春の訪れとともに店頭に並び始める甘夏は、その名の通り、甘さと爽やかな酸味が絶妙なバランスの柑橘です。夏みかんから生まれた品種で、ほどよい苦味がアクセントとなり、大人な味わいを楽しめます。旬の時期には、みずみずしい果肉をそのまま味わうのはもちろん、自家製ジャムやスイーツ作りにも最適。今回は、甘夏の魅力と旬の時期についてご紹介します。甘夏の爽やかな風味を、ぜひ食卓に取り入れてみませんか?
甘夏みかんとは?
甘夏は、ほどよい甘さと爽やかな酸味、そしてかすかな苦みが絶妙なバランスの柑橘類です。その起源は昭和初期、大分県の果樹園で発見された夏みかんの枝変わり種とされています。夏みかんよりも酸味が穏やかで甘みが強いため、幅広い世代に親しまれています。手頃な価格で購入できることも魅力で、生食はもちろん、自家製ジャムやピール、焼き菓子など、さまざまな用途で楽しむことができます。
味と糖度
甘夏は、酸味とほのかな苦みが特徴的な、すっきりとした甘さが魅力です。濃厚な甘さが特徴の温州みかんとは異なり、甘夏ならではの爽やかな甘さとわずかな苦みが、他にはない味わいを生み出しています。
香り
甘夏の魅力の一つは、その清々しい香りです。柑橘系の爽やかさが、気分をリフレッシュさせてくれます。
食感
甘夏の食感は、収穫時期によって変化します。シャキシャキとした食感がお好みなら、3月から5月上旬頃に収穫されたものがおすすめです。時期が進むにつれて果肉が柔らかくなり、よりジューシーな味わいを楽しめます。
大きさ・重さ・形
甘夏は、一般的な温州みかんの約2倍の大きさで、重さは300gから400g程度です。形は扁平な楕円形をしているものが多く見られます。葉は長さ5cmから10cm程度の楕円形で、先端が尖っているのが特徴です。
種
甘夏には、比較的大きめの種がたくさん含まれています。お召し上がりの際は、種を取り除いてからお楽しみください。
皮
甘夏の皮はしっかりとしており、手で剥くのは難しいかもしれません。無理に剥こうとすると、果肉を傷つけてしまうこともあります。厚い外皮が特徴で、みかんのように容易には剥けないことを覚えておきましょう。
栄養と成分
甘夏と一般的なみかんとの大きな違いは、皮の剥きやすさ、薄皮の扱い方、そして風味です。みかんは手軽に皮を剥いてそのまま食べられますが、甘夏は外皮が厚いためナイフを使うのが一般的で、薄皮も取り除いて食べるのがおすすめです。
甘夏みかんの旬な時期と食べ頃
甘夏は、早いものでは1月から市場に出回り始め、最盛期は4月から5月にかけてです。おおよそ6月頃までがシーズンとなります。旬の時期の甘夏は、果肉が引き締まっており、みずみずしい食感が特徴です。シーズン終盤の5月下旬頃からは、果肉が柔らかく、より濃厚な甘みとジューシーさを増した完熟タイプも楽しめます。より甘くジューシーな甘夏を求めるなら、この時期がおすすめです。また、お取り寄せの場合は4月~5月後半頃が中心で、期間限定で特に熟した甘夏を入手できることもあります。
甘夏みかんの主な産地と収穫量
甘夏の生産量で最も多いのは鹿児島県で、2019年のデータによると全国の約3割、約2283トンを占めています。次いで熊本県が約51%、愛媛県が約13%となっています。甘夏は昭和25年に品種登録され、昭和30年頃から愛媛県などを中心に栽培が広まりました。しかし、昭和40年代のグレープフルーツ輸入自由化の影響を受け、生産量・消費量ともに減少傾向となりましたが、現在でも根強い人気を誇り、栽培が続けられています。
甘夏の選び方
ここでは甘夏を選ぶ方法をご紹介します。
生産者のこだわりで選ぶ
農薬の使用を控えるなど、生産者の特別な栽培方法で育てられた甘夏を選ぶのも良い選択です。生産者の栽培に対する考え方やポリシーを確認することで、より安心して甘夏を味わうことができます。見た目が多少悪くても、味が非常に優れているものもあります。
値段で選ぶ
甘夏は、他の柑橘類と比較してお手頃な価格で購入できることが多いです。まとめて購入することで、さらにお得になる場合があります。たくさん使いたい場合は、まとめ買いを検討してみましょう。
甘夏みかんの美味しい食べ方
甘夏はその厚い外皮が特徴です。そのため、包丁を使って剥くのがおすすめです。まず、ヘタの部分を切り落とし、好みの数だけ縦方向に切り込みを入れます。その切り込みに沿って外皮を剥けば、果肉を綺麗に取り出すことができます。また、内皮も厚めなので、剥いてからお召し上がりください。甘夏は比較的大きいので、果物ナイフよりも包丁を使う方が安全かつスムーズに作業できます。
甘夏を使ったレシピ
甘夏をたくさんいただいたものの、そのままでは食べきれない…そんな時は、ジャムやマーマレードに加工するのがおすすめです。甘夏の爽やかな風味を生かした手作りジャムは、パンやヨーグルトにぴったりです。その他、甘夏マーマレードや甘夏ピールなど、色々なレシピに挑戦してみましょう。
甘夏みかんの保存方法
甘夏を長持ちさせるためには、風通しの良い場所で保存することが大切です。ダンボールに入れたままにしておくと、湿気がこもり、カビや腐りの原因になります。気温が上がりやすい4月〜5月は、できるだけ涼しい場所を選んで保管しましょう。もし、涼しい場所がない場合は、冷蔵庫の野菜室がおすすめです。乾燥を防ぐために、ラップや新聞紙で包んで保存すると、より長持ちします。目安としては、到着から2週間程度ですが、適切な保存方法であれば1ヶ月程度美味しくいただける場合もあります。
結び
甘夏は、その爽やかな甘さとほんのりとした苦み、そして手軽さから、春の訪れを感じさせる果物として多くの人に愛されています。この記事が、旬の時期に最高の甘夏を見つけ、色々な味わい方で楽しむための一助となれば幸いです。適切な保存方法を守れば、甘夏の美味しさをより長く堪能することができます。
質問1:甘夏の一番美味しい時期はいつですか?
回答:甘夏は、一般的に4月から5月にかけてが旬を迎えます。特に、5月下旬頃には、果肉が柔らかく、水分をたっぷり含んだ、より熟した甘夏が出回るのでおすすめです。
質問2:甘夏の皮を上手に剥くにはどうすればいいですか?
回答:甘夏の皮は厚く硬いため、包丁を使用するのがおすすめです。まず、ヘタの部分を切り落とし、縦に切り込みを入れてから剥くと、比較的きれいに剥くことができます。
質問3:甘夏を長持ちさせるための保存方法はありますか?
回答:甘夏を保存する際は、風通しの良い冷暗所を選び、乾燥を防ぐためにラップや新聞紙などで包んでおくのが効果的です。冷蔵庫の野菜室を利用するのも良いでしょう。