赤いじゃがいも図鑑:品種と特徴、おすすめレシピまで徹底解説

鮮やかな赤色が目を引く赤いじゃがいも。スーパーで見かける機会も増えましたが、普通のじゃがいもとどう違うのか気になっている方もいるのではないでしょうか。赤いじゃがいもは、皮だけでなく果肉もほんのり赤いものもあり、見た目の美しさだけでなく、食感や味わいも品種によって様々です。この記事では、赤いじゃがいもの代表的な品種をピックアップし、それぞれの特徴を徹底解説。さらに、各品種の特性を活かしたおすすめレシピもご紹介します。赤いじゃがいもの魅力を知って、食卓を彩り豊かにしてみませんか?

じゃがいもの基本的な分類と赤いじゃがいもの魅力

じゃがいもは、調理した時の特性によって大きく「粉質」と「粘質」の2つに分けられます。粉質のじゃがいもは、デンプンを多く含んでおり、加熱するとホクホクとした食感になり、煮崩れしやすいのが特徴です。代表的な品種としては男爵などがあり、マッシュポテト、コロッケ、フライドポテトなど、形が崩れても問題ない料理や、ホクホクとした食感を楽しみたい料理にとても良く合います。一方、粘質のじゃがいもは、デンプンの量が比較的少なく、水分が多いため、加熱しても煮崩れしにくく、しっとりとした滑らかな食感が特徴です。メークインなどがこれにあたり、肉じゃが、カレー、シチューなどの煮込み料理や、ポタージュのように形を保ちたい料理に最適です。赤いじゃがいもにも、この粉質・粘質の特性を持つものが様々あり、皮だけが赤いものから、果肉まで鮮やかな赤色をしているものまで、多くの種類があります。これらの個性豊かな品種を知ることで、料理の幅が広がり、じゃがいもの新たな魅力を発見できるでしょう。

皮が赤いじゃがいもの品種

ここでは、鮮やかな赤い皮が特徴的でありながら、中身は一般的なじゃがいもと似た色合いを持つ品種を紹介します。これらのじゃがいもは、見た目の美しさだけでなく、食感や風味もそれぞれ異なり、料理に彩りと奥深さを加えることができます。

アンデスレッド:特徴、見分け方、最適な食べ方

アンデスレッドは、丸くてゴツゴツした形が特徴的なじゃがいもで、「ネオデリシャス」という名前でも呼ばれています。皮は薄い赤色をしており、濡らすと赤みがより鮮やかになり、乾燥している時は少し白っぽく見えることがあります。切ってみると、中身は明るく鮮やかな黄色をしており、一般的に売られている男爵やメークインなどと比べても黄色が強いのが特徴です。さらにアンデスレッドの大きな特徴として、果肉の中に赤紫色の斑点や模様が見られることが挙げられます。これは品種によるもので、品質には問題ありません。様々なじゃがいもを試したことがありますが、このような鮮やかな色の果肉は珍しく、初めて見た時は驚きました。皮が赤いじゃがいもにはベニアカリという品種もありますが、アンデスレッドとは異なり、ベニアカリの果肉には赤い模様はなく、色もアンデスレッドほど濃くありません。アンデスレッドは年に2回旬があり、主に4月~6月と9月~12月に収穫されます。

ポテトサラダやマッシュポテトへの高い適性:ふんわりとした食感の魅力

アンデスレッドの粉質で煮崩れしやすいという性質は、調理方法によっては大きなメリットになり得ます。特に、ポテトサラダ、コロッケ、マッシュポテトなど、じゃがいもを潰して使う料理には非常に適しています。 以前、粉ふきいもで失敗したじゃがいもをポテトサラダにしてみたところ、アンデスレッドの特性が存分に発揮されました。潰したじゃがいもは、ねっとり感がなく、非常にふんわりとした軽い口当たりに仕上がります。食感はほろほろとしており、舌触りもなめらかで、粉質じゃがいもの代表格である男爵いもと比べても、アンデスレッドの方がより粉質が強いと感じられます。 シンプルにマヨネーズと塩だけで味付けしても、そのふんわりとした食感が損なわれることなく、とても美味しく仕上がります。きゅうりやハム、卵などの具材を加えても、アンデスレッドならではのふんわりとしたポテトサラダを楽しむことができます。また、果肉の赤紫色の模様は、潰すとほとんど目立たなくなり、他の具材と混ぜ合わせることで全く気にならなくなるため、彩りを損ねる心配もありません。 これらの特徴から、アンデスレッドは、ふんわりと軽い食感のポテトサラダやマッシュポテト、そしてほくほくとしたコロッケを作るのに最適な品種と言えるでしょう。その特性を最大限に活用することで、いつもの食卓に、一味違ったじゃがいも料理の魅力を加えることができるはずです。

レッドムーン:煮物に適した万能赤じゃがいも

レッドムーンは、その名の通り美しい赤色を帯びたじゃがいもで、「赤メークイン」や「赤じゃが」とも呼ばれています。果肉は濃い黄色をしており、加熱するとさらに鮮やかな色合いになります。この品種の大きな特徴は、ねっとりとした食感と、他のじゃがいもに比べて煮崩れしにくいことです。煮崩れしにくい特性から、肉じゃがやシチュー、カレーなどの煮込み料理に最適で、形を保ったまま美味しく仕上がります。また、そのなめらかな食感は、ポタージュやスープにもよく合い、様々な料理で活躍します。レッドムーンの旬は夏、特に7月から8月にかけてであり、その時期には新鮮なものが多く出回ります。

じゃがいものクリームスープ

ねっとりとした独特の舌触りが魅力のレッドムーンは、口当たりの良いクリームスープに最適です。このレシピでは、じっくりとソテーすることで甘みを凝縮させた玉ねぎが、スープ全体に奥深い甘さとコクを加えます。ブレンダーを使うことで、手間をかけずに、なめらかで上品なクリームスープに仕上がり、レッドムーンならではのしっとりとした食感が際立つ、優しい味わいの逸品が完成します。

紅あかり:扱いやすさと汎用性が魅力の品種

紅あかりは、鮮やかな赤色の皮が特徴的なじゃがいもで、中身は白に近い色をしています。形は丸みを帯びた楕円形で、メークインほど長くはありません。この品種の特筆すべき点は、皮が剥きやすく、さらにカット後の変色が少ないという点です。肉質はやや粉質で、煮崩れしやすい部分もありますが、そのホクホク感と調理のしやすさから、様々な料理に活用できます。特に、マッシュポテトやコロッケ、いももちなど、形を気にせずじゃがいもを潰して使う料理に最適です。旬については明確な情報はありませんが、栽培地域によっては、初夏から秋頃にかけて収穫期を迎えるようです。

基本のマッシュポテト

茹でて潰したじゃがいもに、牛乳とバターを加えて丁寧に混ぜ合わせるだけで、クリーミーで風味豊かなマッシュポテトが完成します。変色しにくい性質を持つ紅あかりは、マッシュポテトの美しい色味を保つことができるため、この料理に非常に適しています。ホクホクとした食感が楽しめる紅あかりを使用することで、より本格的な味わいのマッシュポテトを手軽に作ることができます。

Image

チーズ入りいももち

ホクホクとした食感が特徴の紅あかりは、もちもちとした食感が楽しいチーズいももちにもぴったりです。このレシピでは電子レンジを使用するため、コンロが使えない時でも手軽に調理できるのが嬉しいポイントです。一口食べると中からとろけ出すチーズが、じゃがいもの自然な甘さとチーズの塩味と見事に調和し、後を引く美味しさです。お子様から大人まで、幅広い世代に喜ばれること間違いなしです。

アンデスレッド:甘さとホクホク感、煮崩れ防止の三拍子

アンデスレッドは、その名の通り、外皮が鮮やかな赤色を帯び、中身は加熱によってより濃い黄色に変化するじゃがいもです。特筆すべきは、そのバランスの取れた特徴で、口に入れると広がる自然な甘みと、心地よいホクホクとした食感が楽しめます。また、煮込んでも形が崩れにくいという点も大きな魅力です。これらの特性から、アンデスレッドは、素材の味を活かしつつ、形をきれいに保ちたい煮物やシチューなどの料理に最適です。加熱することで果肉の色味がより鮮やかになるため、食卓を華やかに演出する効果も期待できます。旬の時期は、秋から春にかけて、具体的には10月から翌年の4月頃までです。

和風ポトフ

様々な食材から出る旨味が凝縮された和風ポトフには、煮崩れしにくいアンデスレッドが最適です。時間をかけて煮込んでも形が崩れる心配がなく、じゃがいも本来の美味しさを存分に味わえます。大根や人参、ソーセージなど、他の具材との相性も抜群で、食卓を温かく彩ります。

赤皮じゃがいもの仲間たち:個性豊かな品種紹介

ここでは、外側の皮だけでなく、内部の果肉まで鮮やかな赤色やピンク色をしている、見た目にも華やかなじゃがいもをご紹介します。これらの品種は、その美しい色合いを活かした料理に特におすすめで、食卓に彩りとサプライズをもたらしてくれるでしょう。

ノーザンルビー:鮮やかなピンクが際立つ調理用ジャガイモ

ノーザンルビーは、外皮だけでなく内部まで美しいピンク色を帯びたジャガイモです。形状はメークインに似た細長い楕円形で、見た目はサツマイモを連想させます。皮が剥きやすく、煮崩れしにくいのが特徴です。特筆すべきは、加熱後もその鮮やかなピンク色が失われにくい点です。この特性を活かし、料理に彩りを添えるのに最適です。例えば、見た目も華やかなスープ、食欲をそそるポテトチップス、デザートなど、ピンク色をアクセントにしたい料理に最適です。旬は年に2回、春は4月から5月、秋は9月から11月です。

ドラゴンレッド:濃赤紫色の魅力、煮崩れしにくい品種

ドラゴンレッドは、ノーザンルビーよりもさらに赤みが強く、赤紫色に近い濃い色合いが特徴です。一般的なジャガイモに比べて小ぶりで、やや細長い楕円形をしています。果肉がしっかりしているため、煮崩れしにくく、長時間の加熱にも適しています。ノーザンルビーと同様に、加熱しても鮮やかな赤紫色が褪色しにくいため、色を活かした料理に最適です。特に、食卓を彩るスープの具材や、鮮やかな色彩を強調したいポテトチップスなどに適しています。旬は年に2回、秋から冬にかけての11月~3月と、初夏の5月~8月に収穫されます。

Image

まとめ

赤いジャガイモには、皮のみが赤い品種と、皮も果肉も赤い品種があり、それぞれ異なる特性を持っています。アンデスレッドのような皮が赤い品種は、ホクホクとした食感が魅力ですが、煮崩れしやすい性質を持つため、ポテトサラダやコロッケ、マッシュポテトなど、潰して使用する料理に最適です。煮物などには向かないため、調理方法を選ぶ必要があります。一方、レッドムーンやインカルージュは、皮が赤いものの煮崩れしにくい性質を持ち、煮物やポタージュ、おでんなどに適しており、料理に彩りと風味を加えます。ノーザンルビーやドラゴンレッドのような中身まで赤い品種は、加熱後も色が鮮やかに残るため、その色合いを活かしたスープやポテトチップス、お菓子など、見た目にも楽しい料理に最適です。赤いジャガイモは品種によって特徴や最適な調理法が大きく異なります。スーパーで見かける機会も増えてきたので、ぜひこれらの情報を参考に、それぞれの品種の魅力を引き出すレシピで、彩り豊かなジャガイモ料理を楽しんでみてください。

赤いジャガイモにはどんな種類がありますか?

赤いジャガイモには、皮のみが赤い品種と、皮も果肉も赤い品種が存在します。皮が赤い主な品種としては、アンデスレッド、レッドムーン、ベニアカリ、インカルージュなどが挙げられ、中身まで赤い品種としては、ノーザンルビーやドラゴンレッドなどがあります。

アンデスレッドの特徴とおすすめの調理法は?

アンデスレッドは、可愛らしい丸みを帯びたフォルムで、表面は鮮やかな赤色の皮で覆われています。カットすると、内側には目を引く明るい黄色の果肉が現れ、赤紫色の模様がアクセントになっていることもあります。特徴的なのは、そのホクホクとした食感で、加熱すると崩れやすい性質があります。このため、素材を潰して使うポテトサラダや、クリーミーなコロッケ、滑らかなマッシュポテトといった料理に最適です。

レッドムーンは煮込み料理に向いていますか?おすすめの料理は?

はい、レッドムーンは粘り気が強く、煮込んでも形が崩れにくいのが特徴です。そのため、じっくりと煮込む肉じゃがやシチュー、カレーなどの料理にぴったりです。また、その滑らかな舌触りを活かして、ポタージュスープにするのもおすすめです。煮崩れしにくいので、料理の見た目を美しく保ちたい場合にも適しています。

ノーザンルビーとドラゴンレッド、色の違いは?

ノーザンルビーは、皮だけでなく果肉も美しいピンク色をしているのが特徴です。形状はメークインに似た楕円形で、加熱後もその鮮やかなピンク色を保ちます。一方、ドラゴンレッドは、ノーザンルビーよりもさらに濃い赤色をしており、ほとんど赤紫色に近い色合いです。サイズは小ぶりで細長い楕円形をしており、こちらも加熱しても色落ちしにくいという特徴があります。

赤いじゃがいも、品種ごとの美味しい時期はいつ?

アンデスレッドは、春と秋の2回旬を迎えます。具体的には4月から6月、そして9月から12月です。レッドムーンは夏の7月から8月にかけてが旬です。インカルージュは、秋から冬にかけての10月頃から翌年の4月頃までが美味しい時期です。ノーザンルビーは、アンデスレッドと同様に、春と秋の年2回、4月から5月と9月から11月が旬となります。ドラゴンレッドも年2回旬があり、11月から3月と、5月から8月がおすすめです。ベニアカリに関しては、明確な旬の時期に関する情報は見当たりませんでした。

じゃがいも