片栗粉とは

まろやかでろみと豊富な栄養が魅力の食材、それが片栗粉です。日本料理に欠かせない存在である片栗粉ですが、その特徴や利用方法、さらには由来まで、詳しくは知らない方も多いのではないでしょうか。今回はそんな片栗粉の魅力を深掘りし、日々の料理がさらに楽しく、美味しくなるような情報をお届けします。
片栗粉とはどんな食材ですか?
片栗粉と小麦粉の違い
片栗粉とコーンスターチの違い
片栗粉とコーンスターチはどちらもとろみづけに使われるでんぷんですが、原料と性質に違いがあります。コーンスターチはとうもろこし由来で、洋菓子やスープなどに利用されることが多く、冷めてもとろみが持続するという利点があります。そのため、プリンやカスタードクリームなど冷やして食べるデザートに適しています。一方、片栗粉はじゃがいも由来で、とろみは強力ですが、冷めると徐々に粘度が下がってしまいます。料理が温かいうちに食べるもの、たとえばあんかけ料理などに向いています。また、片栗粉で仕上げた料理は透明感のある仕上がりになるのに対し、コーンスターチはやや白濁するのも違いのひとつです。どちらもグルテンを含まない点は共通していますが、使い分けることで料理の完成度が高まります。

片栗粉の保存方法
片栗粉を長持ちさせるためには、正しい保存方法が欠かせません。開封後は湿気や臭いを吸いやすいため、密閉できる容器に移し替えて、直射日光の当たらない冷暗所に置いておくのが基本です。特に高温多湿な場所や、シンクの下など湿度の多い場所は避けましょう。また、夏場や湿気の多い時期は冷蔵庫での保存も有効です。冷蔵庫に入れることでダニの発生を抑えることができますが、取り出した後に常温に長時間放置してしまうと結露によって湿気を含み、カビの原因になることもあります。使用後はすぐに冷蔵庫に戻すように心がけましょう。未開封の状態であっても、賞味期限は確認し、早めに使い切るのが安心です。
片栗粉に含まれる栄養
片栗粉の主成分は炭水化物、特にでんぷんです。100gあたりのエネルギーは338kcalで、たんぱく質や脂質の含有量はごくわずかです。ミネラル分としてはカリウム、カルシウム、マグネシウム、リン、鉄などが含まれていますが、その量は多くありません。でんぷんは体内で分解されてブドウ糖に変わり、エネルギー源として活用されます。効率よくエネルギーを作るにはビタミンB1が必要不可欠で、豚肉や玄米、たらこ、大豆製品などビタミンB1が豊富な食材と組み合わせると効果的です。片栗粉自体は栄養価の面で見るとシンプルですが、エネルギー補給や調理の補助としては非常に優れた素材といえるでしょう。
片栗粉でとろみを上手につけるには?
料理に片栗粉でとろみをつける際には、3つのポイントを意識すると仕上がりが格段に良くなります。まず、片栗粉は必ず水で溶いてから使うのが基本です。目安としては片栗粉1に対し水2の割合で、水でよく溶かしましょう。お湯を使うとダマになりやすいので注意が必要です。次に、水溶き片栗粉を加える際は、鍋の中をよくかき混ぜながら少しずつ加えましょう。一気に加えると固まりができてしまい、なめらかなとろみが付きません。最後に重要なのは、加えた後にしっかり加熱することです。片栗粉は約60℃以上で糊化してとろみが出るため、加えたら最低でも1分は煮立たせましょう。また、とろみは時間が経つと徐々に緩くなる傾向があるため、仕上げは食べる直前に行うのがおすすめです。
片栗粉のおすすめレシピ
片栗粉を使ったレシピの中でも、優しい味わいの「かぼちゃのそぼろあんかけ」は家庭料理にぴったりの一品です。ほくほくに煮たかぼちゃに、鶏ひき肉のそぼろあんをとろりとかけた料理で、子どもから大人まで喜ばれます。そぼろあんにはだしや醤油の旨みが効いており、おろし生姜を加えれば風味が一段と引き立ちます。調理の際には、片栗粉でとろみをつける工程がポイントです。だし汁で肉を煮てから、水溶き片栗粉を加えて煮詰めることで、あんが食材によく絡みます。ご飯のおかずとしても、お弁当のおかずにもぴったりで、冷めてもおいしく食べられるのが魅力です。季節の野菜や他の根菜類を加えてアレンジしても楽しめる、汎用性の高いメニューです。
まとめ
片栗粉の特性を活かすや使い方レシピ、さらにその由来までを知ることで、いつもの料理の段と美味しくなります。シンプルな食材ながら奥が深く、味わいも栄養も豊かな片栗粉。その使い方や知識を活かすそれで、日々の食卓がさらに楽しく、豊かなものとなることでしょう。ご家庭でも、ぜひ片栗粉を活用した多彩なメニューを楽しんでみてください。