甘夏(甘夏みかん)の旬はいつ?甘夏みかんの特徴や選び方を紹介

春から初夏にかけて店頭に並ぶ「甘夏みかん」は、爽やかな酸味とほどよい甘さが特徴の人気の柑橘類です。見た目は夏みかんに似ていますが、実は改良品種で、酸味がまろやかになって食べやすくなっているのが特徴です。本記事では、そんな甘夏の名前の由来や旬の時期、選び方や保存方法、栄養価から美味しい食べ方まで、甘夏の魅力をたっぷりご紹介します。

甘夏みかんとは?特徴と名前の由来

甘夏、別名甘夏みかんは、日本生まれの柑橘系の果物で、爽やかな初夏の季節が旬です。正式な和名は「ナツダイダイ」と言います。夏みかんには、収穫せずに置いておくと、古い実と新しい実が同じ木に共存するという珍しい性質があり、この様子から「実りが代々続く」という意味を込めて名付けられたと言われています。

甘夏の旬はいつ?

甘夏の美味しい時期は、おおよそ3月中旬から5月上旬にかけてです。収穫時期は4月中旬から5月下旬頃で、初夏にかけて市場に出回ります。多くの柑橘類と同様に、秋に実が黄色く色づき始めますが、この時点ではまだ酸味が強いため、収穫せずに冬を越させ、じっくりと熟成させて酸味を和らげてから収穫を行います。

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甘夏と夏みかんの違い

甘夏は、実は夏みかんを改良して生まれた品種です。夏みかんに比べて酸味が穏やかで、より強い甘みが特徴です。そのため、一般的に甘夏の方が夏みかんよりも食べやすいと言われています。「夏みかん」という名前から、夏に収穫されるイメージがありますが、実際には春に収穫されます。これは、元々夏みかんも秋から冬にかけて収穫されていましたが、酸味が強すぎたため、収穫時期を遅らせたり、冬に収穫後に貯蔵したりすることで、酸味を抜き、甘みを引き出す工夫がされてきたためです。

美味しい甘夏の選び方

美味しい甘夏を選ぶためには、いくつかのポイントがあります。まず、全体の色が均一で、濃い黄色に色づいているかを確認しましょう。次に、表面に目立つ傷や変色がなく、果皮に張りがあるものを選びます。また、ヘタの部分が緑色で、乾燥して茶色くなっていないものが新鮮です。最後に、手に取った際にずっしりとした重みを感じるものは、果汁が豊富で美味しい可能性が高いです。これらの点に注意して選ぶことで、より甘くて美味しい甘夏に出会えるはずです。

甘夏の保存について

甘夏は、涼しくて空気がよく通る場所で保存するのがベストです。もし冷蔵庫に入れる場合は、乾燥しないようにビニール袋などに入れてください。保存できる期間はおおよそ1週間から2週間です。乾燥すると味が落ちて苦味が出てくることがあるので、注意が必要です。

甘夏の栄養と健康への影響

甘夏には、ビタミンCをはじめ、カリウムや葉酸といった体に良い成分がたくさん含まれています。これらの栄養素は、私たちの健康をサポートする様々な効果が期待されています。

ビタミンCの効果

ビタミンCは、体を酸化から守ったり、コラーゲンを作るのを助ける力があります。免疫力を高めたり、お肌を美しく保つ効果も期待できます。

葉酸の重要性

葉酸は、新しい細胞を作るために必要なDNAを作るのに欠かせない栄養素です。特に妊娠している方や、これから妊娠を考えている女性は、積極的に摂るように心がけましょう。

カリウム

カリウムは、体内の余分なナトリウムを体外へ排出するのを助ける働きがあり、塩分摂取量の調整に貢献します。血圧が高めの方にとって、その維持をサポートする効果も期待できます。

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甘夏のカロリー

甘夏のカロリーは、可食部100gあたりおよそ42kcalです。平均的な大きさの甘夏1個(約300g)あたりでは、およそ126kcalとなります。一方で、甘夏の缶詰は、100gあたり約80kcalと、生の甘夏よりもカロリーが高めです。これは、缶詰を製造する工程で糖分を加えることが多いためです。

甘夏の美味しい食べ方

甘夏は、そのまま味わうのはもちろん、工夫次第で色々な料理やデザートにもアレンジできます。

そのまま食べる

甘夏の皮は厚く、しっかりとしているため、ナイフで切れ目を入れてから剥くと、比較的スムーズに皮をむくことができます。また、内側の薄皮も硬めなので、取り除いてから食べるのがおすすめです。独特の甘酸っぱさと、はじけるような食感を堪能できます。

ジャム・マーマレード

甘夏の持ち味である風味を最大限に引き出したジャムやマーマレードは、朝食のパンやヨーグルト、デザートのアイスクリームなど、様々な食品との相性が抜群です。自家製であれば、甘さや苦味のバランスを自分の好みに合わせて調整できるのが魅力です。

スイーツ

甘夏は、ゼリーやケーキといったデザートの材料としても活用できます。そのさっぱりとした甘酸っぱさが、スイーツに爽やかなアクセントを加えてくれます。

料理

甘夏の酸味を効果的に利用して、自家製ポン酢やドレッシングを作るのもおすすめです。サラダに加えれば、爽やかな香りと食感が楽しめます。また、果汁を絞り、肉や魚をマリネする際の調味液として使用するのも良いでしょう。

結び

甘夏みかんは、さっぱりとした味わいと豊富な栄養素で、春から初夏にかけての食卓にぴったりの果物です。上手に保存すれば長く楽しむことができ、ジャムやデザート、料理のアクセントとしても活躍します。酸味と甘みのバランスが絶妙な甘夏を、ぜひ旬の時期に味わって、その美味しさを堪能してください。

夏みかんはどうして酸っぱいのでしょうか?

夏みかんは、早く収穫してしまうと酸味が際立ってしまいます。そのため、一般的には収穫せずに冬を越えさせ、時間をかけて熟成させることで酸味を和らげてから収穫されます。

夏みかんの皮は食べられますか?

夏みかんの皮は厚みがあり、独特の苦味があるため、生のまま食べるのは難しいかもしれません。しかし、マーマレードや砂糖漬け(ピール)などに加工することで美味しくいただくことができます。

夏みかんを長持ちさせるには、どのように保存すれば良いですか?

夏みかんは、風通しの良い冷暗所で常温保存するのが基本です。冷蔵庫に入れる場合は、乾燥を防ぐためにビニール袋などに入れて保存してください。保存期間の目安はおよそ1~2週間です。

夏みかん