さつまいも 赤い
さつまいもといえば、オレンジ色の太い根菜を思い浮かべる人が多いでしょう。しかし、実は赤い色のさつまいもも存在します。鮮やかな赤い外皮に包まれたこの珍しいさつまいもは、見た目の印象的な色合いだけでなく、栄養価の高さや独特の風味も魅力となっています。
さつまいもの中身・切り口が赤い・ピンク色…。食べられる?
さつまいもの断面が赤やピンク色になっているのは、品種や栽培環境によるアントシアニンという色素の蓄積が原因です。アントシアニンには抗酸化作用があり、健康に良いとされています。一方で、過剰な色素生成は、さつまいもの成長を阻害する可能性があります。
断面が部分的に赤やピンク色のさつまいもは、通常、栽培環境の変化が原因と考えられます。ただし、色の濃さによっては、味や食感が変わる可能性があります。ユニークな色合いを楽しめる範囲であれば、安全性に問題がなければ食べられます。一方、変色が著しい場合は、品質が低下している可能性もあるため、注意が必要です。
さつまいもの中身・切り口が赤い場合で食べられるのは?
さつまいもは、秋の味覚を代表する食材の一つです。個性的な見た目と風味が、食卓を彩る存在感を醸し出します。しかし、中身や切り口が赤く染まっている場合は注意が必要です。
さつまいもの中身や切り口が赤く変色するのは、酵素による酸化反応が原因とされています。空気に触れると酸化が進み、ポリフェノールの一種であるアントシアニンが溜まり、赤く変色するのです。
アントシアニンには抗酸化作用があり、変色自体は問題ありません。しかし、酸化が過度に進むと渋みが増し、美味しく食べられなくなる可能性があります。そのため、中が軽度に赤く変色しているならば食べられますが、強く変色している場合は加熱調理する方が賢明でしょう。さつまいもの良さを余すところなく堪能できるよう、適切に判断することが肝心です。
一方で、中身や切り口が元から赤やピンク色をしている品種のさつまいももあります。安納芋、紅娘、アヤコマチ、ハヤトイモなどがその代表例で、βカロテンという色素が豊富に含まれているためにこのような色合いになっています。βカロテンには抗酸化作用や心筋梗塞予防効果があり、このような品種のさつまいもは問題なく食べられます。切り口の色合いから品種を確認し、適切に対処することが大切なのです。
さつまいもの中身・切り口が赤い場合で食べられないのは?
さつまいもの中身や切り口が赤く変色している場合は、病気や虫害の影響を受けている可能性が高く、注意が必要です。この赤い変色は「心持病」と呼ばれるカビ病の症状で、ラリスリア菌が原因となっています。この菌は土壌に生息し、さつまいもの根に感染すると内部が赤く変色してしまうのです。
心持病に感染したさつまいもは、食べても直接的な健康被害はありませんが、変色部分にカビが増殖しているため風味が損なわれ、不味くなります。また、感染が進行すると次第に腐敗が進み、最終的には食べられなくなる恐れがあります。収穫時には病気や虫害の有無を確認し、赤く変色した個体は取り除くことをおすすめします。健全な個体のみを選別することで、おいしく安全なさつまいもを楽しめます。
さつまいもの中身・切り口の変色は他にある?
さつまいもの変色には様々な原因があり、その色や程度によって食べられるかどうかが変わってきます。以下がその詳細です。
①黒い変色
栄養素の酸化や低温障害、カビが原因で黒く変色することがあります。斑点状の黒い変色であれば、その部分を切り落とせば食べられます。しかし、全体が黒く変色していたり、カビが生えていたりする場合は食べるのは避けましょう。
②緑の変色
クロロゲン酸という栄養素が、アルカリ性の物質と反応して緑色に変色する場合があります。しかし、クロロゲン酸には抗酸化作用などの健康効果もあるため、安全に食べられます。
③白い変色
ヤラピンという栄養素が切り口から出て白く変色することがあります。ヤラピンには便秘解消効果もあり、変色しても問題なく食べられます。
④オレンジの変色
品種の特性でオレンジ色をしている場合と、カビが生えてオレンジ色に変色している場合があります。安納芋などの品種ならオレンジ色は安全ですが、一部分のみが変色している場合はカビの可能性があり避けましょう。
このように、変色の原因や程度によって食べられるかどうかが変わるため、見た目で判断するのは難しいです。しっかりと原因を確認し、安全性を考慮する必要があります。
さつまいもの中身・切り口の変色を防ぐ方法はある?
さつまいもは栄養価が高い一方で、切り口の変色が気になる食材です。しかし、適切な保存方法と下ごしらえを心がければ、その美しい色合いを維持することができます。
まずは収穫後の保存が重要です。皮をむいた状態のまま冷蔵庫に入れれば、酸化を遅らせる効果が期待できます。また、さつまいもを切る際も、すぐに水に浸して空気に触れる機会を減らすことで変色を抑えられます。食酢や塩を加えた水に浸しておけば、さらに酸化を防ぐ働きがあります。
一方で、変色を最小限に抑えるには、皮つきのままでさつまいもを茹でるのが最良の方法といえます。皮があれば空気に触れる面積が少なくなり、変色のリスクを大幅に下げることができます。茹でた後に皮をむけば、新鮮な色合いと風味を楽しめるはずです。
長期保存を考えている場合は、皮をむいた状態で塩をふりかけ、冷凍保存するのがおすすめです。こうした適切な手入れを行えば、さつまいもの魅力的な色合いを損なうことなく、栄養価の高い美味しさを余すところなく味わえるでしょう。
さつまいもの中身・切り口が赤いときは品種を確認しよう!
さつまいもの断面が赤い色をしていると、一見して腐敗しているように映るかもしれません。しかし、実はその赤い色は品種による違いなのです。代表的な赤いさつまいもとして、「ベニアズマ」や「ベニヅル」などがあげられます。この赤色は、ポリフェノールの一種であるアントシアニンに由来しています。アントシアニンには抗酸化作用があり、体に良い働きがあるとされています。
一方で、断面が緑色をしている「キクイモ」という品種もあり、さつまいもには様々な色合いの品種が存在します。この多様性こそが、さつまいもの魅力の一つと言えるでしょう。断面の色から食べられるかどうか判断するのは難しいため、産地や販売店に品種を確認するか、インターネットで調べることをおすすめします。新しい品種に出会えば、またひとつ新鮮な味わいを発見できるかもしれません。
まとめ
さつまいも赤の色素が豊富に含まれるアントシアニンという抗酸化作用のある成分が、健康的な食生活に役立ちます。また、甘みが強く、さつまいものうまみを存分に味わえる風味があり、焼き菓子や料理の彩りを鮮やかに演出してくれます。さつまいも赤は、普段のさつまいもとは一味違う魅力があり、ぜひ食卓に取り入れてみてはいかがでしょうか。