パイナップルは、太陽の恵みに包まれた南国の味覚です。鮮やかな黄色い外皮には、豊富なビタミンCをはじめ、様々な栄養素が凝縮されています。

ビタミンCは抗酸化作用に優れ、免疫力の向上や風邪の予防に役立ちます。また、ブロメラインという消化酵素も含まれており、たんぱく質の消化を助けます。さらに、マンガン、食物繊維、ビタミンB群なども豊富で、健康的な新陳代謝の維持に貢献します。

一方、パイナップルに多く含まれるクエン酸には整腸作用や食欲増進作用があり、利尿作用やむくみ解消作用もあるため、デトックス効果が期待できます。甘酸っぱい香りと味わいは、ストレス解消にもぴったりです。

このように、栄養価が高く様々な効能を備えたパイナップルは、南国の味覚と健康を手軽に楽しめる魅力的な果物です。

パイナップルは栄養価が高い一方で、適切な取り扱いをしないと栄養分が失われてしまう恐れがあります。そこで、栄養を余すことなくパイナップルを摂取するための注意点をご紹介します。

生で食べるのがおすすめ

パイナップルに含まれるブロメラインは、およそ60℃以上の熱で活性を失ってしまいます。そのため、製造工程で加熱・殺菌される缶詰やジュースなどでは、ブロメラインの効果を期待することができません。活性を保ったままブロメラインを摂取したいなら、生で食べるのが一番です。ドライフルーツも高温で製造されている場合があるので、できれば低温乾燥のものを選ぶことをおすすめします。

料理に使う際は軽く加熱するのがベスト

パイナップルを料理に使う際も、加熱によるブロメラインの損失に注意が必要です。焼いたり煮込んだりすると、せっかくのブロメラインが失活してしまいます。酢豚の場合は、出来上がり直前にパイナップルを加え、軽く混ぜ合わせるくらいがよいでしょう。ステーキやソテーの上にトッピングするパイナップルも、肉を焼いた後の余熱でサッと焼く程度がベストです。

冷凍保存でも栄養はキープ

ブロメラインの働きは冷凍されると一度停止しますが、その後自然解凍されることで活性がよみがえります。一度に食べきれないパイナップルは冷凍保存するのがおすすめです。

栄養豊富な芯も捨てずに

ブロメラインは、かたくて食べにくいことから取り除かれがちなパイナップルの芯の部分に多く含まれています。できれば芯も捨てずに食べましょう。そのまま食べるのが難しい場合は、スムージーにするなどのアイデアで美味しく摂取できます。

パイナップル100gあたりのカロリー・糖質

生パイナップルは、比較的低カロリー・低糖質で、100gあたり54キロカロリー、糖質12.5gです。しかし、缶詰では糖質が19.8gと高くなり、濃縮還元ジュースでも11.1gと生より増加します。また、ドライフルーツのパイナップルチップスは、生の約6倍の糖質となります。加工によりカロリーや糖質が変化するため、ダイエット中は生で控えめに食べるのが賢明です。

パイナップルは新鮮な状態で最も美味しいですが、食べ頃を逃すと酸味が強くなりすぎてしまいます。適切な時期に収穫し、食べ頃を見極めることが大切です。パイナップルの食べ頃は、外観、香り、重さ、茎の柔らかさから総合的に判断します。

外観では、鱗片が緑色から黄色に変化し、最終的にオレンジがかった色合いになると食べ頃です。ただし過熟すると茶色く変色するので注意が必要です。香りも重要な目安となります。食べ頃のパイナップルは芳醇な香りが漂います。香りが弱ければ未熟、酸っぱい強い香りは過熟の兆候です。

次に重さを確認しましょう。適度な重みがあれば食べごろですが、重すぎるのは過熟で水分が失われた証拠、軽すぎれば未熟の可能性があります。最後に茎の付け根を押してみましょう。しっかりと硬ければ未熟ですが、やや柔らかければ食べ頃を迎えています。茎がぐにゃぐにゃしていれば過熟の証拠となります。

これらの基準を総合的に判断し、最も美味しい状態のパイナップルを見極めましょう。

パイナップルの食べ頃は、外側の色が濃い黄緑色から黄色に変わり、香りが強くなったタイミングです。果実の底付近を軽くつまんでみると、少し柔らかくなっていれば完熟の証です。熟し過ぎると酸味が強くなり過ぎるので、適度な硬さと香りが食べ頃のサインとなります。新鮮な状態で、甘みと酸味のバランスが絶妙なパイナップルを味わいましょう。