咳で苦しむとき、私たちの多くはすぐに薬に頼りがちです。しかし、自然の力を活かした健康法もあります。今回は、梨を使った咳を和らげる方法をご紹介します。古くから東洋医学で重宝されてきた梨は、喉を潤し、咳を和らげる効果があると言われています。化学成分に頼らないこの方法は、体に優しく、日常生活に簡単に取り入れることが可能です。風邪の季節や乾燥する時期にぴったりのこの自然療法を試してみませんか。
季節の変わり目の体調不良は、「梨」で改善
季節の変わり目は体調を崩しやすいとされており、特に夏と秋の間は特別です。「夏バテ」からくる疲れが残る中、乾燥と寒さが重なり、体の不調が目立つ時期です。このような時期に収穫される梨は、薬膳で「体の熱を冷ませる」「肺や喉を潤せる」と評価されています。特に乾燥が原因の喉の不調や咳があるときに有効です。喉をしっかり潤すために、すりおろしたりジュースにしてゆっくり摂取するとより効果が期待できます。
梨がもたらす健康な栄養素
梨は豊かな果汁が特徴で、水分が90パーセント以上を占めています。その中の10パーセントには重要な栄養素が多く含まれており、30種類以上にも及ぶとされています。以下に特に注目すべき栄養素をご紹介します。
■カリウム:体内のバランスを整える役割
カリウムは体内で余分な塩分を排出し、血糖値を下げる作用があります。このため、高血圧や糖尿病といった生活習慣病が気になる方や、塩分を多く摂取しがちな人にとって重要な栄養素です。また、利尿作用によってむくみ解消にも効果的です。
■アスパラギン酸:活力を生み出すエネルギーの源
アスパラギン酸はアミノ酸の一種で、食品から得た「エネルギー源」を実際の「エネルギー」に変換する役割を果たしています。「疲労の軽減」をサポートすることが見込まれ、夏の疲れや体力が落ちているときに適しています。栄養ドリンクにも含まれることがあります。
咳や喉の痛みに効果的!
秋が訪れると、喉や肺の粘膜が乾燥し、「喉風邪」と呼ばれる症状が増えてきます。痛みやイガイガ感、そして咳が気になるときには、梨を使った薬膳デザートを試してみてはいかがでしょうか。喉の炎症を和らげ、潤いを与えてくれる効果があります。作り方は簡単で、食べた後は体が温まり、喉の不快感が和らぎます。
季節の変わり目には、暑さや乾燥による体調不良が重なりがちです。しかし、その時期に採れる食材は、必要な栄養と効能を含んでいます。梨はまさに「季節の境目」にぴったりの食材です。秋を健康に過ごすための準備として食養生に取り入れてみてください。店頭で梨を見かけたら、ぜひ手に取ってみましょう。