旬のいちご

春から初夏にかけては、いちごがその甘く瑞々しい魅力を最大限に発揮する季節です。まるで真っ赤な宝石のように輝き、ひと口頬張れば口いっぱいに広がる甘酸っぱい風味は、子供から大人まで幅広く愛されています。この季節限定の瑞々しいいちごは、その艶やかさと芳醇な味わいで私たちの心を惹きつけます。今回は、いちごの旬とともに味わえる魅力について、より深く迫っていきます。いちご好きにはたまらない、春から初夏の楽しみを一緒に探ってみましょう。

いちごの真の季節は春から初夏にかけて

ビニールハウスを使用せずに栽培されるいちごは、通常4月から6月にかけて収穫されます。冬の間は休眠していたいちごが、春になると温度の上昇に応じて活動を再開し、花を咲かせた後に実を結ぶのが一般的なサイクルです。このような生態から、いちごの自然の旬は春から初夏にかけてとされています。俳句でも、「いちご」は夏の季語となっています。「いちごは冬の果物」というイメージを持っている方もいるかもしれません。実は、「いちごの旬は春~初夏」という認識は、主に屋外栽培が主流だった1960年代頃までは一般的でした。しかし、その後ハウス栽培技術の発展により、人工的に春の環境を再現することが可能になり、いちごが11月から12月にかけて収穫できるようになりました。これは、クリスマスに合わせて高品質ないちごを供給するために開発された技術です。今では、いちごは冬から初夏にかけて長期間楽しむことができる果物となっています。

スーパーでいちごが見られるのは11月から5月まで

11月の中旬ごろから、スーパーに登場するいちごを目にすることができます。12月に入るとクリスマスの雰囲気が高まり、多くのスーパーでいちごが揃うようになります。1月からは出荷量が増加し、2月から4月が流通のピークとなります。地域差はありますが、5月ごろまでは主要産地からの出荷が続き、スーパーでの購入が可能です。しかし、6月になると産地からの出荷がほぼなくなり、スーパーでいちごを手に入れるのは難しくなります。国産いちごが再び市場に出回る11月までは、品薄の状況が続きます。この期間にはアメリカ産などの輸入いちごが市中に出回ることはあるものの、ケーキなど業務用として使われる場合が多く、一般のスーパーではあまり見かけません。

新鮮な味わいを楽しむ「夏秋いちご」の魅力とは?

「夏秋(かしゅう)いちご」は、夏から秋にかけて収穫される珍しいいちごで、その名に由来しています。これは、国内産のいちごがほとんど見られない6月から11月初旬に市場に出回り、輸入いちごの代わりとして期待されています。通常の秋から春に収穫されるいちごに比べて暑さに強く、「サマープリンセス」や「なつあかり」といった季節感あふれる名前の品種が揃っています。涼しい気候が特徴の北海道、東北地方、長野県などが主要な生産地です。

地域ごとに異なるいちご狩りの最適な季節

新鮮な苺を味わえるいちご狩りのベストシーズンは、地域によって異なります。東北から九州にかけての一般的ないちご狩りの時期は1月から5月で、特に1月から3月がピークとされています。涼しい東北や北陸の地域では、6月までいちご狩りを楽しむことができる場所もあります。寒い冬にしっかりと実った甘い苺や、春以降の柔らかくジューシーな苺など、季節ごとの新鮮な美味しさを堪能できます。北海道の気候では、6月から7月がいちご狩りの一般的な期間です。他の地域に比べて短いため、見逃さないように注意してください。

まとめ

今やいちごは、かつては春から初夏にかけての旬の味覚でしたが、今ではクリスマスの前から初夏まで、長い期間にわたって楽しむことができるようになりました。品種や産地によってそれぞれの味わいが異なるため、いくつかを試して自分好みのいちごを見つけてみてはいかがでしょうか。

いちご