秋の訪れを実感させる香り高い果物、梨。その味わい深い風味と甘みに包まれた至福の時間は、誰もが待ち望む食べ頃を迎えてこそ堪能できるものです。梨の魅力を最大限に引き出す食べ頃を見逃さぬよう、その見分け方や保存のコツ、おいしい食べ方をご紹介します。
梨の食べ頃は買ってきてすぐ!
梨の美味しさは旬の短さに比例します。たった1か月ほどの期間しか味わえない至高の味わいは、買ってすぐに楽しむことが何より大切です。時間の経過とともに梨は甘みと香りを失っていくからです。
梨は熟すと急激に柔らかくなり過ぎてしまうため、固めの状態で収穫されます。店頭の青臭い硬い梨こそが、新鮮な証なのです。一方で完熟した梨は、口の中でしっとりとした食感と甘みに包まれる贅沢な味わいを堪能できます。
しかし、梨は追熟しません。一度収穫したらそれ以上熟すことはありません。ゆえに、購入時においしいものを選ぶ目利きが重要になります。さらに、常温で置いておくと傷みやすいため、買ってきたらすぐに冷蔵庫に入れ、早めに味わうよう心がけましょう。
希少で上品な味わいの梨は、果物の女王と呼ばれるだけあります。この短い旬の時期に、梨本来の風味を堪能してみてはいかがでしょうか。
梨が食べ頃になる季節は?
ここでは、旬の梨の美味しさと見分け方についてご紹介します。
梨の旬は、8月中旬から10月下旬にかけての晩夏から初秋です。この時期が最も味わい深く、実が充実しています。主な品種別の収穫時期は、新高や長十郎が8月下旬から9月上旬、幸水が9月中旬、豊水が10月上旬、そして二十世紀梨が10月中旬となっています。
成熟するにつれ、梨は甘みと香りが増し、適度に柔らかくなると最も美味しくいただけます。収穫後、一定期間追熟させることで食べごろを迎えます。生で食べるのはもちろん、コンポートやタルト、ジャムなど様々な加工品にも利用できる万能な果物です。
おいしい梨の選び方としては、底がふっくらとどっしりとした形のものを選ぶのがポイントです。表面の皮にムラがなく、ザラつきが薄れて滑らかな手触りのものがおすすめです。旬の短い梨の美味しさを心行くまで堪能したいものですね。
梨の食べ頃を見極めておいしく食べよう
梨の魅力は、その芳醇な香りと上品な甘み。しかし、熟し具合によっては食べづらくなってしまうこともあります。ジューシーでみずみずしい味わいを堪能するには、食べ頃を見逃さずにいただくことが何より重要です。
熟し具合の目安は色と硬さ。硬くて緑色が濃ければ未熟、黄色くて柔らかければ食べ頃を過ぎてしまった兆候です。理想は淡い黄緑色で、軽く押すとわずかに柔らかい状態。そんな時期の梨に出会えれば、フレッシュなシャキシャキ感とメロンのような芳醇な甘みを存分に味わえるはずです。
硬めの梨なら常温で2、3日おけば食べごろに。熟し具合を確認しながら、僅かな硬さが残る時期を狙いましょう。一方、熟し過ぎてしまった場合はコンポートやスムージーに活用するのがおすすめ。冷凍保存しておけば、様々な料理の隠し味としても長く楽しめます。梨本来のおいしさを知り尽くし、食べ頃を逃さずに堪能しましょう。
まとめ
梨の栄養価を存分に味わえる食べ頃は、果実が軟らかくなり始めたときです。早熟種なら室内に置いておくと、2、3日でよい状態になります。熟し過ぎると食味が落ちるので、冷蔵庫で保存し、適度に柔らかくなってから食べましょう。皮付きのままで洗わずに味わえば、香りと甘み、シャキシャキとした食感を楽しめます。梨の魅力を最大限に引き出す食べ頃を逃さず、ぜひその美味しさに酔いしれてください。