軽に購入できるため、高血圧対策に取り入れやすいでしょう。日々の食生活にトマトジュースを上手に取り入れ、バランスの取れた生活習慣を心がけることで、高血圧の改善を目指しましょう。
トマトジュースは高血圧に本当に効果があるのでしょうか?
はい、血圧が高めの方を対象とした調査において、トマトジュースを定期的に摂取することで血圧が改善されたという結果が出ています。これは、トマトジュースに含まれるGABA(γ-アミノ酪酸)というアミノ酸が、自律神経系の活動を穏やかにし、血管の収縮を抑制、血圧の上昇を防ぐ効果があると考えられているためです。
トマトジュースはダイエットにも効果がありますか?
トマトジュースは、他の一般的な飲料と比較してカロリーや糖分の含有量が少ないため、ダイエット中の飲み物として推奨できます。さらに、京都大学の研究によって、トマトに含まれる「13-oxo-ODA」という成分が血中の中性脂肪を減らす効果を持つ可能性が示唆されています。ただし、この研究は動物実験に基づいており、ヒトへの明確な効果については今後の研究が待たれます。
トマトジュースを飲むとコレステロール値も下がりますか?
高血圧症の方を対象とした研究では、トマトジュースの摂取によって血中の総コレステロール値とLDLコレステロール(悪玉コレステロール)値が低下したという報告があります。これは、トマトに含まれるリコピンの強力な抗酸化作用や、HDLコレステロール(善玉コレステロール)を増加させる作用が影響していると考えられています。
トマトジュースの過剰摂取による懸念点は?
トマトジュースを日常的に大量に飲むことは、カロリーの過剰摂取や塩分の摂りすぎというマイナス面をもたらす可能性があります。特に、食塩添加のトマトジュースを過度に摂取すると、塩分摂取量が増加し、高血圧を悪化させるリスクがあります。さらに、カロリーの過剰摂取は体重増加を招き、これもまた高血圧のリスクを高める要因となります。
高血圧対策でトマトジュースを飲む時の注意点は?
高血圧対策としてトマトジュースを取り入れる場合、一番大切なのは「食塩無添加」のタイプを選ぶことです。製造方法には、ストレート、濃縮還元、果汁飲料といった種類がありますが、それぞれ特性が異なるため、栄養成分表示をしっかりと確認しましょう。一日の摂取量の目安は200ml程度とし、飲み過ぎには注意が必要です。飲むタイミングとしては、GABAの恩恵を受けたい場合は夕方、リコピンの吸収率を高めたい場合は朝が良いでしょう。また、トマトジュースはあくまで補助的な食品であり、毎日の生活習慣の見直しや医師の指導に基づく治療が基本であることを理解し、体調に不調を感じた際は摂取を中止してください。
トマトジュースの「ストレート」と「濃縮還元」の違いは何ですか?
ストレートタイプは、収穫したトマトをそのまま搾汁し、殺菌処理をして容器に詰めたもので、トマト本来の風味や味わいを堪能できますが、価格はやや高めです。それに対し、濃縮還元タイプは、一旦トマト果汁の水分を蒸発させて濃縮し、後から水分を加えて元の濃度に戻したもので、低コストで安定供給が可能ですが、製造過程で一部の栄養成分や風味が失われることがあります。













