三大ブルーチーズとは
地中海地方を中心とした一部の地域で作られるブルーチーズは、ワインのように熟成期間が長く、独特の風味と香りが魅力的です。青カビが入ることで生み出される味わいは、チーズ好きならずとも一度は口にしてみたくなる逸品です。中でも代表的なブルーチーズの三種類、ロックフォール、ゴルゴンゾーラ、スティルトンについて、それぞれの特徴や楽しみ方をご紹介します。
ブルーチーズの特徴と世界三大ブルーチーズ
ブルーチーズは、独特の風味と香りが魅力の一品です。青カビが生み出す酵素がチーズの乳脂肪を分解することで、その特徴的な味わいが生まれるのです。強烈な香りやスパイシーな刺激、そして青カビならではの風味を存分に引き立てるため、塩分が控えめではありません。
世界に数多あるブルーチーズの中でも、「ロックフォール」「ゴルゴンゾーラ」「スティルトン」は、ブルーチーズの代表格と言えるでしょう。チーズ通なら一度は耳にしたことのある名前ばかりです。しかし、これら3種はそれぞれ異なる個性を持っています。青カビの広がり方を見ればよくわかる通り、ロックフォールの大理石模様、ゴルゴンゾーラのパセリ状、スティルトンの静脈状と、一目で見分けがつきます。
フランス生まれのロックフォールは、羊乳を原料に伝統の製法で作られる高貴なチーズです。シャルルマーニュ時代から愛されてきたと言われ、フランス初のAOチーズの地位を誇ります。繊細な味わいと芳醇な香り、ねっとり濃厚な旨味が特徴で、後味にかすかな甘みが広がります。
一方、イタリアを代表するゴルゴンゾーラは、アルプスの放牧地の牛乳から生まれます。クリーミーな「ドルチェ」と刺激的な「ピカンテ」の2種があり、前者はマイルドでチーズ初心者にも人気が高いでしょう。ブルーチーズの風味を生かしたピザやパスタソースとしても重宝されています。
そしてイギリス生まれのスティルトンは、牛乳を原料に伝統の技法で作られるブルーチーズです。他2種とは違い、青カビが繊細に広がり、色も黄色みを帯びた独特の風合いです。口に入れると濃厚な旨味とスパイシーな塩気が感じられ、やや苦みを伴う後味が品があります。
ブルーチーズに合うワイン
ブルーチーズの強烈な風味と濃厚な味わいは、ワインとの相性が抜群です。ブルーチーズに合うワインを選ぶ際のポイントは、チーズの個性的な風味を尊重しながら、ワインの味わいを引き立たせるバランスのとれたペアリングを見つけることです。
ブルーチーズの濃厚な味わいを受け止められる赤ワインがおすすめです。カベルネ・ソーヴィニヨンやシラーなど、完熟した果実味とスパイシーな香り、しっかりとしたタンニンを持つ赤ワインは、ブルーチーズの風味を際立たせます。
一方で、辛口の白ワインとのペアリングも見逃せません。サンセール、ソーヴィニヨン・ブラン、ドライ・リースリングなど、ブルーチーズの塩気や酸味を感じさせる白ワインを合わせると、お互いの味わいが際立ち合います。
さらに、甘口のワインとブルーチーズを組み合わせるのも美味しい選択肢です。デザートワインの芳醇な香りとフルーティな味わいは、ブルーチーズの塩気と見事にマッチします。
ブルーチーズは白カビチーズやハードタイプのチーズと比べ、特有の香りと塩味が強いため、ブルーチーズの個性に負けないように、軽めのタイプよりもやや重めのワインが合わせやすくなります。白ワインであれば酸味が穏やかでコクのある白ワイン、赤ワインは果実味豊かなしっかりとした味わいがおすすめです。
三大ブルーチーズとは まとめ
ブルーチーズは、その独特な風味と味わいから多くの人を魅了してきました。このチーズの代表格には、ロブション、ゴルゴンゾーラ、そしてスティルトン・チェダーの3種類があり、それぞれ異なる特徴を持っています。
フランス北西部の伝統製法で作られるロブションは、青かびによる芳香な香りと上品な酸味、クリーミーな舌触りが魅力です。一方、イタリア産のゴルゴンゾーラは強烈な青かび香とほろ苦い味わいが特徴的で、熟成期間が長いほど風味は濃厚になります。
そして、イギリス生まれのスティルトン・チェダーは、粘り気のあるテクスチャーと塩気のあるナッツ風味、まろやかながらしっかりとした存在感が王様の名にふさわしい逸品です。
ブルーチーズは種類によって風味や味わいに違いがあり、バラエティ豊かな種類から、チーズ初心者から上級者まで楽しめるチーズです。ワイン同様、単体ではなく数種を食べ比べることで、その特徴が理解できます。ワインとの組み合わせも、基本を知り、さらにご自身の嗜好に沿うことで無限に広がります。
濃厚なワインを求める季節に、ぜひブルーチーズを食べ比べてみてはいかがでしょうか。新たなワインの楽しみ方も発見できるかもしれません。
まとめ
ロックフォールはフランス産の王道ブルーチーズ。熟成により強烈な風味と独特の香りが特徴です。ゴルゴンゾーラはイタリア産で、青カビの量により味が変わります。スティルトンはイギリス産で、力強い風味と細かい穴が魅力的です。いずれも味わい深く、チーズやワインと合わせて愉しむのがおすすめです。ブルーチーズの魅力に触れ、新たな発見があることでしょう。