紅茶とスイーツの相性の良さには、ちゃんとした理由があります。紅茶に含まれる「タンニン」という成分には、油分をさっぱりと洗い流してくれる性質があります。スイーツを食べたあとの口の中を清涼に整えてくれることで、再びチョコレートを口にしたときにも、まるで初めて食べるかのような美味しさを感じられるのです。また、紅茶とチョコレートはどちらも産地や加工方法によって味や香りが大きく異なり、個性を楽しむ大人の嗜好品としても共通しています。奥深い風味と香りを持つふたつが組み合わさることで、味わいはさらに豊かに広がります。新鮮で雑味のないストレートティーを選べば、その相性の良さをさらに引き出すことができるでしょう。

チョコに合う紅茶にはどのような種類があるのでしょうか。詳しくご紹介します。

ミルクチョコレートやホワイトチョコレートに合う紅茶

まろやかでクリーミーな味わいが魅力のミルクチョコレートやホワイトチョコレートには、紅茶もコクのあるタイプがおすすめです。アッサムやケニアなどの力強い風味を持つ茶葉は、チョコレートの濃厚さに負けずにバランスよく調和します。ミルクティーにするのも一つの手ですが、あまりにもミルク感が強すぎると、しつこく感じられることも。紅茶にミルクを加えるかどうかは、チョコレートの種類や個人の好みによって判断するのがよいでしょう。また、ルフナやサバラガムワ、ウバといった個性豊かな茶葉も、ミルク系チョコとの相性が良いので、気分に合わせて選んでみるのもおすすめです。

ダークチョコレートや高カカオのチョコレートに合う紅茶

カカオ含有量が高く、ビターな風味が特徴のダークチョコレートには、深い味わいを持つ紅茶がぴったりです。アッサムのような濃厚な茶葉をミルクティーにして合わせると、チョコの苦味がまろやかに和らぎ、食べやすさが増します。一方で、ストレートティーとして楽しむなら、ウバやアールグレイのような香りや渋みが際立つ茶葉がおすすめです。ウバのほどよい渋みは、カカオの風味を一層引き立て、アールグレイの華やかな香りはチョコレートとの相乗効果で優雅なひとときを演出してくれます。チョコレートの個性と紅茶の個性が、互いに引き立て合う組み合わせを見つける楽しみも味わえます。

ナッツやフルーツを使ったチョコレートに合う紅茶

ナッツやフルーツを練り込んだチョコレートは、通常の板チョコよりも複雑な風味を持つため、それに合わせる紅茶選びもポイントになります。ナッツ系のチョコレートには、ダージリンのオータムナルがおすすめ。穏やかで甘みを感じるその風味が、ナッツの香ばしさと調和し、深みのある味わいになります。また、キャンディなどのまろやかな紅茶も相性が良く、優しい余韻が楽しめます。フルーツチョコレートの場合は、爽やかさのあるニルギリが好相性。柑橘系の風味にぴったりと寄り添い、口の中を軽やかに整えてくれます。ストロベリーやラズベリーなど甘酸っぱいフレーバーには、キームンやダージリン・セカンドフラッシュもおすすめ。紅茶の繊細な香りがフルーツの持つ甘酸っぱさと絶妙に重なり、上質なマリアージュを楽しめます。