甘酸っぱくジューシーなプラムは、そのままでも美味しいですが、切り方を工夫することで、さらに楽しみ方が広がります。この記事では、プラムの基本的な切り方から、安全かつ簡単に種を取り除く方法、そして皮の扱い方までを徹底解説。初心者でも迷わずできる手順をご紹介します。食卓を彩るアイデア満載でお届けです。
プラム(すもも)とは?品種と名称について
すももは、一般的に「プラム」や「プルーン」を含む果物の総称として用いられ、植物学的にはバラ科サクラ属に分類されます。これらの名前は混同されがちですが、基本的には同じグループに属し、切り方も共通の方法で対応可能です。例えば、酸味が特徴の「ソルダム」、甘みと果汁が豊富な「大石早生」、加工にも適した「太陽」、大玉で食べ応えのある「貴陽」、ドライフルーツとして知られる「プルーン」など、多様な品種があります。しかし、どのプラムも種を取り除き、果肉を切り分ける基本手順は同じです。この切り方をマスターすれば、色々なプラムを安心して扱えるようになります。特に、和歌山県はすももの主要産地として知られ、梅と並んで地域経済を支えています。
プラムを切るための準備と必要なもの
プラムを綺麗に切り分けるのに、特別な道具はほとんど必要ありません。一般家庭にある包丁とまな板があれば十分です。切れ味の良い包丁を使うことで、プラムの柔らかい果肉を傷つけずにスムーズに切れ、美しい断面を保てます。また、熟したプラムは滑りやすいので、安定したまな板の使用をおすすめします。必要な材料は、切り分けるプラム(すもも)が1個あればすぐに始められます。複数のプラムを処理する場合は、その数に合わせて道具を準備してください。清潔な布巾やキッチンペーパーがあると、作業中に手を拭いたり、プラムの水分を拭き取ったりするのに便利です。
プラムの食べ方:皮ごと?剥く?生のままでも美味しいわけ
プラムを食べる際、皮をむくべきか皮ごと食べるべきか悩む方もいると思いますが、プラムは基本的に皮ごと食べられます。皮にはアントシアニンなどのポリフェノールが豊富で、抗酸化作用が期待できるため、栄養面からも皮ごと食べるのがおすすめです。特に、皮の酸味と果肉の甘みが組み合わさることで、プラム本来の奥深い味わいを楽しめます。ただし、皮の食感や酸味が苦手な場合や、レシピで滑らかな口当たりを求める場合は、皮をむいて食べると良いでしょう。皮をむくタイミングは、プラムを切る前、または後述する種の取り方のステップで二つに分けてからが適しています。熟したプラムは皮が薄くむきやすいですが、未熟なプラムは皮が硬くむきにくいことがあります。皮をむく際は、ペティナイフやピーラーを使うと便利ですが、熟したプラムは柔らかく潰れやすいので、優しく丁寧に作業することが大切です。また、桃と異なり、プラムは切ってから時間が経っても変色しにくいため、生のままでも見た目の美しさを保ちやすいのが特徴です。
プラム、最高の味わいを見つけるには
プラムを心ゆくまで堪能するには、食べ頃を見極めることが不可欠です。見分けるポイントはいくつかあります。まず、見た目です。全体的に色鮮やかで、種類によって異なりますが、赤や紫、黄色など、その品種ならではの色が濃く均一に出ているものが良いでしょう。次に、そっと触れてみましょう。適度な弾力があり、少し柔らかいと感じるくらいがベストです。硬すぎるものはまだ熟しておらず、酸味が強い場合があります。逆に、柔らかすぎるものは熟れすぎの可能性があり、風味も落ちているかもしれません。香りも重要な要素です。食べ頃のプラムは、甘く豊かな香りを漂わせます。香りが弱い場合は、まだ熟していないサインかもしれません。購入後、もし硬い場合は、常温で追熟させることで甘みが増し、柔らかくなります。追熟が進んだら冷蔵庫で保存し、鮮度を保ちながら美味しくいただきましょう。
プラムの切り方と種取りのコツ
プラムの切り方にはいくつかの段階がありますが、桃の切り方と似ていて、一度覚えれば簡単です。以下の手順で、種をきれいに取り除き、果肉を美しく切り分けましょう。
1. プラムを丁寧に洗う
まず、プラムの表面についている汚れや農薬を洗い落とします。流水でやさしくこすり洗いし、清潔な布巾やキッチンペーパーで水気を拭き取ります。皮ごと食べる場合は、特に念入りに洗いましょう。
2. 種に沿って包丁で切り込みを入れる
プラムの中心には硬い種があります。この種を避けて、プラムの縫合線(縦の溝)に沿って包丁を入れ、種に当たるまで切り込みます。包丁の先が種に触れる感触があればOKです。そのままプラムを回しながら、ぐるりと一周切り込みを入れます。この時、力を入れすぎると果肉が潰れてしまうことがあるので、優しく丁寧に扱いましょう。
3. 果肉を回して半分にする
切れ込みを入れたプラムを両手でしっかりと持ち、切れ目に沿って左右にゆっくりと回します。すると、プラムは綺麗に二つに分かれ、大抵は片側に種が残ります。プラムが熟しているほど、より簡単に、そして美しく分けることができます。
4. 種の除去
種が残った半分のプラムから、包丁の先を使って丁寧に種を取り除きます。種の周りの果肉は少し硬い場合があるので、注意しながら作業を進めてください。包丁の先で種を浮かせるようにすると比較的容易に取れます。また、スプーンの背を使うと、種をすくい出すようにして取り除くことも可能です。これで、種が取り除かれたプラムの半身が二つ出来上がります。
5. 用途に応じたカット
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くし形切り:デザートの彩りや、そのまま味わうのに最適です。プラムの半身を縦方向に2~3等分にカットします。
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いちょう切り:ジャムやコンポート、サラダなど、細かくして使用する際に便利です。くし形切りにしたものを、さらに横方向に数回カットします。
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さいの目切り:ヨーグルトのトッピングやスムージーの材料、焼き菓子に混ぜ込む際などに適しています。
まとめ
プラム(李)は、独特の甘酸っぱさと豊富な栄養価で、そのまま食べるのはもちろん、様々な料理やデザートに活用できる魅力的な果実です。本記事では、プラムを存分に楽しむための基本的な切り方、皮ごと食すことの利点、効率的な種抜き方法、そして美味しいプラムの選び方を詳しく解説しました。特に、皮にはポリフェノールが豊富に含まれているため、可能な限り皮ごと味わうことをお勧めします。もちろん、食感や用途によっては皮を剥く方法も有効です。さらに、プラムジャム、コンポート、シャーベット、ブランデーケーキ、プラム酒など、具体的なレシピのアイデアを通じて、プラムの様々な利用法を紹介しました。これらの情報を参考に、今年のプラムの旬をより豊かに、そして美味しくお楽しみください。
質問:プラムは皮ごと食べても大丈夫ですか?
回答:もちろんです。プラムは皮ごと美味しくいただけます。皮には、アントシアニンをはじめとするポリフェノール類が豊富に含まれており、健康にも良い影響が期待できます。また、皮特有のほのかな酸味が、果肉の甘さを際立たせ、プラムならではの奥深い風味を堪能できます。ただし、皮の食感や酸味が気になる場合や、特定の料理でよりなめらかな食感を求める場合は、皮をむいて召し上がるのも良いでしょう。
質問: プラムの種はどのように取り除けば良いですか?
回答:プラムの種は、基本的に桃と同様の方法で、ご家庭にある包丁で簡単に取り除くことが可能です。まず、プラムにある縦方向の溝(縫合線)に沿って、種に当たるまで包丁を入れ、一周するように切り込みを入れます。次に、プラムを両手で持ち、切り込みを入れた箇所を軸にして左右にねじると、きれいに半分に分かれます。種が残った方の果肉から、包丁の先やスプーンの背などを利用して、丁寧に種を取り出してください。
質問:プラムは切ってから変色しやすいですか?
回答:プラムは、一般的に桃に比べて、カット後の変色が起こりにくい果物です。そのため、あらかじめカットしてデザートの準備をしておいたり、お弁当の彩りに加えたりする際にも、比較的きれいな状態を保ちやすいというメリットがあります。ただし、長時間空気に触れさせると、わずかに色が変化する可能性もありますので、なるべく食べる直前にカットするのが、最も新鮮な風味と色合いを味わうための秘訣です。