甘酸っぱい夏の味覚!人気スモモ(プラム)品種:選び方から栽培方法まで徹底解説

太陽を浴びて育ったスモモは、甘酸っぱくてジューシーな夏の味覚の代表格。一口食べれば、爽やかな香りと甘みが口いっぱいに広がり、暑さを忘れさせてくれます。スモモは日本でも古くから親しまれてきました。この記事では、数あるスモモの中から特に人気の高い14品種を厳選し、それぞれの特徴を徹底解説。選び方のポイントはもちろん、ご家庭でスモモを栽培したい方向けに、初心者でも安心の栽培方法もご紹介します。スモモの魅力を余すことなくお届けしますので、ぜひ最後までお読みください。

スモモ購入時の注意点と美味しい食べ方

スモモを買ってみたものの、硬くて酸っぱく、期待外れだったという経験を持つ人もいるかもしれません。これは、スモモが十分に熟していない状態で販売されていることが一因です。おいしいスモモを選ぶには、果皮の色、ハリ、そして香りをチェックすることが大切です。果皮につやがあり、その品種特有の色が均一に出ているものがおすすめです。また、触ってみて適度な弾力があるかを確認しましょう。柔らかすぎる場合は熟れすぎ、硬すぎる場合はまだ熟していない可能性があります。さらに、甘くフルーティーな香りがするものを選ぶと良いでしょう。購入後、自宅で追熟させることで、甘みが増し、よりジューシーな食感を楽しめます。紙袋に入れるか、リンゴと一緒に置くと、リンゴから出るエチレンガスが追熟を促進します。追熟後は冷蔵庫で冷やして食べると、さらに美味しくなります。スモモのシーズン終盤には、「秋さやか」のような晩生品種も登場し、季節ごとに異なる味わいを楽しめます。

秋姫(あきひめ)

「秋姫」は、秋田県の農園で偶然生まれたとされる、希少なスモモです。その特徴は、150~200gにもなる大きなサイズ。果皮は赤色から紫がかった濃紅色に染まり、果肉は鮮やかな黄色をしています。旬は9月中旬から10月にかけてで、秋の味覚として珍重されています。皮ごと食べられる手軽さも魅力で、甘酸っぱい風味はタルトやスムージーなど、幅広い用途で楽しむことができます。

Image

大石早生(おおいしわせ)

「大石早生」は、福島県の大石俊雄氏によって育成された品種で、日本で最も多く栽培されているスモモの一つです。果実の大きさは50~70g程度で、先端が少し尖った形をしています。収穫時期は6月下旬から7月上旬と早く、早生品種として市場に出回ります。未熟な状態では黄緑色をしていますが、熟すと鮮やかな紅色に変わり、甘酸っぱくジューシーな味わいが楽しめます。

花螺李(がらり/からり)

台湾をルーツとする「花螺李(がらり/からり)」は、小さくて可愛らしいスモモです。奄美大島や沖縄では「奄美スモモ」の名で親しまれています。その果実は30~50gと小ぶりで、熟すにつれて果皮は赤紫色から深紅、そして最終的には黒紫色へと変化します。果肉も同様に濃い紅色から黒紫色を帯び、保存性に優れている点が特徴です。旬は他のスモモよりも早く、5月下旬から6月頃に訪れます。際立った強い酸味が持ち味で、酸っぱいものが好きな方にはたまらない品種でしょう。

貴陽(きよう)

「貴陽(きよう)」は、スモモの中でもひときわ人気のある品種で、山梨県で生まれました。何と言ってもその大きさが魅力で、平均的な果実で200g程度、中には300gを超えるものもあります。熟した果皮は紫がかった鮮やかな紅色になり、表面には同心円状にヒビのような模様が現れます。果肉は淡い黄色で、高い糖度とそれを引き立てる程よい酸味とのバランスが秀逸です。果汁もたっぷり含まれており、とろけるような食感を堪能できます。収穫時期は7月下旬から8月中旬で、日持ちの良さから贈答用としても喜ばれます。山梨県中巨摩郡地域での栽培が盛んです。

ケルシー

「ケルシー」は、緑色から黄緑色の果皮を持つ、見た目にも個性的なスモモです。国内では山梨県が唯一の主要産地として知られています。果実は150~200g程度と大きく、果頂部が尖ったハート型をしているのが特徴です。外見からは想像しにくいかもしれませんが、十分に熟すと強い甘さが際立ち、酸味は控えめになります。果肉はやや硬めでしっかりとした食感があり、中心部に空洞ができやすい傾向があります。収穫時期は8月下旬から9月上旬と短く、生産量が限られているため、市場に出回る期間も短い貴重な品種です。

サマーエンジェル

「サマーエンジェル」は、「ソルダム」と「ケルシー」を掛け合わせて生まれた品種です。丸い形をした果実は、150gほどに成長します。果皮は美しい紅色をまとい、果肉は淡い黄色をしています。糖度が高く、非常に強い甘味を持つ一方で、適度な酸味も持ち合わせているため、バランスの取れた濃厚な味わいが特徴です。収穫時期は7月後半から8月頃で、夏の味覚として親しまれています。

サマービュート

山梨県生まれの「サマービュート」は、堂々とした大玉が特徴的な品種です。平均的な重さは約170gにも達します。その美しい丸みを帯びたフォルムと、鮮やかな赤色の果皮は、見た目にも食欲をそそります。果肉は、淡い黄色をしており、やや硬めでしっかりとした歯ごたえが楽しめます。口に含むと、強い甘さと程よい酸味が絶妙に調和し、みずみずしい果汁が広がります。旬は7月下旬から8月中旬頃で、夏真っ盛りの時期に収穫されます。山梨県果樹試験場などで丹念に育成された、その卓越した品質に、今、熱い視線が注がれています。

サンタローザ

「サンタローザ」は、「さんたろう」という愛称でも親しまれている、100年以上の歴史を持つ由緒ある品種です。果実は約100gとやや大きめで、つややかな赤色の果皮が特徴です。十分に熟すと、紫がかった深みのある紅色へと変化し、その美しさを増します。果肉は鮮やかな黄色で、ほどよい酸味と上品な甘さが織りなす、絶妙なバランスが魅力です。収穫時期は7月中旬から下旬にかけて。その長い歴史の中で、世代を超えて多くの人々から愛され続けている、不朽の味わいです。

ソルダム

「ソルダム」は、こちらも100年以上の栽培の歴史を持つ、アメリカ原産の伝統的な品種です。果実は、丸みを帯びた楕円形をしており、黄緑色の地に赤色がまだら模様に入る、個性的な果皮が目を引きます。完熟するにつれて、濃紅色や、深みのある飴色へと変化していきます。果肉は美しい赤紫色で、口に含むと、強めの酸味と、それを引き立てる甘みが渾然一体となり、濃厚な味わいを生み出します。市場に出回るのは7月中旬から8月頃。昔から変わらぬ美味しさで、多くの人々に愛され続けている定番品種の一つです。

太陽

「太陽」は、山梨県で偶然発見された、幸運な出自を持つ品種です。「大石早生」や「ソルダム」と並び、日本を代表するすももの一つとして広く知られています。100~150gとボリュームのある果実は、食べ応えも十分。濃い紅紫色の果皮は、熟すと奥深い紫紅色へと色を変え、その美しさを際立たせます。果肉はきめ細かく、甘みが際立っており、酸味が少ないのが特徴です。果汁もたっぷりで、口の中いっぱいにみずみずしさが広がります。また、日持ちが良く、種離れが良いのも嬉しいポイント。収穫時期は8月中旬から9月上旬で、晩生種として、夏の終わりから秋の訪れを感じさせてくれる、滋味深い味わいです。

ハニーローザ

「ハニーローザ」は、「ホワイトプラム」の自然交雑から生まれた貴重なスモモです。重さは40~50gと小ぶりながら、想像をはるかに超える甘さが魅力。熟すと果皮は、薄紅色から黄色、赤へと優雅なグラデーションを描きます。果肉は淡い黄色で、果汁たっぷりの滑らかな舌触り。高い糖度と穏やかな酸味は、甘いスモモを求める方に最適です。旬は6月上旬~7月上旬と、比較的早い時期に楽しめます。

ハニービート

「ハニービート」は、比較的新しいスモモの品種です。120g程度の中玉で、鮮やかな紅紫色の果皮が目を引きます。黄色の果肉は、甘みと酸味の絶妙なバランスを持ち、豊かな風味を醸し出します。収穫期は6月下旬~7月中旬で、初夏の訪れを告げる味覚として注目されています。

紅りょうぜん

「紅りょうぜん」は、福島県伊達市の菅野幸男氏によって育成された品種。「マンモス・カージナル」と「大石早生」を交配して生まれました。100~150gと大玉で、丸みを帯びた形が特徴です。果皮は鮮やかな紅色で、完熟時には深みのある暗赤色へと変化します。果肉は淡い黄色ですが、熟すと外側から紅色に染まる美しいコントラストが楽しめます。強い甘さと程よい酸味が調和し、ジューシーで濃厚な味わいが口いっぱいに広がります。旬は7月中旬~下旬ですが、寒冷地では8月まで出荷され、比較的長く味わえます。

李王(りおう)

「李王(りおう)」は、山梨県の深沢渉氏が「大石早生」と「貴陽」を掛け合わせて育成したとされる品種です。90~120gとやや大きめの果実は、熟すと鮮やかな紅色から赤紫色へと色を変えます。果肉は淡い黄色で、非常に柔らかく、果汁をたっぷり含んだジューシーな食感が特徴。強い甘みと控えめな酸味は、お子様からご年配の方まで幅広い世代に愛される味わいです。収穫時期は7月上旬~8月中旬頃と短い期間のため、主に山梨県とその周辺地域でのみ見られる希少な品種として知られています。

Image

まとめ

すももは、夏の訪れとともに旬を迎える、甘さと酸味が絶妙なバランスの果実です。原産地の中国から、日本やアメリカで独自の品種改良が重ねられ、多彩な品種が生まれています。この記事では、代表的な品種の味、食感、特徴を詳しく解説しました。美味しいすももを選ぶには、外観だけでなく、購入後の適切な追熟が重要であり、それによって本来の美味しさを最大限に引き出すことができます。さらに、すももは家庭菜園での栽培も十分に可能です。適切な剪定、摘果、病害虫対策を行うことで、甘くジューシーな完熟すももを収穫する喜びを体験できます。自家製すももは、市販品とは比較にならないほどの特別な味わいがあり、そのまま食べるのはもちろん、様々なデザートや料理にも活用できます。この記事でご紹介した品種以外にも、世界には数多くのすももが存在し、各地で大切に栽培されています。季節の移り変わりを感じながら、様々なすももの品種を味わい、その奥深い魅力を堪能してください。

すももの主な産地はどこですか?

すももの主な産地としては、山梨県、長野県、和歌山県などが挙げられます。特に山梨県は、「貴陽」や「サマービュート」、「李王」など、数々の人気品種を生み出し、国内でもトップクラスの生産量を誇っています。これらの地域は、すももの栽培に適した気候と土壌条件を備えており、高品質なすももが豊富に出荷されています。

すももはどのように保存すれば良いですか?

すももは、十分に熟している場合は冷蔵庫の野菜室で保存し、できるだけ早く食べることをおすすめします。まだ硬い場合は、常温で保存して追熟させると、甘みが増します。紙袋に入れるか、リンゴと一緒に置いておくと、エチレンガスの影響で追熟が促進されます。追熟後は、冷蔵庫で冷やしていただくと、より美味しく味わえます。大量に収穫できた場合は、ジャムやジュースなどに加工するのも良い方法です。

すももとプラムは同じものですか?

はい、すももとプラムは基本的に同じ果物を指します。英語では「プラム(plum)」と呼ばれており、日本語では一般的に「すもも」という名称が使われます。ただし、日本においては、品種改良された西洋系のすももを特に「プラム」と呼ぶ場合があり、より多様な品種や外来種を区別するために用いられることがあります。どちらもバラ科サクラ属に属する果実で、甘酸っぱい風味が特徴です。

すももの旬の時期はいつですか?

すももの収穫時期は、種類によって異なりますが、一般的には初夏から夏にかけて(6月~9月頃)が最盛期です。早い時期に出回る早生種は6月頃から店頭に並び始め、「大石早生」が代表的な品種です。続く中生種は7月~8月、そして晩生種は9月頃まで収穫が続き、「秋姫」や「秋さやか」などがその例です。このように、多様な品種が存在するため、長い期間にわたって旬のすももを味わうことができます。

すももを選ぶ際のポイントは何ですか?

美味しいすももを見分けるには、いくつかのポイントを押さえておきましょう。まず、果皮にハリとツヤがあり、品種本来の色が鮮やかに出ているものを選びましょう。また、手で触れた際に、適度な弾力があるかを確認することも重要です。柔らかすぎるものは熟しすぎ、硬すぎるものはまだ熟成が進んでいない可能性があります。さらに、甘く芳醇な香りが漂っているものは、食べ頃であるサインです。

スモモプラム