タイお茶(タイティー)とは
色とりどりな料理で知られるタイ料理の世界には、パンチの効いたスパイスから甘味まで、驚きのフレーバーがたくさんあります。そして、食事をスペシャルなものにするタイの一面と言えば、その豊かなドリンクカルチャーでしょう。その中でもタイお茶、通称タイティーは見逃せません。今回は、鮮やかなオレンジ色が特徴のこのタイティーについて、その歴史から作り方、楽しみ方まで詳しくご紹介していきます。
タイお茶(タイティー)とは
タイお茶(タイティー)の歴史
タイティーの美しい橙色と風味豊かな味わいがどれほど愛されているかはよく知られていますが、その起源や広まり方についてはあまり語られることはありません。そこで今回は、タイ国民並びに世界中の茶愛好家たちから支持されるタイティーの歴史について掘り下げてみましょう。
かつてタイの人々にお茶の習慣がなかったことを考えれば驚くべきことですが、タイティーの起源は19世紀、タイ南部のチャクリ王朝時代まで遡ることができます。この時代に、欧風の紅茶が一般的になり始めたのですが、その紅茶葉は当時、その高価さゆえに大衆には手が届かないものでした。そこで、アユタヤ時代に中国から導入された茶葉が、庶民に手に入りやすい一方で風味豊かな飲み物として普及するきっかけとなったのです。
原型となるタイティーは、約100年前のラマ6世の時代にスリランカから導入されたセイロンティーの葉、ミルク、氷を用いて初めて作られました。また、高価すぎて手の届かないセイロンティーの葉を大衆が手に入れられるようにするため、一部に噛み茶で使われるミヤンの葉を混ぜることで必要な量を増やす嵩増しも行われていました。
その後1940年代になると、老舗の茶屋「チャートゥラームー」が手頃な価格で美味しいタイティーを作り出すことに成功し、普及の大きな歩みを進めました。「チャートゥラームー」はタイ語で「手の印のお茶」を意味します。レトロ感あふれる手形のロゴから命名されたこの飲み物は、今もなおタイ国内外の多くの店舗で楽しむことができます。
現在では、その独特の美味しさと鮮やかな色合いにより、タイティーは世界中の飲み物愛好家から絶大な人気を誇っています。その歴史は、タイ社会の変遷や文化を映し出す貴重な鏡であり、その中にはタイの人々の工夫と粘り強さが見て取れます。
タイお茶(タイティー)の特徴
タイティーは独特なオレンジ色の発色と、個性的な香りが特徴的な飲み物です。これはタイ独自の製法により生まれており、色は一般的に天然の色素が用いられ、香りにもいくつかのスパイスが加えられています。
その源であるタイでは、「バイミャン」という特別な黒茶を厳選して用います。この茶を煎じ、砂糖やコンデンスミルクをたっぷりと加えることで、その豊潤な甘みとコクのある特徴的な味わいが引き立てられます。さらにタマリンド、アニス、ヴァニラなどの香りづけをすることもあり、これによりその独特の風味が深まるのです。
タイの暑さを逃れるためには冷たくして提供されることも多く、鮮烈なオレンジ色が目を引く一杯は、暑い日の一時の休息にぴったりの飲み物と言えます。その一方、その強い甘さとコクから、料理と一緒に楽しむ独自の味わいのアクセントとしても愛されています。
タイティーはその独特な風味から「タイの味」の象徴とも言えます。見た目から味わいまで、これぞタイのライフスタイルを体現する飲み物の一つといえるでしょう。タイ料理やタイの文化に触れてみたいとき、どうぞこのタイティーで味わいの旅を楽しんでみてください。
まとめ
タイの風味豊かな一杯を最大限に味わうため、タイティーの背後にある歴史や特徴を理解し、自宅で作る方法を学ぶことは価値があります。この記事を通じて、タイティーの調和のとれた甘さと風味を堪能し、タイのリッチなドリンクカルチャーに一歩近づけることを目指しています。挑戦してみませんか?