片栗粉とは - スイーツモール

片栗粉とは

片栗粉とは

まろやかなとろみと豊富な栄養が魅力の食材、それが片栗粉です。日本料理に欠かせない存在である片栗粉ですが、その特性や利用方法、さらには由来まで、詳しく知らない方も多いのではないでしょうか。今回はそんな片栗粉の魅力を深掘りし、日々の料理がさらに楽しく、美味しくなるような情報をお届けします。

片栗粉とはどんな食材?

「片栗粉」は日本料理のスタープレイヤーとも言える食材で、主にとろみやつやをつける役割を果たします。その使用例は多岐に渡り、天ぷらの衣からスープ、炒め物、あんかけなどにも一役買っています。

片栗粉は、ユリ科の植物であるカタクリの根茎から取れるでんぷんです。カタクリは、日本の東北地方の野山に自生しています。片栗粉は、味も匂いもない白い粉末で、光沢があるのが特徴です。古くから、離乳食や病人食として利用されてきましたが、それだけでなく、様々な料理や菓子作りにも欠かせない材料として、広く親しまれています。

また、この粉の源泉は特有の香りも味も持たない「カタクリ」という植物。しかし、現代では大量生産を可能にするために、ジャガイモやトウモロコシを主に利用しています。
片栗粉の利点は、水分をすばやく吸収しとろみをつけることができる点です。その特性から、多くの料理に適応でき、ほとんど気づかれることなくレシピに溶け込みます。そのため、「脇役の力」を無駄なく生かし、主役である他の食材の特性を引き立てます。
ただし、加熱しすぎると独特のとろみが失われ、冷まして再加熱するととろみがさらに増すという特性を持っています。それらを料理に生かす方法を理解すれば、片栗粉を活用した料理のレベルを大幅に上げることが出来ます。
使い方次第で多彩な表現が可能な片栗粉は、家庭料理から高級和食まで、幅広く活躍します。そして、その使用法を理解すれば、あなたの料理も一段と洗練されることでしょう。

片栗粉と小麦粉の違い

小麦粉と片栗粉、似ているようで異なる特性を持っているこの二つの粉。どんな特徴があるのか見ていきましょう。
まず、それぞれの由来から見ていきます。小麦粉は自然と小麦から製粉され、種類によっては薄力粉や強力粉などといった品種が存在します。一方、片栗粉の主成分はでんぷんで、たんぱく質はほとんど含まれていません。
それぞれの特性を見ていくと、小麦粉はグルテンというたんぱく質を含むため、水を加えると粘り気が出てきます。そして、小麦本来の香りがするのも特徴です。一方の片栗粉は、香りがほとんどなく、そのため料理の風味を邪魔しません。
また、とろみをつけるために使われる特性も異なります。片栗粉は水と熱を加えることで糊化(コカ)現象が起こり、強いとろみを生み出します。この糊化現象は約60度で起こります。それに対して、小麦粉も糊化現象が起こりますが、その発生温度は約90度です。
また、片栗粉と小麦粉はそれぞれ異なる食感を作り出すことで、揚げ物などの料理に使われます。片栗粉を使うと、唐揚げなどにはカリッとした軽い食感が得られ、色は白っぽくなります。また、冷めてもベタつかないというメリットもあります。一方、小麦粉を使った揚げ物は、衣がサクサクで中はやわらかい食感になり、表面がきれいなきつね色に揚がるのが特徴です。
こうした違いを理解することで、より美味しい料理を作るための幅が広がります。それぞれの特性を活かしたレシピに挑戦してみてください。

片栗粉とコーンスターチの違い

日本料理には欠かせない片栗粉と、主に洋菓子作りや揚げ物に使用されるコーンスターチ。違いを理解して、それぞれの魅力を活かした料理を作るためにはどうすれば良いでしょうか。

まず、片栗粉は日本古来の製法で生まれた食材で、料理に強いとろみを加えることが可能です。加えて温度が下がるととろみが弱まる特徴があるため、温かいままいただく料理に最適です。

一方、コーンスターチはトウモロコシでんぷんを原料としており、とろみ付けの他にもスイーツや揚げ物の衣にも使われます。片栗粉よりもとろみが弱いため、温度が下がってもとろみが維持されます。この特性は、カスタードクリームやプリンなどの繊細なスイーツ作りに利用できます。

味についても異なります。片栗粉は原材料の風味が残っており、一方でコーンスターチは無味無臭で、他の食材の味を引き立てます。

また、コーンスターチであんかけなどに使うと透明感がなく白く濁るため、これも片栗粉との違いの一つです。

素材の特性を理解して料理に生かすことで、自家製の料理が一層美味しくなるでしょう。

片栗粉とは

片栗粉の保存方法

片栗粉の保存方法について正確な知識を持つことは料理の質を高めるために必要となります。片栗粉は湿度に弱く、適切な保存法を取らないと、固化やカビの発生といった問題が起こり得ます。

開封したら、高温 多湿を避けるために片栗粉を密閉容器に移し、直射日光が当たらない冷暗所で保存することが望ましいです。特に、湿度が高い場所やシンク下は避けてください。

湿度の高い季節には、ダニの発生を防ぐために冷蔵庫での保存が最適です。その際には、取り出した片栗粉を室内に置きっぱなしにするとカビが生える可能性があるので、使ったらすぐに冷蔵庫に戻すようにしてください。

片栗粉が固くなってしまったケースでも、水溶きして再度乾燥させれば再利用が可能です。それでも、湿気のためにカビが生えた片栗粉は、衛生上の理由から断念し、使用せず廃棄することを奨励します。

料理の品質を保つためには積極的な片栗粉の管理が不可欠です。適切な保存法を遵守すれば、常に新鮮な片栗粉を用いることができるでしょう。

片栗粉に含まれる栄養

片栗粉は、多くの日本料理に活用される一方で、その栄養情報はあまり語られません。この食材は、その主成分である炭水化物81.6gの大部分がでんぷんで占められています。これが体内に入るとブドウ糖に変換され、私たちの日常生活に必要なエネルギー、すなわち338カロリーを提供します。たんぱく質や脂質はそれぞれ0.1gと少なく、カロリーも適度な範囲に収まっているため、ダイエット中でも気軽に摂取できます。

しかしながら、片栗粉の栄養は主に炭水化物に偏っており、ビタミンやミネラルはほとんど含んでいません。例えば、炭水化物をエネルギーに変換するためにはビタミンB1が必要ですが、これは片栗粉には見当たらず、他の食品から補う必要があります。具体的には、ビタミンB1が豊富に含まれる豚肉、うなぎ、たらこ、いくら、鯛、大豆、えんどう豆、玄米といった食材と組み合わせて食べると良いでしょう。

全体として、片栗粉はエネルギー補給に理想的な食材ですが、バランスの良い栄養摂取を目指す場合には、他の食材と一緒に食べることが大切です。

片栗粉でとろみを上手につけるには?

料理に適切なとろみを加えるためには、特にあんかけやかきたま汁など、液状の素材を用いるときに3つの重要なポイントが存在します。

1.片栗粉を水で溶いておく

まず、素材に直接片栗粉を投入せず、その前に必ず片栗粉を水に溶かすことが基本となります。片栗粉と水の理想的な比率は1:2で、こうすることで片栗粉がダマになるリスクを減らせるでしょう。また、ダマを作りやすくするお湯ではなく、必ず冷水を片栗粉に混ぜ合わせることも重要です。

2.料理に水溶き片栗粉を少しずつ加える

次に、料理に対してとろみを加えるときには、一部分にだけ片栗粉が集まらないように注意しながら、水溶き片栗粉をゆっくりと分けて加えていくことが求められます。片栗粉が一箇所で塊になってしまうと、ダマが形成される原因になります。一方で、農作物をゆっくりと加えながら混ざると、ダマは阻止でき、美しく料理に万遍なく混ざるでしょう。

3.適切な加熱を行う

とろみをつけるためには、片栗粉が60度以上の温度に達するか、または片栗粉を入れてから最低1分以上加熱することが不可欠です。さらに、時間が経つととろみが減退してしまうため、食事を楽しむ直前にとろみを設けることをおすすめします。

これらのポイントを踏まえながら片栗粉でとろみを加える作業を行うと、料理の美味しさをより一層引き立てることに繋がります。この技術を生かして、さらに美味しい料理作りを楽しんでください。

片栗粉のおすすめレシピ

片栗粉を活用した甘酒スムージーとフライドチキン

片栗粉のもつ滑らかな口当たりと旨味を引き立てる特性を活かし、健康的な甘酒スムージーと外はサクサク内はジューシーなフライドチキンを作ります。

レシピ|甘酒スムージーとフライドチキン

【材料(2人分)】

甘酒…200ml

ヨーグルト…100g

バナナ…1本

氷…適量

片栗粉…大さじ2

水…大さじ2

鶏もも肉…200g

片栗粉…適量

塩・コショウ…適量

揚げ油…適量

【作り方】

①甘酒、ヨーグルト、バナナ、氷をミキサーに入れて混ぜる。

作り方①

②【①】に片栗粉を加えてさらに混ぜる。

作り方②

③鶏もも肉は一口サイズに切り、塩コショウする。片栗粉をまぶす。

作り方③

④鍋に油を入れ、中火で【③】を揚げる。表面がピンク色から白色に変われば完成。

作り方④

これらのレシピは、片栗粉の多目的性を活用した一例であり、その可能性は無限大です。片栗粉を試すことにより、日常の料理をさらにレベルアップできるでしょう。

まとめ

片栗粉の特性を活かす使い方やレシピ、さらにはその由来までを知ることで、いつもの料理が一段と美味しくなります。シンプルな食材ながら奥が深く、味わいも栄養も豊かな片栗粉。その使い方や知識を活かすことで、日々の食卓がさらに楽しく、豊かなものとなることでしょう。ご家庭でも、ぜひ片栗粉を活用した多彩なメニューを楽しんでみてください。