桃 旬

日本の夏を彩る果物のひとつ、桃。その甘くジューシーな果肉と爽やかな香りは、暑い季節を涼やかにしてくれる自然の恵みです。旬を迎えると、一口かじれば甘さとともに口いっぱいに広がる絶妙な風味が楽しめます。多くの栄養素も含んでおり、健康にも嬉しい食品です。スーパーや果樹園に桃が並ぶこの季節、旬の楽しみ方を知れば、日々の食卓がより豊かなものになるでしょう。ぜひ、この夏は桃の魅力を存分に感じてみてください。

桃とはどんな果物なのか?

桃は中国で生まれた果物で、日本では江戸時代に本格的な栽培が始まりました。日本における桃の始まりは、岡山県の「白桃」と言われています。その後、品種改良が進み、今では多種多様な桃が存在しています。桃には主に白桃と黄桃の2つの種類があり、果肉の色の違いで区別されます。白桃は特に果汁が豊富でジューシーな味わいが特徴で、黄桃はやや固めで缶詰などに加工されることが多いです。なお、黄桃は「ネクタリン」とも呼ばれています。日本の桃はジューシーで滑らかな舌触りが評価され、国際的にも高い評価を得ています。

なぜ桃が人々に愛されるのか

桃は数ある果物の中でも特に人気が高いです。果物の好みを探る市場調査では、桃はイチゴに続き2番目にランクインしています。桃が多くの人に好まれる理由はいくつかあります。味だけでなく、その香りや美しい見た目も多くの人に愛される要因となっています。

桃のベストシーズンはいつ?

果物が最も美味しくなる「旬」は、桃にはいつ来るのでしょうか。桃には多くの品種があり、それぞれに適した収穫時期があります。そのため、品種によって収穫の時期やピークが変わってきます。桃の収穫期間は、早生、中生、晩生の3つに大別されます。早生は字の通り、一番早く収穫でき、その中でも早く出回る「極早生種」は5月頃から市場に出始めます。一般的に最も出回るのは7〜8月、つまり夏の時期です。この時期には多数の品種が最適な食べ頃を迎えます。そのため、桃は夏の果物として認識されている方も多いかもしれません。晩生のものは9〜10月に収穫されます。現在ではハウス栽培が広がり、冬の12月でも楽しめるようになりました。桃は多様な品種により、5月から10月まで長い期間にわたって楽しむことができる果物です。

桃に含まれる栄養素

桃には豊富なペクチンが含まれています。ペクチンは食物繊維で、腸の活動をサポートし、善玉菌の増加を促して便秘や下痢の改善に役立ちます。健康な腸を維持することで、栄養の効率的な吸収が可能になるので非常におすすめです。さらには、ペクチンは血糖値の急上昇を防ぎ、コレステロール値の低下にも寄与します。これにより、ペクチンは体の内部から健康を後押ししてくれます。ほかにも、桃はカリウムやビタミンC、Eを含んでいます。カリウムは重要なミネラルで、ナトリウムの排出を助けます。その結果、血圧を下げ、高血圧の改善に効果があります。ナトリウムによるむくみを軽減するのにも役立ちます。さらに、カリウムは筋肉の生成や機能維持にも重要です。栄養不足により、筋肉の弱体化や異常が引き起こされる可能性があります。ミネラルは人体において欠かせない要素です。ビタミンCといえば、レモンなどの柑橘類ですが、桃にも多量に含まれています。具体的には、桃100g中に8mgのビタミンCが含まれます。美容の観点では、ビタミンCは重要です。コラーゲン生成を助け、メラニン生成を抑えることで美肌をサポートします。また、ビタミンCは免疫力向上にも繋がります。ビタミンEは細胞の酸化を防ぐことで抗酸化作用を発揮します。細胞の酸化は肌や血管に悪影響を及ぼすため、美肌や血管の健康を目指す方には積極的な摂取が勧められます。このように、桃には多くの栄養素が含まれ、健康維持に役立つとされています。