角餅とは
日本の伝統的な和菓子の中には、その素朴な風味が心と舌を満たしてくれるものが数多く存在します。そんな中でも、一部地方で親しまれ続けている固有の菓子があります。その一つが「角餅」です。「角餅」とはいったい何なのでしょうか。そもそもその名前を耳にしたことがあるでしょうか。また、手作りする際のコツはあるのでしょうか。本記事では、「角餅」について詳しく解説していきます。
丸餅と角餅の違いとは
日本の伝統的なスイーツであるお餅は、大まかに「角餅」と「丸餅」の2つの形状に分類されます。特に丸餅は祝い事や年末の餅つきなどで用いられ、その丸い形は円満な人生を象徴し、新年の始まりや各種の祝いに重宝されています。
一方で、角餅はお正月の雑煮などでよく目にします。この四角い餅は宮廷での使用から広まり、伝統的に神聖視されてきました。地域による嗜好の違いも見受けられ、たとえば角餅は主に東日本で使われ、一方の丸餅は西日本で多く用いられてきました。
けれども、これらのお餅は形状だけでなく、食感や風味にも違いがあります。丸餅はシンプルで素朴な美味しさが魅力の一方、角餅の四角い断面は独特の噛みごたえを提供します。大量に作るために伸ばして切る角餅は、その運搬の便利さから東日本へと伝播したと言われています。
形状の違いから派生するその用途や食感、風味の違いを理解することで、日本のお餅に対する理解が深まり、それぞれの特性を楽しむことができるでしょう。
角餅の由来
角餅の由来にはいくつかの説がありますが、代表的なものとしては、武士が戦に臨む前に「敵をのしてしまおう!」という願いを込めて、のし餅を四角く切り、縁起を担いで食べていたという説があります。四角い形が「角(つの)」に似ていることから、戦の勝利を祈願するための食べ物として広まったと言われています。
日本全国における、餅の形状の「分布エリア」
餅の形状の「分布エリア」について、日本では東西で違いが見られます。岐阜県の関ケ原辺りを境に、東日本では角餅が主流で、西日本では丸餅が多いとされています。岐阜県、福井県、石川県、三重県、和歌山県などでは、丸餅と角餅の両方が使われる地域もあります。
特に、山形県庄内地方は東日本に位置しながらも、丸餅を食べる珍しい地域として知られています。これは、北前船を通じて大阪や京都から伝わった文化の影響によると考えられています。
まとめ
角餅は、日本の餅文化の一部であり、その形状は地域によって異なります。日本全国では、岐阜県の関ケ原を境にして東西で餅の形状に違いが見られます。東日本では角餅が主流で、西日本では丸餅が一般的です。岐阜県、福井県、石川県、三重県、和歌山県などでは、丸餅と角餅の両方が使われる地域もあります。