すだち冷凍

すだちの爽やかな香りと酸味は、和食からデザートまで幅広い料理に様々な風味を加えてくれます。しかし、すだちは季節が限られているため、その魅力を一年中楽しむことは難しいものです。そこで注目されているのが、すだちの冷凍保存です。すだちを冷凍すれば、手軽にその風味を活かせるうえ、無駄にすることなく長期保存も可能になります。今回は、すだちを冷凍する方法と、冷凍すだちを使った料理の紹介をしていきましょう。

すだちとは

すだちは、ミカン科ユズ属の落葉低木の実であり、南西諸島で栽培されています。沖縄の料理では欠かせない存在で、代表的な香り付けとして使われています。小ぶりのレモンのような外観ですが、皮は薄く粗面で青緑がかった黄色をしています。 すだちの魅力は、爽やかな香りと心地よい酸味のバランスにあります。ほのかな苦みがあり、料理に加えると新鮮な風味が楽しめます。しかし、レモンほど強くはなく、さっぱりとした味わいを演出します。すだちの果汁は生で料理に使われますが、皮の部分にも香りがあり、お浸しやおでんの薬味としても活用されます。ポン酢やドレッシング、お酢などの調味料にも利用され、夏バテ予防にも適しているとされる栄養価の高い食材です。

すだちの保存方法は冷蔵または冷凍の二択!

すだちは柑橘類の中でも最も香り高く、独特の風味を持つ果実です。しかし、生のすだちは傷みやすく、長期間の保存が難しいことが課題でした。そこで、すだちの鮮度を長持ちさせる保存方法として、冷蔵または冷凍の2つの方法がおすすめされています。 すだちの正しい保存方法を知ることで、果皮を緑に保ち、鮮度のよい状態をキープすることができます。まずは冷蔵保存についてご紹介します。すだちを洗い、水分を拭き取り、ポリ袋に入れて冷蔵庫の野菜室(7〜8度が理想)に保存します。複数のすだちを保存する際は、2〜3個単位で分けて保存するのがよいでしょう。冷蔵保存であれば、約2週間程度は香りと風味を保つことができます。 一方、冷凍保存は長期保存に適しています。少量のすだちを保存する場合は、横半分にカットし、ラップを密着させて冷凍保存袋に入れます。解凍時は常温に5分ほど出しておけばOKです。たくさんのすだちを一気に冷凍する場合は、丸ごと冷凍保存袋に入れるのがおすすめです。使用時は凍ったまま皮をすりおろしたり、常温に戻してからカットして使用できます。果汁の保存は、小分けにして製氷皿などで冷凍するのが便利です。このように、冷凍すれば、半年以上も風味を損なうことなく保存できます。 適切な保存方法を選べば、一年中すだちの香り高い風味を楽しめます。保存方法に合わせて上手に活用しましょう。

皮が黄色くなってしまっても捨てないで!

すだちの魅力は、熟すにつれ変化する風味の楽しみ方にあります。緑色の頃は爽やかな酸味と香りを堪能できますが、黄色く熟してくると酸味は穏やかになり、まろやかな味わいを愉しめるようになります。熟したすだちは、しっかりした酸味を求める料理には不向きですが、まろやかな酸味がしょうゆとよく合い、なめらかなポン酢を作ることができます。このように、熟すにつれ表情を変えるすだちの魅力を、状況に合わせて存分に堪能することができるのです。捨てずに最後まで活用し、すだちの変化する味わいを楽しみましょう。

すだちのレシピをご紹介

香り高く爽やかな柑橘類、すだちを使った様々なレシピをご紹介します。すだちならではの風味と酸味が、和洋中様々な料理に彩りと味の アクセントを添えてくれます。 飲み物では、すだちとはちみつを合わせたジュースがおすすめ。すだちの爽やかな酸味とはちみつのまろやかな甘みが絶妙の味わいです。レンジで手軽にすだちジュースの素も作れます。すだちを使ったノンアルコールモヒート風のドリンクも清涼感があり、気分転換に最適です。 さらに、すだちを使った手作りポン酢は、緑色のすだちなら引き締まった味わい、黄色がかったものならマイルドな味わいに仕上がります。 鶏や魚介料理にもすだちは素晴らしい相性。鶏つくねすだち鍋は、仕上げにすだちを散らすので香り高く爽やか。さわらの幽庵焼きにすれば、すだちの香りが魚に移ります。鶏もも肉のすだち照り焼きは、すだちの酸味が新しい風味を生み出します。 そうめんやつけうどんにもすだちが映えます。すだちをたっぷり使った冷たいつけうどんや、そうめんにすだちを合わせると、さっぱりと爽やかな味わいが楽しめます。 デザートにもおすすめ。すだちのヨーグルトムースケーキは、ふんわりしながらすだちの酸味が口いっぱいに広がる美味しさです。 すだちの風味を堪能できるこれらのレシピを、ぜひお試しください。

正しく保存してすだちのおいしさをキープしよう!

すだちは柑橘の中でも非常にデリケートな存在です。しかし、適切に保存することで、その上品な香りと味わいを十分に楽しむことができます。まずは新鮮な実を選び、冷蔵庫の湿度の高い野菜室に保存することで、2週間程度はおいしさをキープできます。ラップなどで包んでおけば乾燥も防げます。さらに長期保存をしたい場合は、冷凍保存がおすすめ。使う分だけ解凍して生で料理に加えられるので非常に便利です。適切な保存方法さえ心得ておけば、すだちの爽やかな魅力を長く味わうことができるはずです。この機会に、すだち活用のレシピにもチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

まとめ

すだちの冷凍保存は、その爽やかな風味を通年で楽しめる優れた方法です。皮や果汁を分けて小分けにすることで、必要な量を使いきれます。冷凍すだちは、料理の隠し味やドレッシングに加えるだけで、さっぱりとした味わいが加わります。夏には冷たいすだち酢や冷やし中華に、冬はすだち風味の温かい鍋物に活用できます。ぜひ冷凍すだちの魅力を存分に味わってみてください。

すだち