フランスの定番料理、キッシュ。その美味しさを左右する重要な要素が、アパレイユと呼ばれる卵液です。この記事では、プロの料理家が長年の経験から培った、キッシュアパレイユの基本を徹底解説。シンプルながら奥深い、黄金比率の配合から、具材の旨味を引き立てるコツ、そしてレシピまで、あなたのキッシュをワンランクアップさせるテクニックを余すことなくお伝えします。基本をマスターすれば、様々な食材を使い、無限のバリエーションを楽しむことができるでしょう。さあ、今日からあなたも絶品キッシュを焼き上げましょう。
【基本】おいしいキッシュの作り方
今回は、手作りの生地から丁寧に仕上げる、本格的なキッシュのレシピをお届けします。アパレイユは、ベーコンと玉ねぎを使い、シンプルながらも奥深い味わいに。生地作りが少し大変だと感じる方は、市販のパイシートを活用しても美味しく作れます。
材料(18cmタルト型1台分)
キッシュの土台となるパートブリゼの材料です。薄力粉90g、強力粉10g(なければ薄力粉100gで代用可)。無塩バター50g、卵1個を2/3と1/3に分けます。牛乳20g、塩1g、砂糖1gをご用意ください。
アパレイユと具材
アパレイユの材料は、全卵1個、卵黄2個、牛乳80cc、生クリーム100g、塩小さじ1/4、こしょうとナツメグを少々。具材はベーコン50g、玉ねぎ小2個、グリエールチーズ100g(お好みのチーズやミックスチーズでも可)です。
パートブリゼ(生地)の作り方
まず、粉類を均一にするために、フードプロセッサーに粉、塩、砂糖を入れ、ダマがなくなるまで混ぜます。これでふるう手間が省けます。次に、角切りにしたバターと、溶き卵の2/3量を加え、再び撹拌します。フードプロセッサーの熱でバターが溶けるため、材料は常温でなくても大丈夫です。バターがポロポロになったら、牛乳を加えてなめらかになるまで混ぜ合わせます。混ぜすぎると生地が硬くなるため、バターが少し残る程度で止めましょう。フードプロセッサーがない場合は、ボウルで粉とバターをすり混ぜ、卵、塩、砂糖、牛乳を合わせたものを加えて、生地をまとめるように混ぜます。生地をラップで包み、冷蔵庫で3時間ほど休ませます。冷えた生地をめん棒で叩いてから、タルト型より少し大きくなるように伸ばします。めん棒がない場合は、ラップを敷いたワインボトルなどで代用できます。オーブンを170℃に予熱開始します。生地を型に敷き込み、フォークで穴を開けて、底が膨らまないようにします。この作業をピケといいます。生地を冷蔵庫で30分ほど冷やすと、さらに良いでしょう。クッキングシートを敷き、タルトストーン(なければ米や小豆)を敷き詰めて、170℃のオーブンで20分焼きます。焼き上がったらタルトストーンを取り除き、残りの卵1/3を刷毛で塗り、さらに10分焼けば、タルト生地の完成です。
アパレイユと具材の作り方
まずはアパレイユ作りから始めましょう。卵をボウルに割り入れ、塩を加えて混ぜ合わせます。先に塩を加えることで、卵がスムーズにほぐれるでしょう。次に、牛乳、生クリーム、こしょう、ナツメグを加えてよく混ぜたらアパレイユは完成です。漉すことで、より滑らかな仕上がりになります。次に具材の準備です。玉ねぎを薄くスライスし、ベーコンはお好みの大きさにカットします。今回はスライスベーコンを使用しました。フライパンにバターか油を少量熱し、玉ねぎとベーコンを炒めます。玉ねぎに綺麗な焼き色がついたら、具材の準備は完了です。
焼き方
まず、タルト生地に具材を配置し、次にチーズの半分と炒めた具材を重ねます。チーズは、上だけでなく下にも入れることで、アパレイユの水分が適切に蒸発し、キッシュが水っぽくなるのを防ぎます。アパレイユの7割を注ぎ、170℃のオーブンで20分間焼き上げます。次に、残りのアパレイユとチーズを加え、さらに20分焼きます。この2段階で焼くことで、キッシュの生焼けを防ぎます。焼き上がりは、表面に焼き色がつき、竹串を刺して濁った液体が出なければ完成です。もし焼き色が足りなければ、オーブンの温度を220℃程度まで上げて調整してください。焼き上がったキッシュを切り分け、お皿に盛り付ければ、温かくても冷めても美味しくいただけます。
おうちで楽しむ、手作りキッシュの魅力
手作りのキッシュは格別な味わいです。ぜひ、お好みの具材でオリジナルのキッシュを試してみてはいかがでしょうか。冷蔵庫にあるもので気軽に作れるのが魅力。具材やチーズに合わせて、アパレイユの塩加減を調整するのがポイントです。もし余ってしまっても、冷凍保存が可能です。パートブリゼも冷凍できるので、時間のある時に作り置きしておくと便利です。ご紹介したコツを参考に、ご家庭で美味しいキッシュを堪能してください。