シャーベット 由来

シャーベット 由来

シャーベット 由来

シャーベットは、古代ペルシャで生まれた、氷を使った伝統的な非常に甘い飲み物です。その名前は、アラビア語の「sharbat」に由来しており、「飲み物」を意味します。現代のシャーベットは、フルーツジュースや果肉、時には乳製品を使用した冷たいデザートになっています。このさわやかで爽やかなデザートの歴史は、長く、そして興味深いものがあります。

シャーベットの起源・由来は?

シャーベットは、東西文化の交流から誕生した魅力的な氷菓です。その起源は12世紀頃のアラブに遡り、フルーツの果汁に氷を加えた「シャラバ」と呼ばれる飲み物がルーツとされています。一方、中世のシチリアではレモンを加え固め氷状にしたものが、ヨーロッパで最初のシャーベットだったと言われています。
18世紀に入るとフランス料理の発達に伴い、シャーベットの技術が向上。さらに乳製品を加えるなど多様な風味が生まれました。一方、トルコのシェルベットは蜂蜜や香辛料、花の香りを利かせた色鮮やかな冷たい飲み物として、オスマン帝国時代から親しまれてきました。ザクロやバラ、ジャスミンなど、数百種類ものバリエーションがあったと言われています。
こうした東西の文化が出会う中で、シャーベットは進化を遂げてきました。アラビア語の「シャラバ(飲む)」に由来する名前は、スパイスの香りと甘美な味わいを伝えています。シャーベットは異なる地域の伝統が融合した、格別の魅力を持つ涼菓子なのです。
シャーベット 由来

シャーベット(sherbet)の歴史

シャーベットは、古くからアラビア地域で愛されてきた飲み物です。元々は、果物の搾り汁を氷水で冷やした清涼飲料として楽しまれ、消化を助けたり体を冷やすなどの効能があると考えられていました。「千夜一夜物語」にも記述があり、身分の高い人々にも振る舞われる格式ある飲み物でした。
9世紀にはペルシャから中国へと伝わり、元の皇帝クビライハンも果汁に砂糖を加えた「舎里八」と呼ばれる飲み物を愛飲していたと言われています。その後、シルクロードを通ってアラビア地域からオスマン帝国へと広まりました。オスマン時代には皇帝の子が生まれるなど特別な機会に、金や銀の器に盛られシェルベットが振る舞われる習慣がありました。
ヨーロッパへは16世紀にイタリアで伝わり、やがてシャーベットやソルベという名で親しまれるようになりました。現代に至っては、アメリカなど世界各地に広まり、夏の定番デザートとして多様な味わいが楽しめる氷菓子へと変容を遂げました。祝祭的な意味合いを持ちつつ、製法の進化によりさっぱりとした爽やかな風味が愛される一品となっています。
シャーベット 由来

シャーベットのルーツ!シェルベットのレシピ

シャーベットは、実はイスラム世界に由来する伝統的な冷菓です。その語源はペルシア語の「シャルバット」で、"冷たい飲み物"を意味します。9世紀頃にはアラブ世界で広く親しまれており、後にイタリアなど地中海沿岸地域へと伝わりました。
日本では明治時代に渡来し、当初は高級な贅沢品として扱われていました。しかし、冷蔵技術の進歩によりお手頃な価格となり、庶民の間にも広く普及していきました。
シャーベットは水や果汁を氷点下で凍らせた、なめらかで軽やかな口当たりが特徴です。夏バテ対策のデザートとしてだけでなく、お料理のあえがけやドリンクとしても重宝されるでしょう。ベーシックな基本の作り方はシンプルですが、お好みでさまざまなアレンジを楽しめます。暑い夏を乗り切る絶品スイーツ、ぜひお家でもお試しください。
現在は直ぐにジュースや炭酸飲料など手軽に冷たい飲み物が手に入る為、通常あまり家庭では作ることはありませんが、ここで二つ代表的なシェルベットの作り方をご紹介します。
「Sirkecubin Serbeti(スィルケジュブン・シェルベット)」の作り方
歴史が古く、オスマン帝国時代の宮殿でも一番飲まれていたリンゴ酢のシェルベットです。
★材料(5杯分)★
・水1リットル
・リンゴ酢200ミリリットル
・蜂蜜 大さじ1.5杯
★作り方★
① 水は常温でリンゴ酢と蜂蜜を入れて、蜂蜜が溶けきるまで良くかき混ぜる。
② お好みで冷やしてお召し上がりください。
効能:滋養、血を綺麗にする、熱を下げると信じられています。
「Gül Serbeti(ギュル・シェルベット)」の作り方
皇帝のお気に入りバラのシェルベット。魚料理の後には必ずこれを振舞ったと言われます。
《材料(8杯分)》
1)シロップ:バラの花びら(赤かピンク) 250g、グラニュー糖 250g
2)砂糖水:上記1)で抽出したシロップ、水 800ml、砂糖 大さじ1.5、レモン汁 レモン半分
《作り方》
1)シロップ作り
① バラの白い部分を切り取り良く洗い、水を切る。
② 良く乾かしたバラの花に砂糖をふりかけ、10〜15分砂糖が溶けきるまで よく揉みこむ。手にバラの色が染みつかないように素手ではなく手袋をつけて行ってください。
③ 密封できる容器に入れて冷蔵庫で10〜12時間寝かせる。
④ ガーゼの布等きめの細かい物の上に置き、木べらで

簡単!基本のシャーベットの作り方

ここからは、手軽に作れる本格的なシャーベットの作り方をご紹介します。
《材料(2人分)》
・お好みの果物(オレンジ、グレープフルーツ、イチゴなど) 200g
・砂糖 大さじ2~3
・お酒やハーブ(オプション)
《作り方》
①果物は皮をむき、みじん切りにした後、裏ごしするかミキサーで滑らかなピューレ状にします。
②ピューレに砂糖を加え、よく混ぜ合わせます。お酒やハーブを加えるなら、この時点で入れましょう。
③密閉できる容器に入れ、冷凍庫で一晩以上冷やします。時々かき混ぜると、粒が残りません。
④半凍結状態になったら、ボウルに移してハンドミキサーで滑らかに泡立てます。
⑤お好みで新鮮な果物を散らせば、見た目も華やかな仕上がりになります。
素材の風味を生かしながら、なめらかでさっぱりとした本格シャーベットが簡単に作れます。ぜひお試しください。

シャーベットとアイスクリームの違い|日本での定義は?

シャーベットとアイスクリームの違いは、原材料と製法にあります。日本では、シャーベットは果物の果汁と砂糖を主原料とした氷菓であり、アイスクリームとは区別されます。一方、アイスクリームは乳製品を主原料とし、一定量以上の乳脂肪分が含まれている必要があります。
シャーベットは軽い食感と爽やかな味わいが特長で、暑い日の喉越しを潤すのに適しています。また、様々な果物の風味を楽しめるのも魅力です。対してアイスクリームは、濃厚なミルクの風味とコクがあり、ボリューム感のある食べ応えがあります。
近年では、シャーベットとアイスクリームを組み合わせたパフェなども人気を集めています。異なる食感と味わいを一度に味わえるため、夏のデザートとして定番メニューになっているのです。
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世界のシャーベット・氷菓

夏の日射しを避けるため、世界各地で独自の氷菓文化が育まれてきました。冷たくさわやかな一口が、暑さに参った私たちを癒してくれる贅沢な味覚体験となっています。
フランス料理においては、シャーベット「ソルベ」がメインの肉魚料理の間に提供されます。すっきりした甘酸っぱさで食欲を刺激し、次の料理への橋渡しを担います。一方のグラニテは、よりザクザクとした粗い氷の食感が特徴です。
イタリアの「グラニータ」はグラニテの起源で、朝食のパンに合わせて愛されています。英国の「シャーベット」は炭酸を含むパウダー飲料を指し、イタリアの「ジェラート」は乳製品を使った濃厚な氷菓です。
トルコの伸びるアイス「ドンドゥルマ」には、グルコマンナンが独特の粘り気を与えています。受け渡し時のショーも魅力的です。一方の日本では、江戸時代から親しまれてきた「かき氷」がありますが、近年では「フラッペ」や「フラペチーノ」といった新しいスタイルも人気を博しています。

まとめ

シャーベットは長い歴史を持つ飲み物から進化した、味わい深いデザートです。中東発祥の冷たい飲み物が、ヨーロッパを経由し、フルーツの恵みを加えて現代のシャーベットに姿を変えました。爽やかな酸味と甘み、そして柔らかな食感は、暑い日の喉越しを潤すだけでなく、幅広い料理との相性も魅力です。歴史に裏打ちされた味わいは、シャーベットの魅力を際立たせています。