四角豆とは?知られざる栄養と家庭で楽しむ絶品レシピ
四角いフォルムが特徴的な「四角豆」。鮮やかな緑色と独特の形状は、食卓を彩るアクセントとして注目されています。栄養価も高く、美容と健康を意識する方にもおすすめの食材です。この記事では、四角豆の知られざる栄養価や、家庭で手軽に楽しめる絶品レシピをご紹介します。炒め物、和え物、天ぷらなど、様々な調理法で四角豆の魅力を最大限に引き出す方法を解説。四角豆をまだ試したことがない方も、ぜひこの機会に新しい味覚を発見してみませんか?

四角豆の魅力と本記事について

独特な形状をした「四角豆」という野菜をご存知でしょうか。別名うりずん豆とも呼ばれ、若い莢を食用とするマメ科の植物です。その鮮やかな緑色と特徴的な四角い形は目を引き、一度見たら忘れられないかもしれません。しかし、一般的なスーパーではあまり見かけないため、まだ口にしたことがないという方もいらっしゃるかもしれません。本記事では、このユニークな野菜、四角豆について、詳細な情報はもちろん、ご家庭で手軽にできる下処理の方法、鮮度を長持ちさせる保存方法、そして様々な調理方法までを詳しく解説していきます。記事の後半では、四角豆本来の美味しさを存分に味わえる多様なレシピもご紹介します。もし四角豆を手に入れたものの、調理方法がわからず困っているという方は、ぜひこの記事を参考にして、食卓に彩り豊かな一品を加えてみてはいかがでしょうか。

四角豆の基本情報:特徴、名前の由来、旬と産地

四角豆は、マメ科シカクマメ属に分類される植物で、学術的には「Psophocarpus tetragonolobus」という名前で知られています。最大の特徴は、その名の通り、莢の断面が四角形をしていることです。四方に伸びるひだはまるで翼のようにも見え、英語では「winged bean(翼豆)」とも呼ばれます。このユニークな形状に加え、シャキシャキとした食感が特徴的な野菜です。原産地は熱帯アジアやアフリカなどの温暖な地域で、日本へは1960年代後半頃に沖縄県に導入されました。以来、沖縄では夏場の貴重な野菜として広く栽培され、親しまれています。食用とするのは、さやえんどうのように未熟な若い莢の部分です。名前には「豆」とついていますが、中の豆(種子)はまだ成熟していないため、莢ごと調理するのが一般的です。味は、ほんのりとした苦味を感じることもありますが、基本的にはクセがなく、あっさりとしています。そのため、和え物、炒め物、天ぷらなど、様々な料理に活用できるのが魅力です。また、鮮やかな緑色が料理に彩りを添えてくれるのも嬉しいポイントです。美味しく食べられる四角豆を選ぶ際は、莢の長さが10~15cm程度のものがおすすめです。成長しすぎると莢が硬くなってしまうため、購入時の参考にしてみてください。

四角豆の名前の由来と別称

四角豆という名前は、その莢の断面が四角形であるという、見た目の特徴に由来しています。この特徴的な形状が、名前の由来となっているのは一目瞭然です。また、沖縄県では、四角豆は地元の方言で「シカクマーミ」と呼ばれるほか、「うりずん豆」や「ウリズン」という愛称でも親しまれています。「うりずん」という呼び名には、沖縄の美しい自然と深く結びついた由来があります。「うりずん」とは、旧暦の2〜3月頃、具体的には春分から梅雨入りまでの期間を指す沖縄の言葉で、「潤い初め(うるおいぞめ)」が語源とされています。この時期は、草木が芽吹き始め、自然が潤いに満ち溢れる季節です。四角豆の鮮やかな緑色が、この時期の自然の様子を連想させることから、「うりずん」という名前が付けられたと言われています。この地域に根ざした呼び名からも、四角豆が沖縄の文化や食生活に深く根付いていることがわかります。

四角豆の旬と主な産地

四角豆は温暖な気候を好むため、日本では主に沖縄県で栽培されています。露地栽培の場合、夏に生育が旺盛になり、早いものでは7月中旬頃から収穫が始まり、11月頃まで楽しむことができます。特に9月から10月にかけては収穫の最盛期を迎え、最も美味しい旬の時期となります。この時期は、夏の終わりから秋にかけて若い莢が実り始めるため、まさに食べ頃を迎えると言えるでしょう。近年では、沖縄県だけでなく、九州地方をはじめとする国内の様々な地域でも栽培されるようになり、その人気は広がりを見せています。また、その美しい緑色とユニークな形状から、家庭菜園でも注目を集めており、食用としてだけでなく、夏の日差しを遮るグリーンカーテンとして育て、可愛らしい花や特徴的な莢を観賞用として楽しむ人も増えています。

四角豆の鮮度を保つ保存方法:常温・冷凍の秘訣

四角豆を美味しく保つには、適切な保存方法が不可欠です。熱帯地域原産の野菜なので、低温には弱い性質があります。冷蔵保存すると低温障害を起こし、品質が劣化しやすいため、保存場所と方法に注意が必要です。

四角豆の常温保存

四角豆は、冷蔵庫に入れず、風通しの良い涼しい場所で保存するのが理想的です。乾燥を防ぐため、通気性の良い袋や新聞紙で包んで保存しましょう。常温での保存期間は約1週間ですが、できるだけ早く食べるように心がけましょう。購入後すぐに調理するか、適切な方法で早めに消費することが、四角豆本来の風味と食感を楽しむためのポイントです。

四角豆の冷凍保存

四角豆を長期間保存したい場合は、冷凍保存がおすすめです。冷凍する前に、沸騰したお湯で1〜2分ほど軽く茹でて、アクを取り除き、食感を保ちます。茹で上がったら冷水で冷やし、水気をしっかりと切ってから、冷凍保存用袋に入れて冷凍庫へ。冷凍した四角豆は、炒め物やスープなど、加熱調理する料理に凍ったまま加えることができます。下茹でしておくことで、解凍後の調理時間を短縮でき、手軽に色々な料理に活用できます。

四角豆の簡単で丁寧な下ごしらえ方法

四角豆は、独特の形状から下処理が難しそうに見えますが、実は簡単に準備できます。調理法によっては生のまま使用することもできますが、一般的には軽く茹でてから使うことで、アクが抜け、より美味しく仕上がります。ここでは、四角豆を安全に美味しくいただくための、茹でる場合の下処理方法を詳しく解説します。

  • 水洗い:まず、四角豆の表面についた土や汚れを、流水で優しく丁寧に洗い流します。
  • ヘタの処理:包丁で、四角豆の両端にあるヘタを切り落とします。こうすることで見た目が良くなるだけでなく、口当たりも滑らかになります。
  • 筋取り:四角豆の両側には、スナップエンドウのような筋があります。竹串や包丁の背を使って丁寧に筋を取り除きましょう。特に大きくなった四角豆は筋が硬い場合があるので、忘れずに処理してください。ただし、若い四角豆や筋が柔らかい場合は、この工程を省略しても大丈夫です。
  • 茹でる:鍋に水1リットルを入れ、沸騰したら塩を適量(四角豆100グラムに対し大さじ1が目安)加え、下処理をした四角豆を入れます。1〜2分茹で、茹で時間は四角豆の大きさや好みの硬さで調整してください。菜箸などで全体に火が均一に通るようにすると、ムラなく美味しく仕上がります。
  • 冷ます:茹で上がった四角豆は、すぐに冷水に浸して冷やし、鮮やかな色とシャキシャキとした食感をキープします。その後、ザルにあげて水気をよく切れば下処理完了です。お好みの長さにカットして、様々な料理に活用してください。

四角豆の多彩な味わい方:そのままから加熱まで

四角豆は、その特徴的な形状と食感に加え、莢はもちろん、花や葉、根まで余すところなく食せる貴重な野菜です。特に日本では、若い莢を食するのが一般的で、そのあっさりとした風味は、様々な料理でその個性を発揮します。調理方法を工夫することにより、生のシャキシャキとした食感から、加熱による旨味の引き出しまで、四角豆の奥深い美味しさを堪能できます。ここでは、四角豆をフレッシュな状態で食す場合と、加熱調理する場合に分け、それぞれの推奨される食べ方や調理のコツを詳しく解説します。

生のまま味わう

四角豆には毒性がなく、とりわけ柔らかい若い莢であれば、生のままでも美味しくいただけます。生の四角豆の魅力は、その独特のコリコリとした食感と、みずみずしい歯ごたえです。この食感を最大限に活かすには、サラダに加えるのが最適です。薄切りにして他の野菜と組み合わせれば、四角豆の鮮やかな緑色が料理に彩りを添え、見た目にも美しい一品に仕上がります。また、軽く塩もみして浅漬けにするのもおすすめです。塩もみによって四角豆特有のほのかな苦味が抑えられ、コリコリとした食感がより際立ち、箸休めやおつまみとしてもぴったりです。生食では、新鮮な四角豆ならではの風味と食感をダイレクトに味わうことができます。

加熱して味わう

四角豆は加熱することで、その繊細な風味とユニークな食感を活かし、幅広い料理に活用できる万能な食材へと変化します。シンプルな「おひたし」や「煮物」といった和食は勿論のこと、風味豊かな「中華風炒め」や、ハーブを効かせた「洋風ソテー」など、世界各国の料理にも無理なく調和します。調理のポイントとして、おひたしや和え物を作る際は、あらかじめ軽く茹でてから使うことで、アクが抜け、見た目も鮮やかに仕上がります。一方で、煮びたしや炒め物、天ぷらのように直接火を通す料理の場合は、生のまま調理することで四角豆本来の旨味や香りが引き立ちます。どの調理法においても共通して大切なのは、過加熱を避けることです。加熱しすぎると、四角豆特有の鮮やかな緑色やシャキシャキ、コリコリとした食感が損なわれてしまうため、短時間で手早く調理し、ほどよい歯ごたえを残すことが、美味しく仕上げる秘訣です。

四角豆のおすすめレシピ

四角豆の美味しさや様々な食べ方が分かったところで、ぜひご家庭でも四角豆を使った料理に挑戦してみてはいかがでしょう。ここでは、四角豆の魅力を余すところなく引き出すおすすめレシピを、ご紹介します。もしお近くのスーパーなどで四角豆が見つからない場合は、見た目や食感が似ているモロッコいんげんで代用することも可能ですので、気軽に試してみてください。

四角豆と塩昆布の和え物

あっという間に完成する、四角豆と塩昆布を使ったお手軽な和え物レシピです。調理時間はおよそ10分、材料費も200円程度と経済的なのが嬉しいポイント。四角豆のシャキシャキとした食感が楽しめるのが特徴です。淡泊な四角豆に、香ばしいごま油の風味が加わり、食欲をそそります。お好みでマヨネーズや醤油を少量加えることで、よりコクのある味わいにアレンジすることも可能です。一人分の栄養価は、エネルギー27kcal、炭水化物2.2g、脂質2g、たんぱく質1.2g、糖質0.9g、食塩相当量0.5gと、ヘルシーながらも満足できる一品です。以下に作り方を詳しくご紹介します。

材料【2人分】

  • 四角豆:4本(60g)
  • 塩昆布:大さじ1
  • ごま油:小さじ1

手順

1. 鍋にお湯を沸かし、塩(分量外:大さじ1)を加えます。四角豆を入れ、1分ほど茹でたら冷水にとり、しっかりと水気を切ります。ヘタを取り除き、1cm幅にカットします。
2. ボウルに四角豆、塩昆布、ごま油など、すべての材料を入れ、よく混ぜ合わせれば完成です。

四角豆の天ぷら

四角豆は、天ぷらにしても美味しくいただけます。揚げたてのサクサクとした衣と、四角豆独特のシャキシャキ、コリコリとした食感が絶妙にマッチし、素材の美味しさを存分に引き立てます。シンプルに塩を少しつけて味わうのが、四角豆本来の風味を楽しむための最もおすすめの食べ方です。調理時間は約15分、費用はおおよそ400円程度と、気軽に試せるのが魅力です。一人分の栄養成分は、エネルギー151kcal、炭水化物20.5g、脂質6.4g、たんぱく質3.1g、糖質18.6g、食塩相当量0.2gです。具体的な作り方は以下の通りです。

材料【2人分】

  • 四角豆:6本(80g)
  • サラダ油:適量
  • 塩:少々

☆衣
天ぷら粉:50g
冷水:70cc

手順

1. 四角豆の先端を切り落とし、斜めに半分にカットします。短いものであれば、そのまま調理しても構いません。
2. ボウルに、衣の材料(☆印)を入れ、よく混ぜ合わせます。
3. 鍋にサラダ油を注ぎ、170℃まで加熱します。四角豆を衣に軽く浸し、油に入れて揚げ色がつくまで揚げます。
4. 揚げ終わったら器に盛り付け、お好みで塩を添えてお召し上がりください。

まとめ

四角豆は、独特な四角い形状が特徴的な豆で、沖縄や東南アジアを中心に栽培されています。栄養価が非常に高く、ビタミンやミネラル、食物繊維を豊富に含んでいるため、健康的な食生活に役立つ食材として注目されています。若い莢だけでなく、葉や花、根も食用とすることができ、それぞれ異なる風味や食感を楽しむことができます。調理法も簡単で、炒め物や天ぷら、サラダなど、様々な料理に活用できます。店頭で見かけた際は、ぜひ味わってみてはいかがでしょうか。


四角豆はどのような野菜ですか?

四角豆は、学名「Psophocarpus tetragonolobus」で、マメ科シカクマメ属に分類される植物です。原産地は熱帯アジアやアフリカで、「シカクマメ」と呼ばれています。その名の通り、実の断面が特徴的な四角形をしており、四方に張り出したひだが翼のように見えることから、英語では「winged bean」とも呼ばれます。日本においては、1960年代後半頃から沖縄県で栽培が始まり、「うりずん豆」や「シカクマーミ」という名でも親しまれています。独特のコリコリ、シャキシャキとした食感が魅力です。

四角豆の旬はいつ頃ですか?

四角豆は主に沖縄県で栽培されており、露地栽培の場合、7月中旬頃から11月頃まで市場に出回ります。中でも、9月から10月にかけてが最も収穫量が多く、旬の時期と言えるでしょう。温暖な気候を好むため、夏の終わりから秋にかけてが、四角豆のおいしさが際立つ時期です。

四角豆の名前の由来は何ですか?

名前の由来は、言うまでもなく、実の断面が四角い形をしていることにあります。英語名の「winged bean」は、さやの四方に伸びるひだの部分が翼のように見える様子から名付けられました。沖縄での呼び名である「うりずん」は、旧暦2〜3月の春分から梅雨入り前を指す「潤い初め(うるおいぞめ)」という沖縄の方言が語源で、四角豆の鮮やかな緑色が新緑の季節を連想させることから名付けられたとされています。

四角豆はどの部分が食べられますか?

四角豆は、さやはもちろん、花や葉、そして根にあたる芋まで、余すところなく食べられるのが特徴です。しかし、日本で一般的に食用とされているのは、未熟な「さや」の部分です。さやごと調理して食べるのが一般的で、柔らかい若いさやは生でも美味しくいただけます。サラダや浅漬けにしたり、炒め物、和え物、天ぷらなど、加熱調理にも適しており、様々な料理に活用できます。

四角豆の下処理は面倒ですか?

四角豆の下処理は、実はとても手軽に行えます。基本として、最初に丁寧に水で洗い、へたを落としてから、さやの両側にある筋を竹串などを使って取り除きます(筋が気にならない場合は省略しても構いません)。その後、四角豆100gに対し、水1リットルと少量の塩を加え、沸騰したお湯で1分から2分ほど茹でます。茹で終えたら冷水に浸して冷まし、しっかりと水気を切れば下準備は完了です。生のままサラダや一部の炒め物に使用することも可能ですが、軽く茹でることで特有のえぐみが抜け、より美味しく食べられます。

四角豆はどのように保存すれば良いですか?

四角豆は暖かい地域で育つ野菜なので、冷蔵庫に入れるよりも、風通しの良い冷暗所で保存するのがおすすめです。乾燥しないように、通気性の良い保存袋や新聞紙などで包み、およそ1週間を目安に使い切るようにしましょう。長く保存したい場合は、さっと1分から2分ほど茹でてから冷水で冷やし、水気を十分に切って冷凍保存袋に入れて冷凍庫へ。冷凍した四角豆は、解凍せずにそのまま炒め物や汁物などに使うことができます。


うりずん豆四角豆