紫月じゃがいも：食卓を彩る、育てやすい紫色の珍しいジャガイモ

食卓にサプライズを届けたいあなたへ。「紫月（しづき）」は、紫色が鮮やかな、ちょっと珍しいジャガイモです。外見の美しさだけでなく、味も従来のジャガイモに引けを取らない美味しさ。しかも、家庭菜園でも気軽に育てられる丈夫さを兼ね備えています。この記事では、紫月の魅力と育て方のコツをたっぷりご紹介。いつもの料理に彩りを添え、食卓を華やかに演出してみませんか？

「紫月（しづき）じゃがいも」は、農研機構によって開発された、紫色の皮とほんのり黄色い果肉を持つじゃがいもです。味は従来のじゃがいもと遜色なく、育てやすいのが魅力です。家庭菜園でも手間なく育てられ、食卓を華やかにする個性的な品種として人気を集めています。

紫月じゃがいもは、北海道農業試験場（現在の国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構）が1992年に「長崎紫」に別の品種の花粉を交配して育成しました。2000年より選抜と生産力検定試験を重ね、2012年に種苗法に基づく登録出願を行い、2013年に品種登録されました。本格的な一般栽培は平成27年度から開始されています。系統名は「北海100号」、系統番号は「勝系14号」です。丸い形状と淡い黄色の肉色から満月を連想させ、紫色の皮の色合いからその名が付けられました。

紫月じゃがいものイモは、ほぼ球形に近い丸い形をしているものが多く、大きさは規格内（60～260g）で、「十勝こがね」と同程度です。見た目の大きな特徴は、鮮やかな紫色をした表皮と、比較的浅く少ない目です。果肉の色は淡い黄色をしています。農林水産省の品種登録データベースによると、幼芽の根元部分のアントシアニン色素が濃く、イモの皮の色が青みがかった紫色をしていることで、「十勝こがね」と見分けられます。また、花の内側の色の濃さが薄いこと、イモの肉の色が薄い黄色であることなどによって、「キタムラサキ」と区別されます。

紫月じゃがいもは、中心空洞や褐色心腐といった生理障害が発生しにくいため、家庭菜園でも比較的容易に育てることができます。連作を避け、日当たりの良い場所を選ぶことが大切です。適切な肥料と水やりをすることで、より高品質なじゃがいもを収穫することができます。

紫月は、しっとり感とほくほく感のバランスが取れた食感が特徴で、その甘みが際立つ美味しさが評価されています。果肉はややねっとりとしており、口当たりが非常に滑らかです。でんぷん含有量は、「十勝こがね」とほぼ同程度です。生産者の方の話によると、収穫直後よりも、ある程度の期間、貯蔵し熟成させることで、甘みが増し、より美味しくなるとのことです。これは、貯蔵中にじゃがいもに含まれるデンプンが糖に変化するためです。

紫月は、その美しい紫色と優れた風味、そして豊富な栄養分で、私たちの食生活をより豊かなものにしてくれる、素晴らしいじゃがいもです。比較的育てやすいことから、家庭菜園での栽培にも適しており、食育の面でも貢献できます。ぜひ一度、紫月を味わってみて、その魅力を実感してください。そして、紫月を通して、食の喜びや大切さを改めて感じていただければと思います。紫月は、私たちの食卓の未来を明るく彩ってくれる、大きな可能性を秘めたじゃがいもと言えるでしょう。

紫月はどこで手に入れることができますか？

紫月をより美味しく調理するための秘訣はありますか？

紫月じゃがいもはお子様にも安心してお召し上がりいただけます。栽培方法や栄養価について気になる方もいらっしゃるかと思いますが、一般的なじゃがいもと同様に、適切に調理すれば問題ありません。紫色の色素成分であるアントシアニンは、抗酸化作用を持つポリフェノールの一種で、健康に良い影響を与えると考えられています。ただし、じゃがいも全般に言えることですが、芽の部分にはソラニンという天然毒素が含まれている可能性があるため、取り除いてから調理してください。小さなお子様には、特に念入りに皮をむき、柔らかく調理してあげると、より安心してお召し上がりいただけます。